Neetel Inside ニートノベル
表紙

週末のロストマン
第三話「ローファイボーイ・ファイターガール」

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「お前、男と会っていたそうだな」
 夕食時に唐突に父惣治の口から出た言葉に、律花は正直戸惑った。それから直ぐに向かいに座る兄の仕業だと考え、ちらりと彼の方を一瞥する。兄、奏汰はにやにやと薄ら笑いを浮かべながら無言でスープを啜っている。
「私の不注意を救ってくれた人です。別に何か関係があるわけではありません」
 さらりと言って律花は再び食事に戻る。
 夕食時に時々ある事だった。私立の女子校に通い、且つ優秀な成績をキープし続けている律花に変な虫がついてはいけないと彼は時折律花の情報を共有しようと図る。優秀で、清潔な白部律花を作りたい父にとってそれは重要な事なのだろう。
 初めの頃は戸惑っていた律花も、高校生ともなると慣れ始め、簡単にあしらう事が出来るようになっていた。モッシュピット以外で問題を起こさなければいいのだから簡単なものだ。
「何をした?」
 感情を感じさせない冷たく低い声で惣治は尋ねる。
「事故に遭いそうになったところを助けて頂きました」
「事故?」
「階段を踏み外しかけたんです。私が」
「怪我は無いのか?」
 律花は頷く。
「相手方に怪我は無かったのか?」
「怪我はありませんでしたが」
「なかったが?」
「その人、楽器を持っていたのですが、それが酷く損傷してしまったみたいで……」
 ああ、と律花は言葉を漏らすと更に言葉を続ける。
「出来ればその楽器を弁償したいと思っているのです。ただ私はそんなにお金を持っていません。お父様には申し訳無いのですが、いずれしっかりとお返ししますので、お金を貸していただく事はできませんでしょうか?」
――無言。律花が一番緊張するのは、父が何も言わなくなった時だった。喋っていればそれとなく返答の手段を探しだして無難な返答を返せるが、無言だとどう対応していいのか分からない。ちらりと母、花江を見るが、彼女も律花と同じようにどう言葉を掛けたものかと困っているらしい。
 惣治は食事を終えると、花江に珈琲を注文した。
「別に返すことを考えなくてもいい。お前なりに相手に筋を通したいという考えなのだろう。それに楽器となればそれなりの金額はするだろうし、相手も困るだろう。弁償に行って来なさい」
 律花は安堵に胸をなでおろす。珈琲のカップを持ってきた花江と一瞬目が合って、その安堵を二人で共有した。
「本当にそんな理由で男と会っていたのかな」
 その空気に水を指した声があった。奏汰は笑みを浮かべながらそう口にすると、出された珈琲を口にする。
「兄さんは黙ってて。私の問題なんだから」
「俺はお前が心配なんだよ。受験だって控えてるのに男と会ってなんていたら……」
「奏汰」父の言葉がすとん、と二人の音を切り落とした。「お前が心配する事じゃない」
 奏汰は席を立つと、小さく舌打ちをしてからリビングを出て行ってしまう。追うべきか花江は悩んでいたようだが、邪険に扱われるのは目に見えているからか、結局俯きながら彼が一口だけ飲んだ珈琲を下げ始める。
「律花、もう一度聞くが、その男性とは何もないんだな?」
「恩人なだけです」
「ならいい。問題を起こされて推薦に響いたらそれこそ厄介だからな」
 それだけ口にすると惣治は席を立って行ってしまった。また書斎に篭って仕事に耽るのだろう。律花は出て行くその背中を見ながら、少しだけ表情を歪めた。
「その人にはちゃんとお礼、言わないといけないわね」
 律花の前に紅茶を置くと、花江は向かいに座ってそっと微笑んだ。律花も笑みを返すと、うん、と柔らかな声と共に頷く。
「それで、どんな人なの?」
「別に、普通の大学生で、バンドやってる人って事くらいしか知らない」
「会ってどんなお話したの?」
「大した事は話してないよ。普通にお礼しただけ」
 相手に大分興味を持っているのか、それとも律花の緊張をほぐそうとしているのか、花江は娘に幾つも質問をしながら、他愛無い会話を続けた。
 惣治の前では力になれない自分を心苦しく思っている部分も、恐らくあったのだろう。


 部屋に戻って、律花は勉強机に座ると、周囲を見て回る。ポスター一つ張られていない部屋は簡素で、どうしても律花にはつまらなく見えた。ベッドと、本棚には学習本とクラシックの音源。両開きのクローゼットの扉にはいつも着ている制服。律花はそれらを見ながら頬杖をつくと、小さな溜息を一つ吐き出した。
 それから鞄を取り出すとキャップ帽を取り出して、後ろについた缶バッジを一つ撫でてみる。犬っぽいキャラクターの描かれたオレンジ色の缶バッジが光を受けて輝いている。
 彼の前で戦ってみせた後に貰ったものだった。彼は酷く興奮した様子で、ずっと探してた景色がどうたらとか、君みたいな人が見たかったとかマシンガンみたいに言葉を乱射すると最後にこのバッジを律花の手に握らせて、微笑んでみせたのだった。

