Neetel Inside ニートノベル
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『遊戯王M 第三話』

 やあ! 俺は図画 遊鎧。無職という名のデュエリストだ!
 バトルタウンの大会に参加して、順調にアンティカードを手に入れてる。
 次の決闘相手を探してセンサーをオンにして歩いていると……。
「お、反応あり、か」
 辺りを見回すと……。一応、人はいた。ただ、その格好。
 全身タイツだ。その上に、無理やりプレートで武装強化したような、巨大同人誌即売会にたまーにいる残念なコスプレみたいな感じだ。
 俺が慌ててセンサーをオフにしようとしたが、遅かった。
「そこのオマエ……デュエリストだな? オレとデュエルしてくれよォ……! オレに生きてる実感をくれ! オレを満足させてくれ!」
 うわ、こいついろんな意味で危ねぇぞ! けれど、既にARシステムは作動しちまってる。
「しょうがねぇな……」
「「デュエル!」」

遊鎧 LP:4000 忍者 LP:4000

「オレの先攻ォ! オレはフィールド魔法『地雷原の死闘』を発動! このカードが存在する限り、お互いのカードはカードの効果では破壊されず、戦闘によるダメージは2倍になる! 更にお互いのプレイヤーは毎ターンの自分のエンドフェイズに自分の手札を全て捨てる! さぁ、オレと極限の死闘を楽しもうぜぇ……! オレは『煉獄忍者クナイ』を召喚!」

『煉獄忍者クナイ』☆4 ATK:1600/DEF:1200

「そして手札の『煉獄忍者クサリガマ』の効果を発動! 手札の罠カードを墓地に送り、このモンスターを特殊召喚する!」

『煉獄忍者クサリガマ』☆3 ATK:1400/DEF:800

「自分の場に『煉獄忍者』が2体以上存在するので、手札から『煉獄忍者マキビシ』を特殊召喚!」

『煉獄忍者マキビシ』☆4 ATK:1800/DEF:400

「エンドフェイズ、『地雷原の死闘』の効果で手札から墓地に捨てる『煉獄忍者センリン』の効果ァ! 墓地に捨てられた場合、このカードは特殊召喚できる!」

『煉獄忍者センリン』☆3 ATK:0/DEF:2000

「い、1ターンで4体のモンスターを展開だと……!? ガチじゃねぇか!」
「さぁ……この状況をどう覆す? オレを満足させてくれよぉ……! オレに生きてる実感をくれよォ……!」

「俺のターン! ドロー!」
(エンドフェイズに手札を全て捨てさせられる……なら、出し惜しみはなしだな……)
「魔法カード『次元転送』を発動! 手札のレベル2以下のモンスターを2体まで除外し、除外したモンスターと同じレベルのモンスターをデッキから効果を無効化して特殊召喚する! 俺は手札の『シューカツ・リベンジャー』と『ナイテイナイト』を除外し『シューカツ・ビートル』と『就職ブリザード』を特殊召喚!」

『シューカツ・ビートル』☆2 ATK:1200/DEF:0
『就職ブリザード』☆2 ATK:1300/DEF:0

「更に魔法カード発動『ネトゲ掛け持ち』! 手札を1枚捨て、このターン2度の通常召喚が可能になる! 俺は2体のモンスターをリリース、『ニート・オブ・ドラゴン』と『デーモンのニート』をアドバンス召喚!」

『ニート・オブ・ドラゴン』☆6 ATK:2000/DEF:1200
『デーモンのニート』☆6 ATK:2500/DEF:1200

(これなら勝てる……!)
「バトルフェイズ! 『ニート・オブ・ドラゴン』で『煉獄忍者クサリガマ』を攻撃!」

『ニート・オブ・ドラゴン』ATK:2000 VS 『煉獄忍者クサリガマ』ATK:1400

「てめーのフィールド魔法の効果で戦闘ダメージが2倍になるぜ!」
「くわっ! かかかかかかかぁーっ!」

忍者 LP:4000→2800

「更に『デーモンのニート』で『煉獄忍者クナイ』を攻撃!」

『デーモンのニート』ATK:2500 VS 『煉獄忍者クナイ』ATK:1600

「ぐげごががげご!」

忍者 LP:2800→1000

「どうした? もうやばいんじゃねーの?」
「ふへ、ふへはへほへははは!! 気持ちいいぜぇ! オレは今、サイコに生きてるって実感してる! 『煉獄忍者』の共通効果発動! 『煉獄忍者』と名のついたカードが手札が0枚の場合に戦闘で破壊された時、デッキから『強化装甲』と名のついた装備魔法カードを装備させ効果を無効化し墓地から特殊召喚できる!」
「な、何っ!?」
「オレは破壊された『煉獄忍者クサリガマ』と『煉獄忍者クナイ』に装備魔法『強化装甲ライデン』を装備させ、墓地から効果を無効化して特殊召喚! 『強化装甲ライデン』の効果。このカードが装備されているモンスターは自分の手札が0枚の場合、攻撃力は3000に、守備力は0になる!」

『煉獄忍者クサリガマ』ATK:3000/DEF:0
『煉獄忍者クナイ』ATK:3000/DEF:0

「チッ……『煉獄』って何か嫌な名前だと思ったら……『インフェルニティ』のギミックじゃねぇか! 俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!」

「オレのターン! カードを1枚セットし、手札を0にする。いくぜぇ! 『煉獄忍者クサリガマ』で『ニート・オブ・ドラゴン』を攻撃だぁ!」
「させねぇよ! 罠カード発動『許し乞い』! 相手の攻撃宣言を無効化し、相手はカードを1枚ドローする!」
「こけきくけこか!? 手札が増えちまったら『煉獄忍者』は攻撃力が0に……!」
「へっ! どうした?」
「ターンエンドだ、が、『地雷原の死闘』の効果で手札はまた0だァ!」

