Neetel Inside 文芸新都
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仮面ライター ヴィッパー
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~秋葉原センタービル前~

「今日、本当に届くんだな。」

  「あぁ、優秀な男だ。必ず君の元へ届けてくれるだろう。」

「そうか。それを聞いて安心した。」
 
  「、、、わかっているのだな?お前が持ってる情報は、全て
   我々に提供してもらうぞ。」

「分かっている。隠すほどのものじゃない。」

  「しかし、どんな場所、どんな時代、どんな環境においても
   イレギュラーというのは必ず発生するのだな。」

「ふっ…。悪あがきの成果さ。以外に神様ってのは悪あがきをするものが好きらしい。
 そして、それは同時に悪魔もな。。。」
  
  「さぞかし、そちらの生活はスリリングなものだろう。」

「あぁ…地獄だ。なにより、最近、俺が生き延びるのも危うい。
 ウィルスは…進化している。」

  「そのための、我々の研究の成果だ。存分に使ってくれたまえ。
   利害の一致。君の情報提供、そしてサンプルがなければ開発はできなかったろう。
   一応、礼を言わせて貰う。」

「礼…ねぇ。そんなことより、この地獄からだしてほしいね。。。
 !!…すまない。回線を切る。ヤツらがきた。」

  「まだ、君だけの力で事たりるのかね?」

「ギリギリだがな。おしゃべりはここまでだ。」

  「健闘を祈る」

プッ・・・・

「まったく…チッ!本当に地獄だな。まったく!」



20XX年!
人類に未知の恐怖が訪れた。


感染すると、理性を失い、DNAまで侵食し、

超人的な体へと強制的に変化させられるウィルス。通称「ヴィルス」

その「ヴィルス」が秋葉原に蔓延したのだ!

「ヴィルス」によって変化されてしまった秋葉原の人々は、

モンスター化し、人間を襲い始めた。

以降、政府はこのモンスターを「ヴィップ」と名称。

政府は即座に自衛隊の投入。ウィルスの検査、撲滅を図ったが、

秋葉原においての、ウィルスの蔓延の速度は速く、また、
効果的な薬剤も発見されずに時間と多くの人を犠牲にしてしまった。

自体を重く見た政府は、物理的な外壁で感染者、未感染者を問わず、

数千人の人間を残し、秋葉原を隔離。

打開するすべが無いまま、一年の年月が流れた…。

そして、現在…

この地獄のような土地へ一人の少女と、さえない自衛隊員が進入しようとしていた。


「お兄ちゃんが行方不明になって一年…。
  いえ、秋葉原へ隔離されて一年。」

('A`)「マミちゃん。。。本当にいいんだね?
    外壁の向こうへいったら、、、おそらく二度とでれないんだよ。。。
    僕は隊の任務とはいえ、一人で行くのは寂しいからいいんだけど。。。」

「かまわないわ!」

お兄ちゃんが一年前、秋葉原へセイ○ーの抱き枕を購入に向かって一年。。。

お兄ちゃんはセイ○ーの抱き枕をかかえて、帰ってくる事はなかった。

お兄ちゃんしか肉親がいない私は、この一年間、一人寂しく暮らしていた。

お国からは補助金だの、なんだの沢山もらったけど、

私はお兄ちゃんに帰ってきて欲しかった。

そんな時、お兄ちゃんの友達の自衛隊員ドクオさんが

泣きながら、家に来た。

なんでも、ある任務のために秋葉原へ向かう事になったのだ。

今、秋葉原へ向かわされるというのは”死ね”と同義語らしい。。。

しかし、これは私にとってチャンスだった。

ドクオさんは私の提案をすんなり受け入れてくれた。



('A`)「お疲れさまっす。ドクオです。特別任務の件です。」

秋葉原の外壁の入り口へきたようだ。
にしても、適当な言葉遣いだなぁ。ドクオさん。。。

「どうも!今回は、、、ドクオ隊員の勇気ある行動に感動いたしました!」

('A`)「そーいうのはいいから、早く通してくれ。もう、死にたい。」

「はっ!…しかし、その後ろの大きな荷物はなんでしょうか?」

('A`)「ダッチ。死ぬ前に一発いいだろ。」

「…悲観的にならないでください!大丈夫です。必ず、必ずワクチンが開発されます。
 それまで、、、どうか生き延びてください!」

('A`)「うるせ。」

そんなやりとりが外から聞こえる。。。ダッチってなんだろぅ。。。

ズゴゴゴーとおそらく扉が開く音が聞こえる。どうやら、中に入れたようだ。

('A`)「入れたぞ。ほら。」

「…以外に簡単に入れるものなんですね。。。」

('A`)「行きはよいよい。帰りは怖い。
    すんなり行くのは行きだけさ。さっきの奴も、あそこから動けない。
    ヴィルスは空気感染か何かも分かってないんだ。」