『カッコ良かったよ、律花』

 キャップ帽をしまうと、律花は大きく背伸びをして参考書を開いた。疲れは無い。来週の金曜日まで時間もある。その間に出来る限りの予習を終えて、出来る限りモッシュピットに充てられる時間を増やしたい。
 カッコ良いと言われると、なんだか嬉しかった。
 誰かの期待に応え続ける自分ではなく、ムーンマーガレットとして思いのままにモッシュピットを駆け巡る白部律花を肯定してもらえたのは、初めてだったから。
 でも、彼とはあの一回きりで終わりだ。
 現実に干渉してくる可能性のある人と付き合うのは、あまりにもリスクが大きい。
 せめて、同じ女性であったならまだ話は別だったかもしれないが、男性の知り合いは、「期待されている白部律花」には要らない要素でしかない……。

   ・

 携帯が鳴る。幼い頃からずっと変わらない大好きだったアニメのテーマソング。ディスプレイには「沙原壮平」という字と、バンドメンバーで撮った写真が表示されている。鳴海は暫く取るべきか悩んでいたが、いつになっても途切れないコールに負けた。
『よう、元気か?』
 随分と久しぶりに聞いた声だった。それもそうだ。少なくともあの金曜日から一週間近く顔を合わせていなかったのだから。学部は違うが昼食も一緒に取っていたし、放課後だってよく考えたら一緒だった親友だ。
「久しぶり」
『なんだよ、一週間会わなかったくらいで久しぶりか?』
 スピーカー越しにカラカラと笑う声が聞こえる。間近でいつも聞いていた筈の声は、どうしてか今は遠く感じる。
「今は何してる?」
『講義だよ。流石に留年は逃れたいし、学生としてやることはやっておかないとな』
「学問も音楽もきっちり熟してるわけか。律儀だな」
『なあ、それでお前は決めたのか?』
 気楽な会話へ続く道を、沙原は切り落とす。鳴海は押し黙ると、目を閉じて俯いた。
 分かっていた。きっと次に彼と話す時は、自分の道を一つ選択する時になるということくらい。
 ただ、心のどこかにあったのだ。気楽に馬鹿話に洒落こんでそのまま互いに有耶無耶のまま終わってくれるんじゃ無いかってことを。
「……もう少しで、答えがつきそうなんだ」
『そんなに待てない』
「多分、来週の金曜日、そこで自分の中の答えが出ると思うんだ」
『金曜日?』
「そう、週末。それが終わったら、ハッキリと答えを出す」
 頼む、と言った声は震えていた。なんだ、俺は心の何処かで今の居場所を逃したくないと思っているのか。いや、そんなのはこうして答えを先延ばしにしている時点で分かりきったことだ。きっと、沙原だって同じように思っているはずだ。
 鳴海にとって、沙原は親友なのだから。それくらい分かっているに決まっている。
 暫く、沙原は何も言わなかった。このまま鳴海を切り捨ててしまっても、仕方のないことだった。
『土曜の昼に、会おう』
 それだけ言って、沙原は電話を切った。
 通話の切れた携帯を眺め、それから鳴海は空を仰いだ。ありがとう、と呟いた声は空に溶けて消えていく。失った弦の音が再生される。太くて伸びの良い低音が。


