Neetel Inside ニートノベル
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『遊戯王M 第二話』

 やあ! 俺は図画 遊鎧! デュエル大好きな二十八歳だ!
 今、バトルタウンっていう大会に参加してる。
 さっきばあちゃんのデュエリストに勝って、アンティカードを一枚手に入れたところだ。
 それから次の対戦相手を探して、平日の昼間から町を徘徊してるんだが……。
「お、デュエリストセンサーが反応してる」
 辺りを見回すと……。
「げ……」
 そこには、どう見ても通学途中の、独特な形の赤い鞄を背負った子供の姿しかない。
 いくらなんでも、これはスルーしたほうが安全そうだ。デュエリスト相手に背中は向けない主義だけど、通報されちゃデュエルどころじゃないからな!
 俺が逃げ出そうとすると……。
「そこのキモいの、あんたデュエリストでしょ?」
 うわっ、マジかよ。逆声かけ事例じゃんか!
 誤魔化そうにも、俺の腕にはバッチリデュエルディスクが装着されてる。
 俺が走って逃げようとすると、ARシステムが作動した。
 しまった、センサーをオンにした状態で相手もセンサーをオンにすると、デュエルに合意したとみなされちまうんだった……。
 俺は仕方なく振り向いた。くそう、こうなったら、堂々と「俺はただデュエルをしてるだけです。何も悪いことはしてません!」って雰囲気を作った方がいいな。
「「デュエル!」」

遊鎧 LP:4000 少女 LP:4000

「あたしの先攻、ドロー! あたしは永続魔法『監視する地域』を発動。そして『幼精(アリスフェアリー)ツンデロリ』を召喚! ターンエンド」

『幼精ツンデロリ』☆1 ATK:0/DEF:2000

(レベル1のモンスター……だからって舐めてかかっていい環境じゃないぜ。おそらく、何らかのコンボがあるはず……)
「俺のターン! ドロー! 俺は『ロスト・ジョブ・ガーディアン』を召喚!」

『ロスト・ジョブ・ガーディアン』☆4 ATK:1900/DEF:0

「『ロスト・ジョブ・ガーディアン』の効果を発動! このカードは墓地にカードがない場合、攻撃力が1000ポイントアップする!」

『ロスト・ジョブ・ガーディアン』ATK:1900→2900

(どう見ても守備専門のモンスターを攻撃表示で通常召喚……何かあるに決まってるが、仮にここで返り討ちにされてもそれほど痛くはないぜ……)
「バトルフェイズ! 『ロスト・ジョブ・ガーディアン』で攻撃!」
「永続魔法『監視する地域』の効果! このカードがある限り、レベル2以下のモンスターを攻撃する事はできない。けっ、雑魚め」
「永続魔法の効果くらい教えてくれっての! 俺はカードを2枚セットして、ターンエンド!」

「あたしのターン……いちいちドローとか叫ぶの、ウザいんだけど。『幼精ツンデロリ』を守備表示に。更に『幼精クーデロリ』を召喚!」

『幼精クーデロリ』☆1 ATK:200/DEF:500

「そして永続魔法『禁断の聖域』を発動! 自分の場のレベル2以下のモンスターの数が相手の場のモンスターより多い場合、自分のモンスターは破壊されない」
「ロックデッキか!」
「うっせーな、カードを1枚セットしてあんたのターンだ」

「俺のターン、ドロー!」
(相手のロックを突破できるカードがまだ来ない……。悔しいが、守りに徹するか……)
「俺はモンスターをセット! ターンエンド!」

「あたしのターン。『幼精ヤンデロリ』を召喚」

『幼精ヤンデロリ』☆1 ATK:2000/DEF:0

「罠カード発動! 『通報される不審者』! 相手フィールド上にセットされたモンスターを破壊して、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」
「くそっ、俺の『岩石のように自室に鎮座するニート』が……!」

『岩石のように自室に鎮座するニート』☆3 ATK:1300/DEF:2000

「だぁぁぁあああ!」

遊鎧 LP:4000→2700

「『幼精ツンデロリ』を攻撃表示に。バトルフェイズ。『幼精ヤンデロリ』の効果を発動。このカードの攻撃力を倍にする。その代わりエンドフェイズ時にこのカードは破壊される。バトル、『ロスト』ナントカに攻撃!」
「しまった! 墓地に『岩石のニート』がいるから、攻撃力が上がらねぇ!」