この人は、本当に諦めてしまっている。。。
正直、もっとしっかりして欲しい。こんなんでよく自衛隊なんかしてたものだ。
そして、さらりと怖い事を言う。。。

「私も…感染する可能性があるってこと?」

一応、確認のために聞いてみた。

('A`)「いったろ、二度と、でれないって。
    さぁ、じゃ、早速…。」

回答がテキトークだ。
そんな事より、ドクオさんはいきなり上着を脱ぎ始めた。

「な、なにしてるんですか!」

驚いた私は言う。こんな場所で、何をしているのだ。

('A`)「ここは今や無法地帯。。。何をしても、誰を殺し、犯しても、裁かれない。
    いいだろ。なぁ?いいだろ?どうせ死ぬんだしさぁ! なぁ!」

「えっ!や、やだ!やめてよ!」

強い力で押し倒される…

「や、やだよ!やめて!やめてよ!」

('A`)「うるさい!だまれ!」

だめだ…。弱そうに見えても自衛隊員。男性の力だ。。。

わ、私にはどうする事もできない。。。

背中に悪寒が走る。

だ、誰か。。。助けて。。。

そう、思っていた矢先に。

「そうだな。うるさいな。」

とっさに後ろの方から声が聞こえる。






('A`)「だれだ!」

「まったく。本当にコイツが優秀な男かよ。まったく…。
 …お前、何かわたされてこなかったか?」

ぼそり、ぼそり、と嘆きながら男は現れた。

まったく…を多用しすぎてるような。。。

秋葉原にいる生き残りなのだろうか?

ニュースでチラリと流れていたのを思い出した。


ヴィップが秋葉原で人を襲い始め、外壁によって隔離されても尚、

未感染者で生き延びてる人がいるらしい。

この男性もそうなのだろうか?

白衣の男性は…身長は180以上あるだろうか。
年齢は…20歳後半位。

医者か何かなのだろうか?

体つきは、正直ドクオさんよりたくましい。



('A`)「お、お前が…」

「そう、荷物の受取人。早速だけどさ、渡してほしんだけど。」

ドクオさんの任務である、”ある機械を、ある人物に届けて欲しい”

ドクオさんは難関な任務、と言っていたのに、こんなにあっけなく終わってしまうのだろうか。


('A`)「は、話がちがう!」

ドクオさんが叫んだ。どういうことなのだろうか。

私から離れて、その男性に近づく。

私は乱れた衣服を直しながら立ち上がる。

('A`)「この荷物の渡し主は、ヴィップにして、理性を失ってないもの!
    お前、どうみても普通の人間じゃないか! なにより、どうしてその情報を知っている!」

ど、どういうことなのだろうか?
ニュースで発表されている「ヴィルス」の感染者の情報は、

「ヴィルス」に感染したものは理性を失い、人を襲い、
なにより、姿かたちが「怪物」になってしまうという事だったのに…。

ヴィルスに感染して、理性を失わない…そんな人が…。

白衣の男性は困ったような顔をして頭をポリポリとかいている。

「うーん。事情を話すと長いからとりあえず荷物をわたしてh…」

ドォォオオオオン!

後ろから、大きな音が聞こえる。何かが崩れた音なのだろうか。

「チッ!もう見つかったか!」

そう叫んだ白衣の男の人の裏には…怪物がいた。

('A`)「ヴィ、、ヴィップ!」


「えっ。。。あ、あれが!」

ニュースで何度か写真を見た事がある。写真とは比較にならない迫力だ。

身長は2mを超えている。見るからに、強固そうな肉体。

もし、あの腕でラリアットを食らったら、、、首がなくなる…。

生物としての勘なのだろうか?瞬時にして、自分の首がなくなる映像が
頭によぎった…。

総評するとゴリラに近いが、ゴリラとはまったく別の生き物。

これが、ヴィップ…。

隣にいるドクオさんが叫んだ。

('A`)「も、もう終わりだ…。やつらには通常の重火器はきかない…。
    こ、殺される! チクショウ!お前がこなければ!
    女を知って死ぬ事ができたのに!」

