Neetel Inside ニートノベル
表紙

ゆい☆ゆい
1話「命を差別するやつなんか大嫌いだ」

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私は結城結衣。
私はあるクラスメートの奇行に悩まされています。

金城唯
「そりゃああ!!」

女子
「きゃぁあああっ!!」

金城唯
「よっし!! 山下由紀子ちゃん!
 そんな君に吉報だ!
 君のパンツ写真が
 僕の1年生女子のパンツ写真コレクションの
 最後を飾ったぜ!」


ご覧いただけたでしょうか?
金城唯・・・

彼が私の頭痛の種なのです。
そんなに困ってるなら無視すればいいじゃあないか
と仰られるかもしれません。
それが出来ないから困っているのです。
何故かと言うと・・・

私は

結城結衣
「金城くん!好きでもない男の子にパンツを撮影されて
 吉報と感じる女の子なんて 救いようのない
 アバズレ女と、淫乱肉便器ビッチだけだよ!!」

ボケを放っておけないツッコミ体質なのです・・・

金城唯
「おぉ~ これはこれは僕と同じ名前を持つ
 結衣さんじゃあないか~ 
 物語が始まってそうそう
 かわいい女の子が卑猥なワードを口にするなんて
 先が思いやられるねぇ~」

結城結衣
「そのかわいい女の子に卑猥な行為をしている
 あなたにだけは言われたくないわ!!
 もういい加減にやめなさいよ!
 女の子がこんなハレンチな行為をされて
 喜ぶわけないじゃない!」

金城唯
「あっはっはっはっ!
 結衣さんとあろうものが見識の狭いことをおっしゃる!
 君が思っているほど女の子は
 ハレンチ行為を毛嫌いしているわけではない!
 現に、昨今の少女漫画に見られる性描写が
 近年の女の子たちの抱える欲求不満を表しているではないか!」

結城結衣
「漫画を引用してきたところで全く説得力がない!!
 大体、少女漫画に出てくるような男性キャラの行為は
 あくまでも二次元上における作者個人の理想であって
 近年の女の子たちの理想じゃない!!」

男子①
「やれやれ・・・またやってるよ
 ゆい☆ゆいコンビの漫才・・・」

男子②
「よくあんな無茶なボケに丁寧に突っ込めるねぇ~・・・
 さすがの俺でも無理だわ」

----------

結城結衣
「はぁ~~~・・・」

女子①
「もうこれで被害者87人目!」

女子②
「あたしも撮られた!もうサイテー!!」

女子①
「ちょっと結衣・・・なんとかならないの?
 あんた、あのゴミのどうる…同類なんでしょ?」

結城結衣
「え!? 言いかけて なんでまた言ったの!! 
 失言してんじゃん!結局!」

女子①
「じゃなかった・・・あのゴミの親友なんでしょ?」

結城結衣
「親友って言いたかったの!?
 なんで わざわざヒネった言い方したの!!
 同類と親友って全然意味違うじゃない!!
 気持ちを伝えたいなら 人間もっと素直にいこう!!
 ねぇ!?」

女子①
「・・・そろそろ質問に答えてくんない?(^^;)
 尺ってものがあるから・・・」

結城結衣
「・・・あぁ ゴメンゴメン
 う~ん・・・一応注意はしてるんだけどなぁ~・・・」

女子②
「ちゃんと注意してるの? なんかさー
 金城のやつ、結衣のツッコミを見て楽しんでるような
 気がするけどさ・・・」

女子①
「あいつは口で言ってもわからんねー奴なんだよ
 なあ、一度さぁ
 女子全員であいつシメねぇ?
 そうすれば、あいつも考え改めるだろうし」

結城結衣
「・・・本当にそれで正しいのかな?
 ・・・人は生物で初めて言葉という武器を手に入れた・・・
 言葉は人を変えられる・・・って思う。」

女子①
「それは一理あるけどさぁ 相手があの金城だぜ?
 限度があるよ 限度が」

女子②
「仏の顔も3度までって言うしね~」

結城結衣
「そんなあ・・・」

女子①
「なんだぁ? どうして結衣はあいつに甘いんだ?」

女子②
「もしかして、ハメ撮り動画でも握られてるのかしらん?」

結城結衣
「ちっ・・・ちがうわよ!!
 私そんなこと一度もやったことないわ!!」

女子①
「ふぅ~ん・・・結衣って処女だったんだぁ・・・」

結城結衣
「あ・・・ミスった」

なんでこんな屈辱のカミングアウトになってるのよぉ・・・
もう意味わかんない・・・!!


