Neetel Inside ニートノベル
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コメディ短編集
アホ妹短編集(ちょいエロ・尿)

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アホ妹短編集(月刊コミックニート連載)
gure先生へ捧ぐ

アホ妹のコメント欄に尿ってあったので俺も確かにアホ妹は尿だな。と思って書きました。
こんなもの捧げて御免なさい。

傾向:尿


 ――朝起きるとうちのアホ妹が「おにーちゃ~~~~ん!」とか言って抱きついて起こしてくる。
 そんなのは日常茶飯事だ。だけど今日は違った。

「う、ううん……あ?」
 勢いよく布団を剥がれると、少し上から見下すように妹と目が合う。
「おはよーっ!」
 相変わらずそこいらの適当なゴムで括った金髪のツインテールではしたない下着姿(しまぱん)だ。
「あのな、オマエももう年頃なんだから男の前に出る時はちゃんと服を着て」
「お兄ちゃんだから別にいーじゃん」
 そっぽを向いてぷくりと頬を膨らませる。
「よくないの。つーかどいて。上に乗られると動けないから」
 ベッドの上でマウントポジション。こうなると男女で体重差があっても結構力を出さないと上手く起き上がれない。妹にこなれた感じでうまく体を捌かれる。こいつどこでこんな技を……!
「うーん。完璧じゃないけど、まあいいか。それじゃいきまーす」
 妹は自らのパンツを後ろ手で器用にするすると素早く片膝の下まで降ろし、こちらの動きを制するようにもう片方の手を俺の顔のすぐ脇に置いた。
「動いちゃダメだよ。ふふーん……おし。おっとぱんつは脱がなきゃ」
 押さえつけられた体勢から覗く妹の肢体。
 緩い下着から覗く控えめで小ぶりな胸、その奥、逆光でほの暗く照らされた肌の先――今までうぶ毛の一つも生えたことがないんじゃないだろうかと思わされるぴっちりと閉じた陰唇――すじといった方が適切だろうか。
 嫌な予感しかしない。俺達は兄妹だ。妹がいくらアホだからって、血が繋がっていないわけじゃない。小さい頃から一緒だった。俺はいつの間にかカラカラになった喉から必死で声を絞り出そうとする。
「おい、俺、達は、兄妹なんだぞ……?」
 蛍光灯を影にした、屈託のない妹の笑み。
「え、知ってるよ?」
「じゃあ何、やってるんだお前」
 それには答えず、額の横でキラッ☆みたいなポーズを取って、
「朝の儀式です! いきます!」
 妹はきゅっと瞳を閉じて、
 え? 何をどう行くの?
 ぷるっと妹の躰が震えたその刹那。

 ぽた、ぽたぽたぽた、じょじょじょーーーーーーーーーーーーー!!

「なッ!! 液体が投下されているッッ!! あの『すじ』ってーのがヤバいッ! やつからから勢いよくッ! この俺のベッドの上でッッ! 洗ったばっかりのパジャマとシーツがみるみるうちに黄色く浸食されていくッッ! 一体この空間で何の攻撃を受けているッッッ!? ううっ、口では上手くあらわせねーこの感覚! 誰か説明しろぉおおおおおおおッッッ!?」
「お兄ちゃん大体自分で説明してるよ。はへ~~」
 恍惚とした表情で放尿を続ける妹。繰り返すようだがここは俺の自室で俺のベッドの上で、しかも『災難-サイナン-』――別に言い換える必要もないからそのまま言うが、尿が降りかかっているのは俺の身体である。

 俺のお腹の辺りに尿を直撃させてくる、じゃっぼじゃっぼと独特のリズムを刻む尿が跳ねて時折顔にかかる。極めて不快だ。
「くっ! 止めろ! そのファックな尿道括約筋を今すぐしまらせろッ!」
「出来の悪いで尿道括約筋ゴメンね」
 てへぺろっ☆
 
 あまりの出来事に開いた口が塞がらないとか言いたいところだが今回は口をあけると尿が口に入ってくるので鼻だけ両手で塞いで必死で口に入らないようにした。
「もごもご」
「何言ってるのか分からないよお兄ちゃん」
 結局尿が出切るまで止まらなかった。タップリ五〇〇ミリリットルくらい出たのではないだろうか? 
 こいつ夜水飲みすぎ。
「はあ、はあ、はあ……ふーぁぁあ」
 満足げに息をついている妹に声をかける。
「……あー、残尿感はあったか?」
 妹はにっこり笑って、
「ううん! ばっちり! チョーキモチイイ!」
 こっちは気持ち悪ぃよ。尿でビショビショになった服もシーツも風呂場で洗うしかないし。
 妹にゲンコツをくれようとしたが、尿で汚れているので躊躇って、結局止めた。

 どうしてこうなった?