…すごい最低な男だ。。。
私からすればヴィップもドクオも対して変わらない。。。
私の身を脅かすもの。。。

しかし、対比するように白衣の男は冷静だった。。。

「チッ!トラノキバの傷跡が修復してる…。
 再生を覚えたか…。討ち損じたのが仇になったな…。」

先ほどの、とぼけた感じから一変。
まるで…、そう、まるで野生の獣のような殺気みたいなのを感じる。。。


「おい!」

男は叫んだ。

「いいか、例の物を渡して、お前らはさっさとにげr…」

言い終わる前に、ヴィップがこちらへ襲ってきた。

あの、体格でなんていう速さなのだろう。


チッといいつつ、白衣の男はこう、つぶやいた。

「まったく!少しはまってろ!まったく!これだからヴィップは!」

ヴィップは白衣の男めがけて巨大な拳を振り上げた。

だめだ!白衣の人が…!!!

その時、また白衣の男性がつぶやいた。

「いくぜ。。。「…DA・OH…」」



白衣の男性のつぶやいた言葉は「だお」と聞こえたが、

私の頭の中では「変・身」ときこえた…。脳に直接、言葉が入ってきたような感覚。

そして、白衣の男性は…。トラのような「ヴィップ」になっていた。。。


「さぁ、いこうか!「ヴィップ」。さっきの続きだ!」

     

俺は…。

信じられない光景を見ていた。

ゴリラを模した怪物と、トラを模した怪物が戦っているのだ。

人智を超えた戦い…と言えるほどの物ではないが、

明らかにあの繰り出される”一撃”は人にとっては致命的な一撃だ。




あの日、上官から任務を渡された。

「この装置をあるヴィップに届けて欲しい。」

何をワケの変わらない事を。と思った。

当然だ。ヴィップとは理性を持たない怪物。

重火器の類は殆ど通用せず、ランチャーでも死に至らしめる事ができない。

まさに怪物。

しかし、上官から出た言葉は意外なものだった。

「どの世にも、イレギュラーというのは発生するのだよ。」

極秘扱いのそのイレギュラーとは、”ヴィップ”でありながら、”理性”を失ってないもの。

「そのヴィップ…いや、人扱いをしなければならないな。
 その者にこの装置を渡して欲しい。」

そこに渡されたのは、ある、”装置”


('A`)「こ、これは…」

「ヴィルス撲滅の最後の希望だ。」

……

正直、これの何処にヴィルスを撲滅する能力があるのだろうか。


そう、なんといっても、この装置、機械的ではあるが…まさに姿かたちは…







ドゴォォォン!

もはや、人と人の格闘では到底出せない音が鳴り響く。

両者は互角…。いや、性格にはトラのバケモノが押されていた。

ドクオと真実は眺めていた。

目が離せないでいた。

目が離せるわけがない。なにせ、向こうでの争いは自分らの生死をかけた

戦いに違いないからだ。

おそらく味方である、あのトラのヴィップがやられれば
その後にまってるのは、明らかに自分らの死であった。


「ぐほっっっ」

トラのヴィップは苦痛の声を上げる。

対して、ゴリラのヴィップはダメージを受けても、雄たけびしか上げない。

理性の有無が出ている。


「ウゴォォォオォ!」

ゴリラのヴィップが放った”一撃”がトラのヴィップに当たる。

真実の素人目からしても、今の一撃は、まずい一撃だ。

その証拠として、トラのヴィップが吹っ飛ぶ。

10メートルは悠に飛ばされている。

「あ…あぁ…」

真実は声を漏らす。。。あの、一撃でたっていられるのか、、、

しかし…

「ゲッッ!今のは…やばかった。。。しかし、、、チャンス到来だ。。。」

そんな事を言いつつ、トラのヴィップは立ち上がった。

「ウォォォォォォ!」

トラのヴィップは、その姿かたちどおり、虎のような雄叫びをあげた。

その瞬間、トラのヴィップのキバが伸びた。

トラのヴィップはそのキバをへし折り、構えた。

瞬時にして、それは武器なんだと真実は理解した。

「まったく…こいつでくたばってくれよ…まったく」

そういうと、牙を持った手を引き、”構え”を取る。。。

「トラノ…キバァアァ!」

一瞬にして10メートルを飛び越える。

コレは突きなのだ。牙を利用した。

虎のヴィップの殺気。気迫。

それらから予測される。その一撃は相手を死に至らしめるであろう一撃。

そう、トラの必殺技。



「グォォォォ!!」

ゴリラの怪物にその牙が突き刺さる!

