Neetel Inside 文芸新都
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昼下がりの空
〜プロローグ〜 青空

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 朝、ケータイのけたたましい電子音に快眠を妨害され布団から体を起こす。
この音はどうも好きになれない、なんかイライラするし。
なかなか開いてくれない目蓋を無理やりこじ開け、風呂場へと向かう。

寒ッ…!!

さすがに秋も深まり冬も近づいてきた11月、風呂場の窓が開いていたのもあったのか、
寒さが容赦なく体に襲いかかる。すかさずシャワーに手をかけお湯を出そうとする。
が、なかなかお湯は出てきてくれない。

寒い!寒い!!寒い!!!……

あと少しで体が悲をあげるすんでの所で暖かいお湯が顔を出した。
わざとなのかと思わせるようなタイミング。なるべく勘弁して欲しいね。
生死に関わる問題だからな、うん。
シャワーのお湯が次第に体中を暖めていく。適量のシャンプーを手に取って頭をわしゃわしゃやる。

朝シャンしてるとハゲるって本当だろうか?

ふとそんなことを思い出す。まぁ今の自分には関係ないけどね。もしハゲたらゴメンよ。
と未来の自分へ謝罪をしておく。なんてくだらないこと考えてる内にも、時間は刻一刻と過ぎていく。

少し急がなきゃかな?

すぐにシャンプーの泡を洗い流し、風呂場を出る。すると再び寒さが襲いかかってきた。
が、十分に寒がってる余裕もなさそうだ。バスタオルで体中を拭きいつもの服へと袖を通す。
あとは、髪を乾かし適当に身だしなみを整えるだけだ。朝食は……取ってる暇もなさそうだ。まぁいつものことだけど。

大抵の支度を終え外へ出る。少し肌寒いが丁度良い位だ。
さぁ今日も行きますか、と自分の中で出発の合図を出す。

馴れ親しんだ自転車に乗り、馴れ親しんだ道を行く。

坂を下ると、あたり一面畑の開けたお気に入りの道へ出る。

360°空を見渡せるお気に入りの道。

そして、今日の空は……透き通る様に青く、また、蒼かった。

空が澄んでると心も澄むようだ…なんて、歯が浮くようなセリフを頭に浮かべながら今日も自転車を漕いで行く。

       

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