 風呂場で必死でシーツとパジャマを洗って、洗濯機を回す。ごうんごうんと音を立てる洗濯機の音に目を覚ました母親には情けない場面を目撃されてしまった。
「あら、あら、あんなに……シーツを汚すほど……まあ、成長期だものね……」等と嫌な方の誤解をされてしまったようだ。
 その後風呂に入り何回か身体を洗って漸く尿の匂いも取れて頭を洗っていると、風呂場の曇ガラス越しに小さな影が見える。曇った声が響いてくる。
「あのね、お兄ちゃんはトイレなんだよ」

 ――間。

「は? 俺は今風呂場だよ」
 ガラス越しに聞き返す。
「そうじゃなくて、『今日はお兄ちゃんがトイレ』なんだよ」
「……は??」
 更に聞き返す。意味が分からない。
「だからあ、カードゲームで負けたら今日一日何でも好きな事聞くって言ってたじゃない」
 妹が不機嫌そうな声を上げる。地団駄を踏む音もする。
 ――あ、そうだ。カードゲームで、俺は妹に負けた。それでそういう約束をしたんだっけ。
「ってアホか! そんな事が通るかッッ! 反則ッ! 反則ッ……!」
 瞬間、空気が少し冷えた気がした。
「お兄ちゃん……お兄ちゃんは『ウソを吐く人だった』ってことなの……?」
 恐らく向こう側の妹は突き刺さるような鋭い眼光で、きっと俺の事を睨み付けているのだろう。
「そうじゃないよね? お兄ちゃんは、ウソを吐かない人だよね?」
 俺は思案した。妹は純情だ。大人の都合って奴で、下らない事で傷つけて良いのか?

 ――ああ、確かに妹はアホだよ。
 ――こんな事するって考えなかったくれーアホだけどよ。
 ――正直アタマおかしいけど。……っていうかやっぱおかしいよな?

「いややっぱおかしくないか?」
「おかしくないよ!」
「いや……」
「おかしくないよ!」
 話も進まなそうだしな。だから俺は言ってやったんだ。
「……嘘じゃねえよ。男が一度言ったことだ、取り消すのはおかしいだろ。今日一日俺はオマエの便器だ!」
「やったーーーーーーーーーーー!! じゃあ早速! さっき沢山水飲んできた!」

 そのままぽぽぽぽーんと服を脱ぎ捨てて生まれたままの肢体で風呂場に勢いよく入ってきた。
 うん、コイツアホだわ。乳首くらい隠せ。
 男を見せた事を一瞬で後悔した。
「……んんッ」
 妹が姿勢を傾かせて下腹部に力を込める。
 そして俺は頭からじょろじょろと尿をかけられるのだった。
「ふぁぁああああああああ。気持ちいい、気持ちいいよお……」
「おい。頭に当たってないぞ。肩に当たってる」
 尿は射線を外し少し斜め方向にほとばしっている。
「あ、ごめんね。えへへ」
 自分でぷにぷにとしたすじのあたりをいじって方向を微調整した。器用だなコイツ。
「妹よ……あまり調子に乗るんじゃあないぞ」
「調子に乗ってないよ。いつも通りだよ」
 屈託なく笑って小首をかしげる。
「これがいつも通りってキ〇ガイすぎるじゃないですかあ。尿でシャンプー落とすとか常人の発想じゃないじゃないですかあ。あ、量足りない。もっと」
 頭をごしごしする。ちょっとキシキシ、微妙にヌルっとする。
「あは、はぁ、ごめんもう出ないよー……ふぅ」
「じゃあ普通のシャワーで落とすか……はッ今何を口走っていた俺!?」
 等と意味不明の時間を過ごした。



「緊急事態だ……」
 俺は頭を抱えていた。
 そう。この狂った日常も自宅でならよかったんだ。俺が被害――尿――を被るだけで済む。
 しかし今日は八月夏真っ盛りおまけについてない事に登校日。
 小学校からエスカレーター式に上がるこの阿保学園(あほがくえん)ではここで宿題の半分の提出をするため出席は避けられない……!

