第2跳 行ってきますの決心
「・・・クリボー」
その言葉は異常なまでに体中に響きわたった。
そこにはかつての姿はなかった、あのかわいらしいクリボーはどこへいったんだろうか・・・、まずはこのクリボーをどうしたらよいものか、その時震えた声で後方から
「にっ、兄さん、踏んで倒すんだよ」
その震えた声は確かに意思を持ったルイージの言葉だった。自分はその声に言葉をかえそうとはしなかった、1番の理由は昨夜まで同じ暮らしをしていた者を踏んで倒す事はどう考えてもできそうにない、ただピーチ姫を助け出すにはクリボーを倒すしかない、その時クリボーが自分に向かって、
「ダッ」
と、向かってきた、自分は動くに動けなくなった、なぜだろうあんなスピードでせまってきているのに・・・、
「ゴツンッ」
あそこまで悩んでいたのに・・・
自分の足にぶつかったクリボーを、見下ろすような体制で右足を腹の位置まであげていた、そのままゆっくりと落ちるようにクリボーの頭の上に自分の右足のカゲをつくった、クリボーは何が起こったのか分からない様子であった、そのポカーンとした顔にそのまま足をおろした。
「ポコッ」
自分はすでに迷ってはなかった、何をしたいわけじゃない、ピーチ姫を助けるために、大きなポールを横目に古い城にたどりついた、その時自分は後ろをふりむき、
「行ってきます。」
ガラにもなく大きな声をだした。ルイージに届いたかは分からない、でもきっと伝わっただろう。
決心がついた自分は2つ繋がった土管に入っていった。