金城唯
「ふむふむ・・・なにやら、みんな仲良く
 猥談をしてらっしゃるようだねぇ
 僕も混ぜてくれない?」

女子①
「てめぇ!金城!!」

女子②
「いっ・・・いつの間に!」

金城唯
「んーっと・・・結衣ちゃんがハメ撮り動画
 をパクラれちゃって
 どうやって取り返そうかって
 相談してたところからかな?」

結城結衣
「惜しい!! 実に惜しい!
 ハメ撮り動画の部分はあってるけど
 後半がかなり改悪されてるから!!」

金城唯
「ホントにまだ一話だというのに
 大の女の子がハメ撮りだの 処女だの 処女膜だの・・・
 ホントに不健全なキーワードしか飛び交っていないねぇ・・・」

結城結衣
「惜しい!! 実に惜しい!
 ハメ撮りと処女までは合ってる!
 でも、処女膜はどう考えても君の創作だから!!」

金城唯
「・・・だまれ」

結城結衣
「・・・だ・・・だまれって言われた・・・」

オラオラ連打をジャブ一発で殺された時のような
無力感を味わった・・・



女子①
「おい!金城!
 てめぇのやってることは立派なセクハラだ!
 この変態野郎!」

金城唯
「まあ、待ちたまえ・・・今にも口よりも蹴りが出そうな
 厳つい面は女の子には不釣り合いだなぁ」

女子①
「誰のせいでこんな面にされたと
 思ってんだ!てめぇ…全ておめぇのせいだろうが!」

結城結衣
「金城君・・・あなたがどう弁解しようと
 あなたのやってる行為は女子に不快な気持ちを
 させていることに変わりは無いわ その点について
 どう思うの?」

金城唯
「・・・やれやれ・・・
 女の子ってホント わけがわからないよ
 僕の行為を君たちは変態とみなしているわけだが、
 それだと理解出来ないことがある。
 「変態男子キャラがどうして女性に人気があるのか」ということだ。」


金城唯 
「・・・具体例を示そう・・・
 某ジャンプで連載されている
 某めだかボ・・・めだかボックスの某変態男子キャラ・・・
 彼のファンアートがPIXIVで大量に検索できるという事実がある。」

結城結衣
「言っちゃったよ!この人!
 しかも、某つけてるのに 結局言っちゃってるし 某の意味ないじゃん!!
 でも、なんで最後に某ちゃんと使いこなせてるの!?
 この矛盾は一体何!? やっぱり、流石にそこまで
 突っ込んじゃダメだろ!っていう躊躇いの証?!」

金城唯
「しかも、その殆どのファンアートのタッチには女性のものと
 思われるものが沢山見られる。
 おまけにそのキャラはキャラクター投票で一位を獲得している。
 つまりだ、これらのことから
 女の子たちがハレンチな行為をする変態男子に好意を
 抱いていることは否定できまい・・・!」

女子①
(なんつーこじつけ理論だ!!)

女子②
(こいつぁ ひでぇ! 結衣さん
 こいつの×××をちょん切っちまいな!!)

結城結衣
「それは二次元の世界だから許されてることであって
 実際にやったらただの変質者だから!!」

女の子①
「あ・・・ごめん そのキャラ
 あたしも好きだわ」

女の子②
「・・・ってか、PIXIVで投稿したことあるわ」

結城結衣
「え!?
 なんでそこで衝撃の爆弾発言するの!?
 予想外の裏切りにあたしも
 ビックリだよ!!」

女の子①
「・・・ってまあ、冗談はさておき」

結城結衣
(冗談だったの!?)

女の子①
「金城ぉ・・・あんたのやってることは
 立派な痴漢行為だ 分かってんだろうな?」

女の子②
「二次元で通じることが三次元でも通じる
 なんて思わないことね」

金城唯
「・・・理解出来ない。
 二次元だろうが三次元だろうが
 やってることは痴漢行為に変わりないというのに
 次元が一つ違うだけで、こうも待遇が異なるのは
 理不尽きわまりない」

女の子①
「うるせぇ!! 
 ゴキブリとチョウに同じ待遇が出来るかってんだよ!!」

女の子②
「出た!! 優子ちゃんのジャブより早い踵落としだぁーーっ!!
 この蹴りをよけられたものは居なぁぁぁい!!!」

結城結衣
「だめーッ!! 樹里ちゃん!
 1秒間の間に実際じゃ朗読不可能なほどの
 長ったらしい技の解説をされたキャラは
 敗北するってフラグがあるのにーーー!!」

金城唯は、踵落としを瞬時にかわすと同時に
すかさず両方のポケットに忍ばせてあった
ポラロイドカメラを取り出すと
瞬時に何十回もシャッターを切った・・・
それはもう・・・ジョン・ウー監督の映画に出てくるチョウ・ユンファの
二丁拳銃による無駄撃ちに匹敵するほどに・・・