 俺は両手を組んで偉そうに仁王立ちになるが、これから先の暗雲立ちこめる状況を想像するだに恐ろしく、思わず膝が笑ってしまいそうになってしまった。
 玄関先でかがんで靴紐を結んでいる妹におそるおそる声をかける。
「あのさ……今日は休まないか? ほら、お前もあんまり調子よさそうじゃないじゃないし」
 肩から上をくるりと振り向かせて、にかっと笑い、
「大丈夫だよ! 水分も沢山摂ったしね! でもでもお兄ちゃんが私の心配してくれるのはポイント高いかも!」
 制服姿でくるりとその場で一回転する。ふわりと揚がるスカート。
「そ、そうじゃねえよ! ってか水分摂るんじゃねえよッ……あ、いや真夏日だから摂った方が良いのか……」
 そうだ……そうだよ自分の心配だよッ! 路上で尿をぶっかけられる可能性がある俺自身の心配だよッ!
 何で上機嫌になってんだよッ! 何でアホなんだよッ!
 こいつはどうしようもない。



 ――でまあ案外予想に反して、昼休みまで何もなかった。俺はほっとして購買で買ったパンをジュースで流し込んでいた。が、それを咎めるように教室の引き戸が勢いよく開いた。
「アホ妹のお兄さんッ!」
「なんだ委員長ッ! っていうか名字で呼んでくださいよ~」
 デコが煌めく委員長は眼鏡を片手でくいとあげて、
「いや、あなただって委員長呼ばわりじゃないですか」
 言い返される。本編の俺ですら名前がないのにモブに名前があるわけないだろうがッ。という怒りを飲み込みつつ、
「妹がどうした」
「彼女の教室で大変なんです」
「それは分かってる。状況は」
「N・Y・Oです」
「略すな。分からんぞ」
「にょ、尿です……トイレに行きたくないそうで……」
 委員長は俯いた。頬が染まっている。
「略してなかったんだな……」
 俺は現場の教室に急行した。



 教室から妹の肩を支え合って今にも女子トイレの方へ入り込もうとする二人の女子に声をかける。
「待てッッ! トイレはそっちじゃない! ここだ!」
 自分を親指でぐっと指差す。振り向いた二人の女子の白い目ったらない。
「待て! 何で頭がおかしい人を見た目つきなんだ!? 委員長、お前もかッ!? 違うんだ、妹のトイレは今日は俺なんだよ! 俺がトイレなんだよッッ!」

 ――妹に突進する。妹を取り戻して、こんなおかしい日常は終わりにする。
 ――傍から見たらどんな光景に見えただろうか。
 ――どんなにバカらしくても。頭がおかしく見えても。

 これが俺の生き様なんだ……!!!

「110番お願いします。ええ、兄が妹を捕まえて暴行を」
「すいませんでした委員長違いますこれには事情がありまして、ほら、アホ妹説明してくれお願いします」
「お兄ちゃんが、トイレなんですぅー」
 
 何とか事なきを得た。



 女子トイレ。何とか説明をした俺とアホ妹は女子トイレの個室に二人きりだった。ぐったりした妹を洋式便座に座らせる。俺は正面にどかっと座り妹の縞パンをジッと見つめる。――少し濡れている。あと少しの衝撃で即座に決壊していたかもしれない。危なかった。
「お兄ちゃんが、迷惑しちゃまずいかなって、社会的に死んだらまずいかなって……だから登校してからずっと我慢してた……」
 俺は鼻を啜りながら「バカ、もう社会的にはほとんど死んでるよ」と返す。
 どこか一つのボタンの掛け違いだった、と思う。或いは尿のかけ違いだったかもしれない。
 でも、もうそんな事を考えていても仕方がないんだ。俺は妹の尿を処理しなきゃならない。