「俺のターン、ドロー!」
(しょっぱなからかっ飛ばしたせいで、俺も手札がねぇ……。だが、逆転のカードを引けたぜ……!)
「魔法カード発動『ハリケーン&リバース』! 相手フィールド上の魔法・罠カードを任意の枚数選択し、デッキに戻す! その後相手はデッキに戻した枚数だけ好きなカードを選択し、セットする! ただし、セットしたカードが罠または速攻魔法の場合はこのターン発動可能になるけどな。俺はあんたの『強化装甲』2枚とセットカード1枚、更に『地雷原の死闘』の4枚を選択する!」
「何っ……!? クソォォォオオオ! オレはデッキから4枚カードを選び、3枚を魔法・罠ゾーンにセット、1枚をフィールドカードゾーンにセット……」
「よし! バトルフェイズ、『ニート・オブ・ドラゴン』で『煉獄忍者クサリガマ』に攻撃だぜ!」
「罠カード発動『煉獄忍法・煙幕の術』! 手札が0枚の場合、自分フィールド上の『忍者』と名のついたモンスターを全て除外し、バトルフェイズを終了させる! 次のスタンバイフェイズ時に除外したモンスターを特殊召喚する代わりに、自分はバトルフェイズを行えない……」
「チッ! 『ハリケーン&リバース』でいいカードを引いてきたな! ターンエンド!」

「オレのターン。『煉獄忍法・煙幕の術』で除外されていた『忍者』を特殊召喚。まずセット状態だったフィールド魔法を発動『地雷原の死闘』! そして魔法カード発動『煉獄忍法・星変化の術』! 手札が0枚の場合、自分フィールド上の『忍者』と名のついたモンスターを1体選び、自分フィールド上の『忍者』と名のついたモンスターのレベルを選択したモンスターと同じにする! オレは『煉獄忍者クサリガマ』を選択し、4体の『忍者』のレベルを4に!」
「……!? 来るか、エクシーズ召喚!」
「4体のモンスターでオーバーレイ! エクシーズ召喚『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』!」

『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』★4 ATK:2000/DEF:1000

「『メタルギアドラゴン』は手札が0枚の場合、相手ターン攻撃力を2000ポイントアップする! そしてこのカードは手札が0枚の場合相手プレイヤーに直接攻撃することができる! 更にィ! このカードが直接攻撃に成功した時、エクシーズ素材を2つ取り除くことで2000ポイントのダメージを与える! よかったなァ……! 『煉獄忍法・煙幕の術』の効果でオレはこのターンバトルフェイズが行えねェ……。さァ! ラストターンだァ!」

「オレのターン! ドロー! ……へっ!」
(来たぜ……必殺逆転のカード……!)
「待たせたな! このターンでおまえを満足させてやるよ! 速攻魔法『親の雷-ハタラケ-』を発動! 自分フィールド上の『デーモン』と名のついたモンスターを選択して発動する! 選択したモンスターはこのターン攻撃力が500ポイントアップし、戦闘では破壊されない。更に選択したモンスターの攻撃で相手モンスターが破壊されなかった場合、攻撃力を300ポイントアップして相手モンスターが破壊されるまで攻撃することができる! そしてこのカードとの戦闘によって発生するダメージは効果ダメージとして扱い、カードが破壊される場合それは効果破壊として扱う!」
「いいい言ってる意味がわからねェよォ!」
「こうするんだよ! 『デーモンのニート』で『殲滅竜メタルギアドラゴン』に攻撃!」

『デーモンのニート』ATK:3000 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

遊鎧 LP:4000→3000

「くっ……! 『親の雷』の効果で戦闘ダメージは効果ダメージとして扱うから『地雷原の死闘』の効果は適用されないぜ! そして『メタルギアドラゴン』が破壊されなかったので、『デーモン』は攻撃力を300ポイントアップして再度攻撃するぜ!」

『デーモンのニート』ATK:3300 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

遊鎧 LP:3000→2300

「まだだっ!」

『デーモンのニート』ATK:3600 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

遊鎧 LP:2300→1900

『デーモンのニート』ATK:3900 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

遊鎧 LP:1900→1800

「よぉし……。これで『デーモン』の攻撃力が『メタルギアドラゴン』を上回ったぜ……!」
「だだだからどうなるってんだよォ!?」
「こうなるのさっ!」

『デーモンのニート』ATK:4200 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

「ごげげげげごごごご!?」

忍者 LP:1000→800

「だがこれで『メタルギアドラゴン』は破壊され……」
「忘れたのか? 『親の雷』の効果で『デーモン』の攻撃によるダメージは効果ダメージとして扱い、破壊は効果破壊として扱う! おまえの発動したフィールド魔法には何て書いてあったっけ!」
「『このカードが存在する限り、お互いのカードはカードの効果では破壊されず』……な、何ィッ!? つ、つまり……!」
「そうさ! 破壊されなかったので、『デーモン』は更に攻撃力を上げて攻撃を続行する!」

『デーモンのニート』ATK:4500 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

忍者 LP:800→300

「ま、まさかァァァッ!!!!」
「止めだ!」

『デーモンのニート』ATK:4800 VS 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』ATK:4000

忍者 LP:300→0

「ごげげげががげごごごぎご!!!! ごげっ……ま……満足したゼェェェェエエエエ!!!!」
「見たか! 追い詰められた状況で必ずしもフェアな勝負ができるとは限らないってことを覚えておきな!」

遊鎧 『MNo.23 殲滅竜メタルギアドラゴン』 ゲット!

第三話・完





       

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