10メートルを一瞬でつめる跳躍。

そして、牙はゴリラのヴィップを貫いている。


('A`)「や、やった…。」

ドクオが静かに勝利を確信した言葉を漏らしたとき…。。


ドコッ!

鈍い音と友にトラのヴィップがなだれ落ちる。

「ウグッ、、、ナ、ニ、、、」

確かにトラのヴィップの一撃は当たった。

なにより、あの一撃は致命傷になりえる威力を持っている。

それを喰らい、崩れ落ちることなく、立っているゴリラのヴィップ。

おそらく、放つ前の台詞からしてあのトラのヴィップの最強の一撃。

「ま、け、ちゃったの…。」


真実はその場で崩れ落ちる。。。

もはや、まっているのは自分らの”死”だからだ。

トラのヴィップは苦しがってるが、立ち上がれない。

非常にも、トラのヴィップに追い討ちをかける敵。

全力であろう、その蹴りはトラのヴィップをこちら側へ、蹴り飛ばした。

「きゃぁ!」

目の前に、瀕死の怪物が転がり込む。

「ウグッ…ツゥ…」

もはやうめき声しか聞こえてこない。


立ち上がらない事を確信したのか、ゴリラのヴィップも”構え”らしきものをとる。

('A`)「く、くちが開いた。。。や、ヤバイ!あいつは遠距離攻撃をもってる
    ヴぃっぷか!」

「え!」

('A`)「ヴィップの中には、炎や、電撃、レーザーのようなものを口から吐き、
    攻撃するものもいる。お、おそらく奴もそのタイプ。。。
    こちらを一斉に攻撃するきだ…」

「えっ。。。」

「ウグッ、発射まで…30秒弱だ…に、にげろ…」

トラのヴィップが喋る。

に、にげろったって、腰が抜けて動けないわよ。。。

と、声にならない声で真実が嘆く。

そんな時、ドクオはあるものの存在に気づく。

('A`)「あ、あれは、、、そうだ!おい!トラヤロウ!」

「ばか、か、、、早くいけ、、、。」

('A`)「この攻撃逃げたって後でヌッコロされるんだ!
    いいか、俺の推測がただしければ、、、」

ドクオがカバンのロックをはずす。

('A`)「0s7e2x1」

ドクオがあけたカバンの中から出てきたのは…、

やけに機械的なベルトだった。

ベルトにはワケの分からない物が色々付いている。

そしてベルトの裏側には注射針の様な物が見受けられる。

('A`)「我慢…しろよ!」

と、言った瞬間、ドクオはそのベルトをトラのヴィップにつける。

注射針がトラのヴィップに刺さる…。

('A`)「後は、お前の一声だ。いいか、この装置の起動コードは”ヘンシン”だ」

な、なんて趣味にはしった装置なのだろうか。

もはや、これはアレのようだ。バイクにのって、強力な肉体をもち、

怪物を颯爽と倒し、消えていく…。

あぁ、でも、それは正解でもある。なにせ、この状況はまさしくその一声をまっている。

「フッ…アイツラシイもの作りやがって…」

なんて事を言っている。

「グっぅ、いくか。。。肉体がこれ以上どう変化するかは、ぶっつけ本番だ…
 強化されるか…。またまた、違う生き物になるか…。」

そう、いいながらトラのヴィップは立ち上がる。

「グォォォオォォ!!」

ゴリラのヴィップが口から赤いものをふきだし始める。

「チッ 時間か…  いくぜ、、、まったく。神様たのむよ。まったく」

静かに言うと、立ち上がった瞬間にゴリラのヴィップが火球を吐く。

これでおわりなのね。と静かに真実は思う。

「へん…しん…」

トラのヴィップが静かに言った。

「音声認識…DNA変化…起動…外装甲殻化!」

機械的な音が聞こえた。

火球の進行が早すぎる。真実とドクオは目をつぶっていた。

明らかにまにあわない!

