グロウの喉元を、甘酸っぱい液体が通り抜けていく。
これでティティの尿を飲むのは六回目。直で飲んだのは二回目だった。
人間の身体の奥底にある、がんじがらめに鎖で縛られていた装置。その錠前の一つが、腐食してぽろりと落ちる。
まだ、装置の外面すら見えない。何十にも鍵をかけられたそれは、未だ目覚めの時を待っている。
そしてそれは、緩やかながらも確実に近づいていた。
「妖精王女、略してようじょのおしっこを飲んでパワーアップする変態体質のグロウ様、満足ですか?」
吐き出されたティティは少しだけいじけた様子でグロウを睨む。
『恥ずかしいので妖精の貴重な排尿シーンは見ないで下さい、お金取りますよ』が毎度の口癖になっているティティは未だ直に飲まれることに慣れていないのだ。
「……誤解を招くような表現はやめろ」
「誤解も何も大マジじゃないですか! 私そこらのロリよりちっちゃいですよ!?」
む、とグロウが唸る。
言われてみれば確かにそうかもしれない。
ティティ自体が少女体型である事に加えて、その胸や性器の小ささは比べるのもおかしい大きさだ。
仮にティティが妖精じゃなくても、ロリコンである事に異議は唱えられないだろう。
妖精なら言い訳のしようがない変態だ。そして、ティティは妖精だ。
「ド変態ですよド変態! 妖精いじめてはずかしめてちんちん大きくするペド槍使いですよ!
八本目の対妖精用の槍は股間についてるってやかましいわ! この異常性癖者! フェアリーファッカー!!」
「お前には負ける」
ぐ、とティティが言葉に詰まる。
それを言われたら何も言い返せない。
引き返せないレベルのマゾヒストにして、憎むべき天敵である人間の精液や尿を身体に浴びて興奮するような、妖精の、それも姫君だ。
一応恥じらいと言う感情が存在している、と言うこと以外はもう手遅れ極まりない。
尚も縛られたままで転がっているティティは、ただ悶えるばかりだった。
「さて、尻を弄くらせて貰おうか。心配するな、今回はいきなり挿れたりはしない」
部屋の化粧台、その引き出しを探ると目当ての物はあった。
「あ……」
ティティはそれを見て少しだけ、安堵した。
綿棒。妖精のサイズでも無理なく入りそうで、尚且つ柔らかい素材の道具だった。
「ティティ、尻を突き出せ」
自分が言ったことを覚えていてくれたのか、とティティは少しだけ嬉しくなって、ティティは膝を折ってグロウに小さい尻を差し出す。
「グロウ様……あの、今日は優しくお願いします……」
「……善処する」
いつもなら即切り捨てるティティの願いを、珍しくグロウは受け入れた。
虐められて喜ぶ妖精を優しく扱ったらどんな反応をするだろうか、と気になったからだった。
縄を解き、服を脱がせる。
ティティは抵抗することもなく、グロウに身を委ねた。
グロウはその姿を見ながら、綿棒を口に入れて唾液で湿らせる。
そしてティティの小さな尻穴にあてがい、ゆっくりと回転させた。
「ふぁぁ……」
ぴくんと一回大きく跳ねて、ティティの身体から、力が抜ける。
閉じられていた肛門が、ほんの少しだけ開いた。
いつもなら一息に突き刺してるところを、グロウは綿棒を回しながら少しづつねじ込む。
「はぁぁぁん……」
柔らかく動くティティの括約筋。
小刻みに震えるティティの不浄の穴に、綿棒の頭がすっぽりと入った。
「大丈夫か?」
「はい……大丈夫れす……」
ティティは涎を垂らして、幸せそうに笑っている。
それを確認すると、グロウは綿棒を大きく回す。
これまで軸回転だったのを、円を描くように、腸内をなぞっていく。
ティティが言っていたように、コーヒーをかき混ぜるようなイメージで。
「あー……」
快感に身を任せるティティ。
乱暴に扱われている時とはまた別の、甘い快楽。
幸福な夢でも見ているかのようにリラックスして、身体を動くままに動かせた。
股から、愛液がとろりと落ちる。
普段は洪水のように噴出するそれは、今回に限り粘着性を帯びたものになっていた。妖精の、蜜だった。
「どうだ、ティティ」
「すっごいきもちーですー……」
はふん、とだらしない声を上げる。その顔は恋する少女のような、可愛らしいものだった。
綿棒は奥へ奥へと突き進む。そして、こつんと硬いものに当たった。腸の感覚とは、違う。
「……何だ?」
つんつんとつつくと、ティティの表情が少し困ったようなそれになった。
「あー……すいません、お楽しみの所で失礼なんですけど、それ、アレです……アレ」
「アレ?」
惚けた顔のティティは、顔を更に赤くする。
「……うんこです。いやー申し訳ない」
「そうか」
「……えーと、どうします? トイレ行ってきますか?」
半ば答えは予想していた。だが、ある意味でグロウの答えは全く予想外だった。
「ここで出してくれないか」
「ぜってーやーです」
「そうか」
そう言って、グロウは綿棒を一旦引き抜く。
行ってきていいぞ、と彼女の動きを待っていた。
「……と、いつもなら言ってるところですが」
だが今日は、ティティも様子が違った。
「今のグロウ様私のお願い聞いてくれるから、超恥ずかしいけど大サービスです。
そもそも命令して押さえつければ私はここで強制排便の刑でしたからね。
……言っておきますけど、あまり面白いもんでも無いですよ? 汚いですよ?」
「ああ、ありがとう。見せてくれ」
あ、ありがとうって……と呟きながら、ティティはどんな顔をすればいいのかわからずにしていた。
