第3跳 かめとくりの夜(前)
大きな緑の土管に勢いよく入っていった自分は、少し前に言った言葉が心の中で大きくこだましていた。
「行ってきます。」
いってらっしゃいと言ってくれる人がいる訳ではない、自分は今からその人を助け出しにいくのだから・・・。
周りを見る限りここは地下らしい、まぁ土管をくぐったら地下以外ないだろうな。
薄暗く視界が拒まれる
「今敵が襲ってきたらとうてい太刀打ちできないだ・・・」
ゴツンッッ!!
顔面に赤いカメの甲羅がぶつかった。あぁ、こうなる事は大体予想はついていた、せめてセリフぐらいは言わせてほしかったな・・・
目の前にはただ赤。
ぼくの顔から広がる甲羅の赤。
最後に思ったのは、一人のこったピーチ姫はどう
するのだろう、ということだった。
クリとカメの山の中でただ一人。
ぼくはピーチ姫が可哀想になった。
・・・・・・ビーチ・・・・・・。