……

「あ、、、れ、、、?」

おそらく、火球が着弾したであろうタイミングになっても、熱さも何も感じない。

恐る恐る目を開けると、、、

炎に包まれたトラのヴィップの姿が。

「あ、あぁ、、」

身を呈して守ってくれたのだと真実は瞬時に理解した。

と、同時にトラのヴィップはコレで死んだのだと。

しかし、、、

ゆっくりと動く。。。トラの腕。。。

「おどろいたな。体力。ダメージまで回復している。」

声が聞こえた。

「しかし、、、コレは皮膚が甲殻化したのか。。。
 この感じは、、、鉄…チタン…いや。それ以上の物質なのか。。。」

炎が治まる。

出てきたのはトラのヴィップであったろう者。

その姿かたちはバケモノの時から体格を一回り小さくし、

まるで、鎧に体を包まれているみたい。

まるで、まるで…

('A`)「かめん…ライダー…」

ドクオさんが先につぶやく。

私も同じ事を思った。

「おい。他に機能の事はきいてないか?」

元、トラのヴィップが聞く。

('A`)「よ、横に付いてるアタッチメントがDNAを解析し、
    DNAにあった武器を生成してくれる…としか」

「なるほど…。ヴィルスの鋼鉄化に成功したのだな。
 了解した。と、なるとこの牙をアタッチメントに…」

ライダーがベルトの横から一つのアタッチメントをはずし、

ずっと握っていた牙をそのアタッチメントに近づける。

「DNA認識…終了」

機械の音が終わると、持っていたアタッチメントと、

キバが無くなり、、、代わりに一つのナイフのようなものが出来上がった。

「ツッ…なんか右足に違和感を…コイツを右足に付けろって事か。」

持っているナイフを右足につける…すんなりと、まるで磁石でくっついたかのように
引っ付く。

「さて、、、ラウンド2といこうか。」

ゴリラのヴィップは攻撃の反動で動けなかったのか、

沈黙していた。

が、ライダーが動きだした瞬間にピクリと最動した。

「いくぜ。ダリャァァァ!」

叫んだ徒と同時に、ライダーとヴィップの攻防が再開された。

ライダーは先ほどと違い、ヴィップを押している。

足につけた武器を有効活用した攻撃。

足技の乱舞。致命的な一打ではないが、連続して攻撃する事によって

確実に相手の体力を奪っていく。

強靭な肉体から放たれる右足のけりは、装着されたナイフによって、

打撃と斬撃をもった攻撃となっている。

('A`)「か、からだが一回り小さくなったが、パワーが更にあがっている。
    な、なにより、鋭く、俊敏な動きだ。」

ドクオの言うとおり、ライダーは先ほどまで吹っ飛ばされていたヴィップの拳の一撃を

右足のみで払う。

相手のパワーよりも勝っているのだ。

「はっはっ!」

攻撃をするライダーは余裕だ。

そして、何度目かの攻撃で、ゴリラのヴィップがよろめいた!

ライダーはそのチャンスを見逃さない

「コイツは…なるほど…ベルトから情報が流れ込んでくる。。。
 いくぜ。必殺技か。。。コードは。。ヤッパリそれか。」

無いやらつぶやいた後、一言。

「まったく、くたばれよ。まったく。
  
 …ライダー…キック」

そういった瞬間。

右足のナイフが光りだす。。。

ライダーは体をひねり、思い切り回転した。

回し蹴りだ。

その鋭い蹴りはゴリラを真っ二つにし、更に、止めといわんばかりに、

体をまたひねり、ゴリラの頭上に足を運んだかと思うと、一気に振り下ろす。

斬撃と、痛打を、回し蹴り、カカト落としで組み合わせたその技は


ライダーキック
”必殺”と呼ぶにふさわしい威力だ。



ただの、肉塊になったヴィップ。咆哮も、動く事もない。


('A`)「かった…」

「や、やった…。」

目の前にいるライダーが勝利したのだ。

「くぅぅぅ。危ないところだった。
 しかし、予想以上の”出来”だ。俺のヴィルスを増殖、改変する事によって、
 更に強力にするとは…。」

私は、呆然と眺めていた。

なんせ、知りたい事は沢山あった。トラのヴィップ。あのライダーベルト。

そして、今の秋葉原の現状、、、


ぼーとしてるんじゃなくて、まず、近くにある謎から解き明かさなくては。

「あ、あの…あなたは。。。」

そういえば、まだ名前を聞いていなかった。

あの白衣の人をなんと呼べばいいか。

「あなたの名前はなんていうんですか?」


すると、ライダーは振り向きざまに答えた。

「名乗って…なかったな。
 俺は、小金井。小金井 虎治(コガネイトラジ)そうだな。
 今、ヴィルスを撲滅させようとしている。。。医者さ。」


こうして、秋葉原の最初の謎は解けた。

残る謎はまだあるにしても、今はコレだけ解けたのでよしとしようじゃないか。

変身~外装甲殻化~END

       

表紙

アナアール タイシ 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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Neetsha