『ロスト・ジョブ・ガーディアン』ATK:1900 VS 『幼精ヤンデロリ』ATK:4000

「痛ってぇっ!」

遊鎧 LP:2700→600

「更にバトルフェイズ。『幼精ツンデロリ』の効果を発動。このカードの攻撃力と守備力を入れ替える。エンドフェイズ時に……察しなさい。ダイレクトアタック!」
「させるか! 手札から『帰郷するニート』をの効果発動! このカードを相手フィールド上に特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる!」

『帰郷するニート』☆1 ATK:1800/DEF:1800

「あたしの場にキモいモンスターを……!」
「さぁ、ターンエンドか? おまえのモンスターは……あぁ!? まさか、『禁断の聖域』で自壊効果を無効化する気か!?」
「バーカ、『禁断の聖域』は相手フィールド上にモンスターがいない場合は発動しないんだよ! キモいけど、この際だわ。メインフェイズ2、4体のレベル1モンスターでオーバーレイ」
「エクシーズ召喚!」
「『MNo.5 幼聖竜エンジェル』をエクシーズ召喚」

『MNo.5 幼聖竜エンジェル』★1 ATK:0/DEF:4000

「強そうなMNo.だけど、俺は負けないぜ! 罠発動『嫉妬の暴走召喚』! 相手が融合・儀式・シンクロ・エクシーズ召喚に成功した時、その召喚のために使用したモンスターの数だけデッキから攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚する! 俺はこの4体のモンスターを特殊召喚!」

『ムショクリッター』☆3 ATK:1000/DEF:600
『ムショクリボー』☆1 ATK:300/DEF:200
『ニート・エルフ』☆4 ATK:800/DEF:2000
『ニート・シールド・ガードナー』☆4 ATK:100/DEF:2600

「小賢しい……返しのターンでぶっ潰してやるけど」

「俺のターン、ドロー! 俺は永続魔法『緊急避難@自室』を発動! 1ターンに1度、場のモンスターを2体まで手札に戻すことができる! 『ムショクリボー』を手札に。そして『ハタラカナイト』を召喚!」

『ハタラカナイト』☆2 ATK:300/DEF:700

「更に手札から速攻魔法『アドバンス・シンクロ』を発動! 場のモンスターをリリースし、そのレベルの合計と同じレベルを持つ通常モンスターをデッキから特殊召喚する! 『ニート・エルフ』と『ハタラカナイト』をリリースして、『デーモンのニート』を特殊召喚!」

『デーモンのニート』☆6 ATK:2500/DEF:1200

「まだだ! 『アドバンス・シンクロ』は場にモンスターがある限り、何度でも特殊召喚できる! 俺は『ムショクリッター』と『ニート・シールド・ガードナー』をリリース。『暗黒騎士ニート』を特殊召喚!」

『暗黒騎士ニート』☆7 ATK:2300/DEF:2100

「……って、バニラモンスターじゃない。だっさ、古っる! そんなの環境じゃないわ」
「うっせぇー! バトルフェイズ。『暗黒騎士ニート』で攻撃!」
「『MNo.5 幼聖竜エンジェル』の効果発動! エクシーズ素材を任意の数だけ取り除き、取り除いた数×1000ポイント攻撃力をアップする! 取り除く数は4つ!」

『MNo.5 幼聖竜エンジェル』ATK:0→4000

「環境じゃねぇのはそっちだ! 速攻魔法『ロスト・ジェネレーション』! このターン、全てのモンスターの効果を無効化する! そして元々効果モンスターでないモンスターは罠カードの効果を受けない!」
「っ……!」

『暗黒騎士ニート』ATK:2300 VS 『MNo.5 幼聖竜エンジェル』ATK:0

「きゃあ!」

少女 LP:4000→1700

「更に『デーモンのニート』でダイレクトアタック!」

少女 LP:1700→0

「きゃぁぁぁぁあああ!!!」

「よっしゃあ! 確かにこれから成長する奴には、可能性が秘められてる。けどな……守ってくれる人も、失うものも何もない、そんな状況から立ち上がった奴の方がもっと強いんだ!」

遊鎧 『MNo.5 幼聖竜エンジェル』 ゲット!

第二話・完








       

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