金城唯
「・・・理解出来ない。
 結局のところ、君たちは「行為」がもたらす意味に
 蓋をし、次元の違いを言い訳に「差別」を正当化している。
 だから、いつまで経っても男子は反発するんだ。
 そんなにパンツを見られるのが嫌なら
 「見る者」を嫌悪するのではなく、「行為」を嫌悪すべきだ。」
 
優子
「・・・っ!」

樹里
「・・・っ!!」

金城唯
「優子さん、君は僕をゴキブリと言った。
 だけどゴキブリでも、チョウと同じ「飛べる」生物なんだ。
 「飛べる」という行為は、どちらにも平等に与えられているハズ。
 なのに、ゴキブリだからダメ チョウだから良いというのは
 貧乏人は息をするな、金持ちは息をして良いと言っているのと同じなんだよ!」

優子
「・・・っ!」

樹里
「・・・っ!!」

金城唯
「・・・君たちは命を差別している
 命を差別する奴なんか大嫌いだ!
 命を差別する奴に何かを主張する権利なんかない!」

結城結衣
(す・・・すんごーーー!
 パンツの話から一気に命の話まで脱線出来る
 なんて・・・!)

優子
「・・・すんませんでした」

樹里
「ホント、すみませんでした」

結城結衣
(あっ・・・|゚Д゚))) あやまったー!!!)
「まっ・・・待ってよ!2人とも!!
 金城くんの言葉に騙されちゃダメだよ!!
 金城くんの言ってる言葉は
 ただの男の子としての性的欲求を正当化するための詭弁だよ!!
 結局のところ、男の子は「女の子のパンツを見たい」というのが本音なんでしょ!」

金城唯
「・・・ふ・・・まあ、否定は出来ないね
 生物としての本能を否定するのは、
 命を否定することと同じだからね・・・」

結城結衣
「だったら こっちも言わせてもらうよ!!
 女の子がどうしてパンツを見せたくないのか!
 それは「自分のパンツを見せたいのは好きな人だけ」って思ってるからなんだよ!!」

金城唯
「・・・・!!!」

優子
「・・・っ!!」

樹里
「っ!!」

結城結衣
「女の子って言うのは自分の恥ずかしいところを
 好きな人に捧げたいって思う生き物なの!!
 それが女の子としての本能なの!
 それを否定するって言うのなら・・・
 あなたも命を否定してることになる!!」

金城唯
「・・・・・・やれやれ、参ったよ
 僕も本能を持ち出されては打つ手無しだよ・・・」

結城結衣
「・・・・・・」

金城唯
「本能と本能のぶつかり合い・・・
 それは即ち 命と命のぶつかり合い・・・
 それは戦争だ。僕は命を大切にしない行為を
 嫌悪する・・・僕はそんなもの大嫌いだ。
 これ以上の争いを僕は望まない・・・
 僕の負けだよ 
 でも、すっきりしたよ・・・
 きっと 命が大好きな僕のことを分かってくれてる結衣ちゃんに
 論破されたからなのかね・・・」


金城唯
「・・・盗撮はやめよう。スカートめくりもこれで終焉だ。」

金城くんはそのまま教室を去っていった・・・

優子
「え?これってつまり・・・」

樹里
「勝ち?」

結城結衣
「・・・そうみたい・・・」

樹里
「いったぁああああ!さっすが、結衣!!!」

優子
「毒を持って毒を制すとはまさにこのことだね!
 結衣ちゃん!」

結衣
「・・・優子ちゃん・・・」

私は優子ちゃんの巨乳を花山薫の握撃のごとく
握りつぶさんばかりの凄まじい握力で掴んだ・・・


優子
「ぃぎゃああぁぁぁあああああっっ!!」

そして、指と指とですり潰さんばかりの力で
彼女の巨乳を揉みしだいた

結衣
「微妙に私をディスってんじゃあねぇかよぉーーーー!!
 オイ!!! なにが毒を持って毒を制すだぁーっ!?
 あぁー!? コラァアアああ!!
 それって、つまりアタシが毒ってことだろぉーがよぉ!!」

優子
「いやぁあああ ゆるしてくださいゆるしてください!!」


結衣
「誰のおかげで変態野郎の魔の手から
 お前らのパンツを救ってやったと思ってんだああ!!
 それなのに、なんでディスられなきゃならねぇんだよぉおおお!!」

おっほん、えーっと・・・
まだまだ物語の一話だと言うのに
早速のキャラ崩壊という無様なお姿をお見せして本当に申し訳ありません・・・
ともかく、こうしてこの事件をきっかけに
金城 唯君のパンツ盗撮事件はなくなり、女子生徒たちのパンツは
守られることになったのでした・・・

ただ一つ今だに理解出来ないことがあります・・・
それは

金城君が何故 

私のパンツを盗撮しなかったかということです・・・




金城唯
「・・・あ、一つ言い忘れてた
 僕個人としてはケーキの苺は最後までとっておく主義なんだ」

一話、終わり




       

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