 ――もっとも良い形で。

「パンツ……」
「う、うん。下ろして」
 スカートの奥の腰に両手をやり縞パンをするすると脱がす。
「す、好きなだけ出して良いぞ」
 自分の方もYシャツとスラックスと靴下を脱いでパンツ一丁になる。妹はそれを見て、
「お、お兄ちゃん」
「ここなら水道も排水口もある。俺は正直……結構辛いが身体で受け止めてやる。後でここで身体洗えるしな……」
 どんと胸を叩く。
「いや、やだ……」
 妹は辛そうに上気した身体をくねらせる。
「ど、どうした……」
 俯き泣きそうな顔で、
「我慢しすぎて、逆に出なくなっちゃった……どうしよう……」
「そ、それなら家まで我慢出来るか」
 妹は少し顔をあげて、
「無理だよ……そうだ、トイレが頑張ってくれれば出るかも」
 ――頑張るトイレって何だ? あるのそんなん。
「ほら、うぉっしゅれっととかあるじゃない……」
 ……妹は自らの股間を見つめる兄を見て、どのように思っているのだろうか。
 我慢しすぎのためか瞳は必死で訴えてくるが、どこか誘うような感じもする。
 罠か?
 しかしもじもじさせている股の動きはとても演技には見えなかったので、
「じゃ、じゃあウォッシュレット的行為をだな……」
 な、何どうすれば良いの?
「お、俺の尿を妹のすじに当てれば良いって事か」
「何それ汚い。舌で舐める展開でしょ……常識的に考えて」
 取りつく島もなかった。

 すじを優しくひらくと小さなピンク色の陰唇がハッキリと見える。
 肩で息をするアホ妹の、じっとりと汗ばんだ肌が水の玉を作り、ぬっとりとした
 奥はまるで湯気が出ているように見える。
「あ、あんまり開かないで……」
 身体をよじって逃げようとする妹をグッと捕まえる。
「俺ウォッシュレットだからあんまり難しい事分かんないんだゴメンナ。舌が別のところにいっちゃうぞー」
 俺も適当にすることにした。太ももの付け根を舐めてから、少しずつ近づけるように円軌道を描いて妹のすじの表面をなぞるようにする。
「あ、あ、あ……ッ!」
 嬌声ともつかぬ声を上げる妹。
 すじの奥から透明で少しだけ粘度のある液体がつつと指に伝わってくる。
 妹が紅潮した顔で微笑んでいる。――苦しそうな顔、隠しているのバレバレなんだよ。
「お兄ちゃん……あ、ちょっと出てきそう……そのまま……続けて……」
「あ、ああ……」
「あのね、お兄ちゃんの、小指なら、少し入るよ? 試したし」
 聞かなかったことにした。
「小指を入れてみるぞ……」
 壊れ物を触るかのように、つぷり。と柔肉がはじき返してきそうな弾力を受ける。
 それをそのまま第一関節くらいまで押し込んでから、引く。ゆっくりとした抽送を続けた。
「あ、はひ、お兄ちゃん、気持ちいい……気持ち、いい、ああッ!」
 突然顔をがっと掴まれて秘所に押し付けられる。
「んぶッ!」
「出る! ……お、お兄ちゃん、全部飲んで!!」
「ちょぼぼおおぽ」

 アホ妹の尿が口いっぱいに広がって、それでも止まらず嚥下する。
 ごく、ごく、ごく……
 アホっぽい味だ。
 飲んだら頭が悪くなりそう。
 ――でもなんか、ちょっと癖になりそうな味だな。

「はあ、はあ、はあ――」
 妹は息を荒げている。
「私は気持ちよかったし、お兄ちゃんはミックスジュースでおいしかったし! 最高だね!」

 俺は妹を叩いた。

「あいたー!」



 ――後日。俺と妹は自宅でカードゲームをしていた。
「わー、お兄ちゃんのカードはースペードの7!」
「違う。俺の勝ちだな」
「むう……負けました」
「そうだな? 『明日一日何でも好きな事聞く』ってのでどうだ?」
 俺はにやりと笑う。そろそろ社会の厳しさって奴を教えてやりますか。
「うん、分かったー」
 アホ妹は屈託なくにっこり微笑んだ。気のせいか、上目づかいでちらちらとこちらを見ているような気もする。

 ――もしかすると、俺は騙し合いは得意じゃないのかもしれない。

(終)




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき

ここまで読んでくれてありがとう!
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きっと新しい何かが得られるはずだぜ(キリ

       

表紙

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