表情が定まらないながらも、ティティは臀部に力を入れかける。
「……なんか、姿勢のリクエストみたいのあります?」
「好きなようにしてくれ」
では、とティティが四つん這いになる。
妖精としても特異ではあったが、ティティにとってはこれが自然なスタイルだった。
「ふぅ……んっ」
腹に力を込める。
肛門が緩み、僅かにそれらしきものが穴から覗いた。
「んっ……!」
それの頭が、尻の穴から顔を出した。が、それ以上進まない。
「あー……人に見られてると緊張して出にくいもんですねー……」
ついに引っ込んでしまった。そこにグロウが助け舟を出す。
「手伝うか?」
二本目の綿棒を取り出し、ティティの膣にちょんと触る。
「んー……じゃ、お願いします。変態的ですね、これ。なんか」
ティティの困ったような笑い顔に、グロウは股間が硬くなるのを感じる。
妖精の膣にちょうどいい大きさの綿棒を、壊れ物を扱うようにそっとあてがう。
擦る、と言うには、綿棒の動きは滑らかすぎた。
表面を撫でるように。妖精よりも更に小さな生物が、舐めるかのような刺激。
こそばゆさを含んだ悦楽に、ティティの思考が朦朧とする。
「ああ~……なんか、下のお世話される赤ちゃんになった気分です……んっ」
緊張と言う感情も、靄がかかって薄れゆく。
結果的に、ティティの排泄物……大便は、肛門を押し広げてにゅるりと這い出てきた。
こつん、と。
粘液に塗れながらも形はしっかり保たれたそれが、机に落ちて、転がって、止まった。
「……あなたの子です」
笑いどころのわからないギャグを飛ばして恥ずかしさを和らげるティティ。
グロウは可愛かったぞ、と適当な返事をして、彼女から生まれたそれを観察した。
「かわっ……!?」
大きさは豆粒程度。形状もそれに似た、卵型をしていた。
色は茶色がかった紫色をしていて、表面には艶がある。
綺麗、とは言えないにしろ、汚いと言う程のものでもなさそうだ。
グロウはそれを手に取ってみる。
質感も滑らかだ。そして、硬い。水っ気はティティの腸液によるものだろう。
人間の大便のような臭いはしないが、仄かに土の香りがする。
「……魔力は入ってるのか?」
「……はい。って言うか、塊みたいなもんです」
ティティは何故か正座してこちらを上目遣いに見ていた。
「……ふむ」
グロウはついにそれを口に運び――
かりっ。
とそれを噛み締めた。
「……オーゥ」
ティティはまるで、初めて親の情事を目撃した子供のようにそれを眺めていた。
妖精の便は、歯ごたえがあった。
味は僅かにほろ苦く、土の風味を混ぜた豆、と言う感覚が近い。
(美味い、とは思わんが……)
特別不味いわけでもない。味を楽しむというよりは、魔力の供給、妖精の排泄物を食らうと言う行為そのもの、そして……
「…………」
うへー、と恥ずかしそうながらもあまり嫌そうにはしていない、光景から目を話せない妖精のリアクションを楽しむものなのだろう。
「……!」
そしてそれを飲み込んだ瞬間。凝縮された魔力が、グロウの体内の装置に火を入れたような感覚があった。
巻き付く鎖の数々も、ほんの少しだけ緩む。グロウは魔力の一端を、その体に宿す事に成功した実感を覚えた。
「……どうですかグロウ様、ようじょのうんこを食べた気分は」
「悪くない」
これ以上ティティの顔が赤くなる事はないだろう。
火が出ていないのが不思議なくらいだった。
ぷるぷると震えながら、目元が熱くなるのをどうにか堪えていた。
「わ、私達もう後戻りできない関係になっちゃいましたね……」
「元からだ」
「でも、なんか滅茶苦茶変態的ですけど、私も………その…………あー!! もー!!」
ティティは喚きながら近くにあった綿棒を手に取り、自らの股間に突き刺して体重をかけた。
上下に腰を動かすと、ぬぷりぬぷりと言う音とともに、彼女の腹が綿棒の形に小さく膨らんで動くのが見える。
「グロウ様! せーえきぶっかけて下さい!」
何か知らないが急にヤケになったティティ。
グロウは言われるままに、既にはち切れそうに怒張している愚息をティティに向けてしごき始めた。
ティティは更に落ちていたもう一本の綿棒を掴み、尻の間に差し込む。
「はっ……すごい、これ、おいし……っ」
膝をカクカクと動かし、下の両穴で綿棒をしゃぶりあげる。
更に目の前には、巨大なグロウの逸物。この上なく興奮したティティは、雌の顔になっていた。
下品で、淫らで、それでいて儚げで可憐な妖精のダンス。
グロウはその愛くるしい姿を自分の色で染め上げるべく、精液を発射した。
「ああああああああああああっ!!!」
同時にティティも、絶頂を迎えて股から潮を吹いて倒れこむ。
荒く息をしながら、ゆっくりと綿棒を引き抜いた。両方とも、粘っこい糸を引いている。
ティティは寝転がったまま手で陰部を広げ、妖艶な笑みを浮かべた。
「グロウ様……今日は優しくされたから、私の脳内はピンク色のらぶらぶモードです……。
ティティちゃんのおまんこも、きつきつけつまんこも、今はやーらかくてとろとろになっているので、是非お楽しみ下さい……」
両の穴は、主人の帰りを待ち侘びるかのようにひくひくと歪動していた。
(……たまには優しくするのも悪くないな)
グロウはその愛しき肉穴達に褒美を与えるかのように、じっくりと、丹念に、ペニスを出し入れして。
溺れそうになるほどの精子を、ティティの身体に注ぎこむのだった。