Neetel Inside 文芸新都
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私も「普通」ならそうだと思いましたが、彼女との会話はさほど苦労をしませんでした。
おそらく、彼女がかなり私に気を使って話題を振り続けてくれたからです。
あとは、お互いにブルーハーツという古いロックバンドが好きでその曲の話を良くしていました。

何処までここで吐き出せば良いのか分かりません。
もし、私の感情が収まったら止めればいいのでしょうか?
それとも区切りのよいところまで話すべきでしょうか?
今日の秘密は、彼女は高校に入りいじめられ始めたのです。
これは秘密かわかりませんが、世間一般的にいじめとは秘密裏に行われるものなのだと実感しました。

理由は、今でも分かりません。
彼女は周りに比べて、明るくそしてはっきり物事を言うタイプだからだとか。
彼女がいじめられそうになった友人の身代わりになったからだとか。
彼女がたまたま丁度よかっただとか。

彼女なりの考察を述べてくれましたが、私にはふに落ちませんでした。
なんでも、クラスというか学校のリーダー的女の子に目をつけられてしまったようです。

私が初めてそれを知ったのは、雨の日でした。
彼女から突然電話がかかってきたのです。

「あの・・・こんにちは♪」
「ああ、どうしたの?」

「はい!・・・・・申し訳ないのですが」
彼女は一旦間をおく、そして
「お金を貸してもらえないですか?」


私はかなり驚いた。彼女からこのような申し出が来るとは思っていなかったからです。
それまでは、彼女は例えどこかで私とお茶(私があえてこういうのは、本当に紅茶しか彼女が飲まなかったからだ)を飲んでも、自分の分は自分で払う事を主張していたからです。
何度かやりこめて、私が先に払ったりすると、
「あなたも、お金がないんですから、、、」
となんとも大人な悔しい返答が返ってくるのです。
それほど、自分の行動への責任というのでしょうか、私への戒めなのでしょうか。
とにかく、彼女らしからぬ言葉でした。
いや、「貸してもらえないですか?」は彼女らしいとは思ったのですが。

私はその日は仕事があったので、いつもの待ち合わせ場所で待ってるように指定すると
「できるだけ、早く来てくれると嬉しいです♪」
と、いつもの口調、いやなんだか震えた声で電話を終えました。

私達がいつも待ち合わせに使っていたのは、駅前にある小さな公園でした。
そこのベンチでいつも彼女は、待ち合わせよりも早くに待っていましたが、その時は、、、、、いませんでした。
私は到着したことをメールで彼女に伝えました。

すると、公園のトイレから彼女は出てきました。
雨にもかかわらず、傘も雨具を持たず、鞄も持たない彼女が出てきました。
彼女のスカートはなぜか切れ目が入っていて、彼女はそれを抑えながら出てきました。

「・・・こんばん「ど、どうしたの?」
「えーと、、、、転びました♪」

彼女はいつもの無邪気な笑顔で、返答しました。
「転んで、川に鞄と傘を落として、家に帰れなくなりました♪」
「・・・そのスカートは?」
「え!えーっと、、、」

「誰かにされたの?」
「え、、、」

「もしかしていじ「とにかく、もう帰らなきゃお父さんが心配します!」
「電車賃を500円貸してもらえないですか?ここまで歩いてくたくたなのです。」

彼女の高校から公園までは、2駅以上あったのです。家は当時知りませんでしたが、今考えると歩いて帰れる距離ではありません。
時間は7時を回ろうとしていました。

「くしゃん!」
「そんな格好じゃ、風邪引くよ?」
「いいんです!子供は風邪の子です!」
「字が違うよ、、、。」
「いいです!500円貸してくれるんですか?だめなら歩いて帰ります!!」
「・・・もう一回トイレに戻ってちょっと待ってて」
「え?」
「お金が足りないんだ、仕事から直接来たからね。」
「はぁ、、、わかりました。」

もちろん、足りないということはなかったです。彼女はこうでも言わないと引き下がらないと思ったからです。
私は急いで駅前の百貨店に入り、ジャージと傘を買い公園に戻りました。

「・・・え?」
「とりあえず、これ着て帰りなよ。風邪引くよ。」
「・・・ありがとうございます。でも、、、」
「いいよ。また返してくれれば。」
「はい!あの、、、、」
「なに?」
「できれば、下着も、、、」

私はその時は、「ああ雨に濡れて気持ち悪いのか」とおもったのですが、あとあと聞くと彼女は下着も無理やり奪われて逃げてきたようです。
しかし、私は女性用下着など選び方が分からなかったので、彼女にお金を渡してそのおつりで帰るようにいいました。

「本当に、、、ありがとうございます!」
「はいはい、返してくれれば関係ないよ。」
「・・・そうですね、では、また今度!」
「・・・ちょっと」
「・・・はい?」
「今度ちゃんと話してね。」
「・・・転びました。」

彼女は走っていなくなりました。

途中ですがそろそろ5時ですね、サイトが閉まる前に投降しようとおもいます。
続きはまた次回ということで。

おやすみなさい。

コメント(1)
貴方はずっとここで敬語だけど、彼女に対しては敬語じゃなかったの?
ブルーハーツ好きとは、渋い子だね。


       

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Neetsha