Neetel Inside 文芸新都
表紙

名称未設定
高飛び込み

見開き   最大化      

高飛び込み
 
 二月二十二日の朝。僕はこの世でも最も高い飛び込み台の上にたっていた。僕より前から多くの先人達が挑戦してきた場所だ。周りの皆は誰も僕をみていない。長方形の箱を手に持ちながら何かを待っていた。
 
 そうだ、僕も彼等と同じものを待っていたんだった。
 
 後十分。そしたら誰か僕の事をみてくれるのだろうか。
 
 


     

 一人ぼっち
 
 ある男の話。
「この水を飲めば不老不死になるんだ。その為にここに来た。僕は死ぬのが怖いから、一人は嫌だから、だから飲むんだ。」
 
 男は飲んだ。そして不老不死となった。
 
 男は喜んだ。
「もう死ぬことはない、一生生きて行けるんだ。もう僕は一人にならないんだ。」

 男は生き続けた。そして――
 
 皆死んでしまっのだ。友人も家族も、そして星も。しかし、男はまだ生きた。たった一人で、一人ぼっちで生きた。そして今もどこかで生きている。
 

 
 

       

表紙

名称未設定 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha