「そろそろ挿れてもいい頃合いか?」
 グロウは指の腹でティティの割れ目をついと撫でる。
 「はふん」
 半ば無意識にその指にティティはしがみつく。
 「いい加減挿れないと、いろんな意味で死にそうです……挿れたら挿れたで死にそうですけど。んんっ」
 荒い息遣いをしながら、両手で保持した巨大な指を自らの陰裂に押し付ける。
 「挿れるのはこっちだろう」
 指を振りほどき、代わりにずいとペニスを突きつける。
 自分の腰周りと大差ないそれに慄き、ティティは半歩後ずさった。
 「な、慣らすくらいしましょうよぅ。初めてなんですよ私」
 「初めてだからだ」
 「わかりましたよもう……少しだけ待って下さい」
 身体を鷲掴みにされティティは観念したのか、片手でヴァギナを押し広げる。
 空いた手の指先で、ちゅぷり、と自分に這入る。
 中の蜜をすくい取り、入り口に絡ませて淡く光を反射させた。
 「ん……ふぅ。これ以上は緩くならないでしょ。ではグロウ様、妖精の小さな小さな肉穴、どうぞお楽しみ下さい」
 「ああ」
 とは言うが、性器同士を軽くくっつけたまま、グロウは動かない。ただティティの顔を、穴が空くほどに見続けた。
 「……何でガン見してるんですか?」
 「悪い、聞こえにくかったからもう一回言ってくれ」
 「嘘だーー! 絶対嘘だーーー!! 私を辱めて楽しみたいだけでしょ!!!」
 ジタバタと抵抗するも、グロウの手から逃げることは不可能だった。
 「そうだ。言え」
 「は、白状しやがりましたね!? 言えばいいんでしょ、言えば!! 妖精の小さな小さな肉穴、どうぞお楽しみ下さい!!」
 「別パターンで」
 「注文が多い!? ぐぬぬぬぬ……どうぞ私のキツキツロリまんこをグロウ様の極太おちんぽでほじほじしてガバガバにした後精液たくさん出して妊婦みたいにお腹パンパンにして下さいませ!!!」
 「わかった」
 ティティがヤケになって喚いたその瞬間を逃さず、グロウは一呼吸にティティの身体を刺し貫いた。
 小さい腹部が陰茎の形に膨張し、体積が倍ほどに変化する。
 「……! ひぎっ……あ、がっ……!!」
 あまりの痛さに気を失ったティティは、あまりの痛さで意識をすぐに取り戻した。
 グロウは思ったよりすんなり入った事に驚かされ、膣内の感触に再度驚愕する。
 きめ細かな柔毛……人間からすればブラシのように小さな無数の肉ヒダがペニスを洗うように歪動し。
 途中にあった子宮口はペニスに押されて奥底までと伸び、亀頭の先にキスをして、ちゅくちゅくと吸い付いてくる。
 ティティの意思とは関係なく、彼女の女は総出で男を歓迎していた。
 彼女の言葉通り、本当に根本まで挿れる事が出来た。半信半疑だったが、本当に妖精は人間とセックスが可能だったのだ。
 ……物理的には。
 「ぁ……っはっ…………」
 ティティは大粒の涙をぼろぼろと零して、激痛に耐えていた。
 もはや歯を食いしばる力もない。だらしなく口を半開きにしている。
 「ティティ、大丈夫か?」
 壊れてもやめないとは言ったが、流石に死んでしまったらセックスにはならない。死姦だ。
 いや、死姦もこのサイズならできるかどうかは謎。グロウは申し訳程度の声を掛けた。
 「っすごっ…………きもちっ……ぇす………っ!」
 やめろ、と言ってるようにはとても聞こえなかった。
 その証拠に、尚も涙を流し続けるティティの顔には笑みが浮かんでいた。
 「それは良かった」
 言質は取った。
 後は知らない。
 グロウは僅かに残っていたティティへの気遣いを捨てる。もはや彼女を道具として扱う事に躊躇はない。
 ティティを上質な肉穴として、ひたすらに肉槍で貫き続ける。
 手を動かすと同時に腰を打ち付け、勢い良く膣内を抉る。
 声にならない声を上げる、可憐な妖精。
 ペニスが彼女の中を往復するたびに、柔らかな腹が膨らんでは戻りを繰り返す。
 ティティの身体にとってそれは拷問にも等しい苦痛であった。
 そしてそれ以上に、彼女の脳は女の悦びを感じていた。
 愛する人から受ける苦痛は、彼女にとって最大の快楽。
 (し……死んじゃう、かも……)
 彼女が朦朧とした頭で懸念したそれは痛みによるショック死や肉体が耐えられずに起こる破裂死ではなく。
 あまりの気持ちよさに脳がついてこられなくなる、腹上死だった。
 彼女には死んではいけない理由があったが、今はそんな事頭から消え失せていた。
 ただ、この苦痛(かいかん)に身を任せていたい。
 それだけだった。

 そしてグロウは、生意気でやかましく、悪魔的で可憐な、愛らしい道具(オナホール)に。
 勢い良く、精液を吐き出した。

 
 「…………………はぁ、はぁ……ほ、本当に殺される所でした……」
 抜かずに四回。ティティはグロウの陰茎が硬さを失うまで、一時間近く犯された。
 途中で何回気を失ったのか覚えていないが、身体は快感を覚えていた。
 妊娠したかのように大きくなった腹には精液が溜まり、陰部からは未だそれが止めどなく溢れ続けている。
 垂れ流し状態のそれを片手で受ける。すぐに一杯分注がれたそれを口にやり、ぐびっと飲み込んだ。
 「はぁ……おいしい……」
 口いっぱいに広がる僅かな苦味と、生臭さ。ティティにとってそれはご馳走だった。
 更に飲もうとするティティの腹と背をグロウは片手ではさみ、、ゆっくりと絞りとる。
 「あああああああ……」
 脱力するような声と共に、下品な音を立ててティティが射精する。
 みるみるうちに腹は縮み、元のサイズへ逆戻りした。
 「なぁにするんですかー、もったいない」
 頬を膨らませる妖精に、少しだるそうに呟く。
 「飲みたきゃ直に飲ませてやる。それに、まだ終わってないぞ」
 「へー、まだやる気ですか。私だってまだまだいけますよ。身体は動きませんけど」
 グロウは備え付けの化粧台から、油を手に取る。
 そしてそれを自分の手に良く塗りこみ、まず自分の陰茎に丹念に塗りたくる。
 そしてその後、ティティの下半身をこね始めた。
 「うああー」
 抵抗する気も、する体力もないティティ。マッサージのようなソフトな性感に身を任せる。
 「油なんか塗ってどうするんですか? まさか食べちゃうとか? それはちょっぴりハードですねぇ」
 本気なのか冗談なのか、ティティが笑う。
 が。
 グロウの手の動き方を、ずっと味わっていると。
 そんなティティの笑顔は、みるみるうちに青ざめる。
 「……あの、まさかとは思いますが……」
 丁寧に丁寧に油を染み込ますその部位は、主に彼女の菊門付近だった。
 「……自分から誘っておいて色々口出しする事は悪いとは思っています。
 でもあえて言わせてもらいます。グロウ様、そこは違う穴です。
 そこは入れる穴ではなく出す穴です。お尻です。アナルです。菊門です。萎えるように言うと、うんこの穴です。
 全然萎えませんね。変態ですね。いや、私が言えた義理じゃありませんが。
 私も自分でちょっと将来に不安を覚えるほどのマゾですが、だからと言って何でもしていいわけじゃありません。
 いや、お尻に興味が無いって言ったら嘘になります。まあマゾですから。でも、流石にこのミクロサイズの妖精アナルに
 グロウ様の特大サイズおちんぽをいきなり挿入ってのはちょっとハードルが高すぎるとおもうんですよ。
 まず綿棒を使ってですね。麺棒じゃないですよ。死にますよ。優しくかき回して出し入れするじゃないですか。
 慣れたらお箸とか尖ってないペンとかでコーヒーミルクをかき混ぜるように丁寧に弄るじゃないですか。
 それでようやく指の出番です。おちんちんは後2.3段階は踏みたいですね。
 そっちの方が美味しくなりますよ絶対。とろとろにとろけた妖精のお尻を楽しみましょう。
 あとあんまり綺麗なもんじゃないので恥ずかしいってのもあります。準備くらいさせて下さい。
 くどいようですが私は一応女の子です。あまり汚い所を弄られるのは勘弁願いたいです。
 マゾだけど人権はあります。あ、妖精だからねーっすね。あははんほぉっ」
 グロウの一突きで、ティティは黙らせられた。
 後ろの穴は、前の穴とはまるで別物。正反対と言っていいくらいの感触だった。
 とにかく、キツい。
 ティティが言った通り、全く拡張せずに突然入れられたのは想定外だったようで、どうにか入ったはいいものの腸からは完全に嫌われていた。
 半分ほど入ったが、前に進むのも後ろに下がるのも困難なほどに、ティティのアナルは万力が如く締め付ける。
 「…………」
 ティティは金魚のように口をパクパクと動かしている。
 痛さ、恥ずかしさ、苦しさはヴァギナの比ではない。
 よって、その快楽も比べ物にならない。
 ……と、言うような事は全然なく。
 「……ぬい……って…………ちょ……マジで……」
 段階をすっ飛ばしていきなり入れられたペニスに、身体が快楽の出し方を忘れてしまっていた。
 今この瞬間のティティは、マゾヒストではなかった。
 半ば人生を諦めたかのような壮絶な半笑いが、顔に固定されてしまってぴくりとも動かない。
 「あの、何ていうか、アレだ。ティティ……すまん」
 (はいティティです! 喋れません! 今ならまだ致命傷で済みます! ゆっくりと抜いて下さい! ゆっくりと!!)
 あまりのショックに中止するものだと思ったティティは心の中で必死に懇願する。




 「……死んでくれ」

 グロウは股間に渾身の力を込め、これ以上ないほどの強固な武器に変貌させる。
 そして。先ほどのピストンを遥かに上回る速度で……上下運動を開始した。

 「~~~~っ!! ぁあああああーーーー!! あぅぁ、あっ、んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 悲鳴とも断末魔ともつかない品性の欠片もない声が、部屋に木霊した。
 快感によるものでは無いことだけは、確かだった。
 「あぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! あ、ああ、へぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」 
 全てを捨てましょう、とグロウに言ったティティだが、まさか自分も色々と大切なものを捨てるとは思っても見なかった。
 グロウはその金切り声を無視して、彼女の腸と戦い続ける。
 最初は身動きが取れなかったものの、所詮人間の男と妖精の少女。固さで勝負をすれば、どちらが勝つかは火を見るより明らかだった。
 結果、ティティの腸はグロウの槍に屈し、為す術もなく蹂躙されて戦火の中で犯されることになる。
 「……出すぞ」
 グロウからたっぷりと射出されたザーメンは、小さいティティの身体をどんどん駆け上っていく。
 「……! お、おげぇぇぇぇぇぇぇ……!!」
 吐き気がこみ上げてくると思ったら、喉の奥から大量の精子が出てきた。
 突然の事態。苦しさと羞恥心とわけのわからなさが限界へと達したティティは、今度こそ完全に気をやってしまった。
 そんな事に気づかず、グロウはただティティの中を滅ぼすように滅茶苦茶に動き続け、再び精を吐き出した――



 「ティティ、生きてるか?」
 返事は無い。死んだ。
 「悪いことをしたな……後で埋めてやろう。カトレアの花を添えて」
 「……………勝手に殺さないで下さい……」
 と思ったら、ティティの地を這いずるような低い呟きが耳に入った。どうやら、一命は取り留めたようだ。
 「すみません、正直人間を、ってかグロウ様を舐めてました……か弱い妖精相手にここまでできるもんかと。浅はかでした……」
 未だ開いた尻穴と口元からは涎のように精液が出ている。 
 「あーくそ……ザーメンが美味いのがまた負けた気分になる…………」
 ぶつぶつ言いながら、ティティは上半身だけ起こした。
 「……まだやります?」
 「……いや、憑き物は落ちた。今の俺はゼロだ」
 「そうですか。それは良かった。色んな意味で。まあ憑き物の大半は私に移ったような気がしなくもないですが」
 「ありがとう、ティティ。助かった」
 ティティはその言葉を聞いて、嬉しそうに笑った。
 「いえいえ。お役に立ててうれしーです。んで、グロウ様これからどうします?」
 「どう、か」
 全てを捨てることができた。もうどうでもいいと言う、諦めの心そのものが完全に消し去った今。ゼロから生まれたものは。
 「…………復讐、じゃないですか?」
 ティティが嗤う。
 「…………」
 正解だった。
 グロウはここでようやく、自分が理不尽に晒されていた事に気付いた。
 自身は悪くないのに、環境は全て牙を向いた。
 卑劣な方法で勇者の称号を奪い取ったアルベリヒも。
 それを知りながらアルベリヒを勇者と認め自分を追放した国も。
 抵抗せずアルベリヒに抱かれて喘ぎ擁護もせずに自分を捨てたユミルナも。
 全てが、急に憎たらしく思えてきた。
 いや、これは怨嗟だ。
 「やっちゃいましょう、復讐。私も手伝いますよ。ただ――私の復讐も、手伝ってもらいますけど」
 そう言ってティティは立ち上がり、買い物袋の中から、一際目立つ深緑のイブニングドレスを取り出す。
 「流石にはだかんぼじゃアレなので、ちょっと格好付けさせて貰いますよ」
 そう言って身体をティッシュで簡単に拭い、ドレスを纏い始める。
 「復讐、か」
 「ええ、そうです。私達妖精を迫害し、おもちゃにし続けて、絶滅へ向かい始めるほどに衰退させた――人間への、復讐です」
 長い髪を縛り、先ほどの態度とは一変した表情を見せる。
 優雅に笑う瞳の中に、憎しみの炎が灯っていた。
 いや、それはグロウのそれと同じ――怨嗟。
 「私の名は、ティターニア・ヴェルコット・ゼラ・フェアリー……妖精族の第一皇女です」
 言葉の節々から只の妖精では無いと思ってはいたが、まさか姫君とは。
 「グロウ様、もしよろしければ……私の復讐に、手を貸してはいただけませんか」
 「俺も人間だが」
 「なーに言ってるんですか。細かい事は言いっこ無しです。人間も邪魔な魔族もみんな滅ぼして、妖精の世界を作りましょう。
 私が皇后で、グロウ様が皇帝です。贅沢し放題ですよー」
 いつもの人懐っこい笑顔で、ティティは手をヒラヒラと振る。
 「人間を滅亡させた妖精王国の皇帝が人間か……おかしな話だ」
 グロウはふ、と微笑む。
 「うお、グロウ様笑うと超イケメン……!」
 驚くティティに、グロウが質問する。
 「ティティ。人間を滅ぼすのはいいが、多少は残してもいいのか?」
 「まあ、グロウ様がおっしゃるなら検討はしますよ。……まさか、故郷の人だけはとか言いませんよね?」
 「逆だ。故郷の奴らは一人も残さん。ただ、今は人間に虐げられている人間もいる。数は多くないが、俺のような持たざるものだ」
 「お優しいんですねーグロウ様は。まあいいです。グロウ様のように優しい……いや優しくは無いですね。全然優しくないです。鬼畜です。
 グロウさまのように悪い人間じゃない人がいるって事はわかってます。可能な限りは尊重しましょう。が、それ以外は殺しますよ? 女でも、子供でも、赤ん坊でも」
 「俺の知った事ではないな」
 「選んで殺すってのも悪くないですね、支配者っぽくて。決定です!」
 「ああ」
 ティティの差し伸べた悪魔の如き選択肢を。
 グロウは手に取って。
 「よろしくな、ティティ」
 「よろしくお願いします、グロウ様!」



 どこまでも続く血と闇の路を、二人は堕ちる。
 後に妖精戦争と呼ばれる戦乱の、ここが始まりだった。

 
 終


 







 「しかし姫とは知らずとんだ無礼をしてしまったな」
 「えへへーびっくりしました? 私の事敬語で呼んでもいいんですよ! ティターニア皇女殿下って! グロウ馬になれー!」
 「調子に乗るな」
 「ごめんなさい」