11.玉砕

 数日後、俺は学校にいた。
 2階の窓を突き破り、交通事故にあい、銃で撃たれたにもかかわらず数日で退院許可が出たからだ。
 その回復力は医者に言わせて見れば人知を超えたものらしく、(俺が運ばれたのは大学病院だった)医者兼教授のおっさんが「君の体を研究させてくれ!」と言ったのだが、俺はきれいに断ったね。
 だって、その研究結果が「それはおそらく神様のおかげです」なんて冗談にもならないだろ?
 とにかくそれが今現在の俺の体の経過だ。で、今何をしているのかと言うと、学校の屋上で猫山さんと話をしている最中だったりするのだ。
「包帯だらけだにゃー。それにギブスまでつけて。ボロボロだにゃ」
「猫山さん。ネコが鍵って言いましたよね?」
「そうだにゃ。その意味、わかったかにゃ?」
「ちっともわかりませんよ」
「もう終わったから教えてやってもいいにゃ。ネコは丈夫にゃ。何をされても大抵の事では死なないにゃ。そしてネコの回復力はすごいにゃ。だから君の傷もすぐに治ったにゃ。すべてはネコの神様こと、私のおかげなのにゃ」
「嘘でしょそれ?」
「本当にゃ。でも、ネコ神様とはいえ無敵じゃないにゃ。まあ、怪我はするんだにゃ。けど舐めれば怪我は治るんだにゃ」
 ネコの神様の特徴。その回復力はともかく、事故に巻き込まれても傷を負うが致命傷には至らないと言う事か。
 それって、確率を操作するってことだよな? その事ができるイコール神様ってことなのか?
 ということは、カエルの神様は物事の先を読む、いわゆるサイコロの出目を読むことが出来るってことじゃないだろうか?
 もしかしたら、猫山さんはそれを知っているんじゃないか?
「事故に巻き込まれても傷は負うが死なない。それって、確率に関することですよね?」
「うーん。まあ、面白くない言い方をすればそうにゃ」
「確率を操作することができるイコール神なんですか?」
「ま、そう言われれば確かにそうかもしれないにゃ。でも、私はそういうのどうでもいいにゃ。神様は神様。人よりちょっと特別な事が出来る。しかし、数彦は頭が良いね! きちんと分析できるんだね! すごいにゃ!」
「いえいえ、そんなことないですよ。それでもう一つ聞きたいのですが、カエルは未来予知がその能力なんですか?」
「未来予知? うーん、違うにゃ。カエルは……。いいたくないにゃ。カエルは嫌いだにゃ」
「ってことは、俺の事も嫌いって事ですか?」
「そうにゃ!」
 こうして、俺は見事に振られたのでした。