 自宅に到着した鳴海は、鍵を開けて部屋に入ると、背負っていた肩提げのポーチをベッドに投げて、中央に置かれたテーブルの前にどっかりと胡座をかく。アクリル製の透明なテーブルの上にはノートパソコンが置かれている。その奥にはテレビとスピーカー、オーディオ機器が並び、窓際には中央で不自然に折れ曲がった中身の入ったギグバッグが置かれている。
 パソコンを開くと、鳴海はここ数日で調べた情報のスクラップを呼び起こす。
 律花に助けられてから、律花の戦闘を見て、先程の電話がかかってくるまでに鳴海が調べていた情報がそこにまとまっている。ポーチから幾つかの切り抜きを取り出すとベッドの下からクリアファイルを取り出して、そこに挟んだ。
 数日の間の自殺に関する事件や、暴力行為、殺人等の事件を探しまわってみていた。特に近隣住民の情報で「人が変わったように」という言葉を見かける事件ほど、鳴海は重要と考えて動いていた。鳴海自身が遭遇したモッシュピットの周辺に限定して調べてみたところ、ここ一年だけでも二十件程ヒットした。住民の意見なんてたかが知れているが、この場所を通った可能性のある人物が突然人が変わったようになっているところを考えれば、少なくはない件数だった。先日律花の言っていた「襲われると人が変わる」というのは、事実なのだろう。
 そして、更に一年程遡ってみたところ、それまで月に一つか二つだった件数が跳ね上がって二桁台に突入している箇所があった。これも律花の言っていたプレイヤーが減少した際に起こった事件なのだろう。
 プレイヤーがいることで、本来起こりえなかった事件を幾つも防げていると考えれば、確かにあの行為は悪い事でもないのだろう。
 ただ、同時に気になることがあった。鳴海は腕組みをして唸る。
 モッシュピットに関連する情報がまるで存在しないことだ。事件との関連性を探っていく間にこのモッシュピットにぶつかる事があっても良いと思うのだが、どうにもぶつからない。プレイヤーと名乗る人物が逮捕されることも無ければ、被害者があの場所に関して述べることも無いのだ。
 あれだけ超常的な現象が起きているのにも関わらず、何もしないということは、ありえないのでは無いだろうか。
 鳴海は暫く唸った後、携帯を取り出して一人の人物に連絡を取る事にする。
『もしもし』
「どうも池田さん、古都原です」
 通話先の相手は暫く黙りこみ、それからああ、君かと愉快そうに口にした。
「先日は突然連絡先を教えて欲しいなんて言って、すみませんでした」
『いや、いいよ。今日は身体がだるくてね、どうにも外出は出来そうにないから』
 池田孝之。律花とブッキングした黒いSGを使っている男性だ。
 鳴海は戦闘後に彼に連絡先を貰っていた。出来るだけ身分を隠したがる律花と違って、池田は特に隠すつもりは無いらしく、モッシュピットには来たばかりで、色々教えて欲しいと告げると簡単に応じてくれた。
「やっぱり、負けた時のデメリットが効いてるんですか?」
『こればっかりはどうしても慣れないね』
 そう言う彼の口調も気怠げで、あの夜のような覇気は感じられない。
「また掛け直した方がいいですか?」
『いや、何も出来ないから暇してたところなんだ。むしろ掛けて来てくれて有難いよ』
「そうですか……」
『それで、何が聞きたいのかな』
「あの、池田さんは、いつからモッシュピットに?」
『そうだなあ、もう一年経つのかな。君がどこまで知ってるか分からないから、簡単に言うと、僕はモッシュピットが多発した時期に巻き込まれた一人でね』
「プレイヤーが減少した結果起きたっていう……」
『知ってるなら話が早い。丁度僕も仕事に悩んでいた時期でね、そこを嗅ぎつけられたらしい。気がついたらモッシュピットにいて、オーディエンス達に囲まれていたんだ』
「それで、どうしたんですか?」
『無我夢中で逃げた。けど逃げられなくなった時、ギターの音が聞こえてね』
 あの音か。鳴海は頭の中で響いたあのベースの音を思い浮かべる。
『人によって聞こえる音は違うらしいし、その後に顕現する楽器もその音に準じたものらしいよ。そこら辺は知ってるのかな?』
 肯定すると、ムーンマーガレットも口調の割に世話は出来るらしいと笑いながら言った。
『気づいた時には楽器を持っていたよ。で、直感的にこれで殴ればいいというのも理解した。地面を踏み込んだら、ものすごい勢いで飛べるし、走れるんだ。戸惑ったけど、爽快だったなぁ』
「音が鳴ったら、楽器が出てくると……」
『僕の時はね。人によって差はあるけど、あの空間で音を聞いている人はほとんどその後プレイヤーになっているよ。まあ、抱いた感情の差によって力は変わるみたいだけれども』
「差があるんですか?」
『数値化なんて出来る事じゃないけど、マイナスの感情を抱いている人程強いよ。ここではね。皆モッシュピットでは明るそうにしているけど、大抵現実では不満を強く抱いてる奴ばっかりだから』
「つまり、上手くいっている人はここには来ないって事ですか?」
『その例えは上手いかどうか分からないけどね』
「……モッシュピットが広まっていないのは、何故なんです?」
『成程、特にそこが聞きたかったんだね』
 図星を突かれて戸惑ったが、別にそれを知られて困ることは無い。気を取り直して鳴海ははい、と答える。
『どうかな、僕も詳しくは分からないけど、相当ローカルな出来事だからね。影響だって人を鬱か躁状態にさせるだけで直接的に人が死ぬわけではない。それに上手くいっている人間はこの現象に迷いこむことなんて無いわけだから、介入しようにも介入できないんじゃないかな』
「できない、ですか」
『勿論そういうプレイヤーを雇ってる奴もいるかもしれないけど、少なくとも現状大きな被害を出すことは無いという結論を出してるってことだと思うよ。様子見さ。この結論がひっくり返るような事が無ければ、現状維持で良いと考えられている』
「じゃあ、周囲にモッシュピットが広まっていない理由は?」
『君、楽器やってるよね』
「はい、やってますが……?」
『インディーズで応援してるバンド、ある?』
「一応は……」
 所属しているバンドのことを、そして沙原の事を思い出して鳴海は渋い顔を浮かべる。
『そいつらがメジャー行くときって、どんな感情?』
「え、それは……嬉しいですけど」
『それだけ?』
「あとは……。まあちょっとさびしい気持ちもありますね。行ってほしくないなーとか、大衆に知られたくない気持ちとか……」
『よく分からないけど、プレイヤーになった人物はその感情が強くなるらしい。知られて増えたら自分の狩場が少なくなる。にわかには知られたくないっていう気持ちがね』
「気持ち、ですか」
『君も一度モッシュピットに関する情報をネットに広まるよう打ち込んでみようとするといい。絶対に出来ないから』
「絶対に……?」
『僕もやってみた事がある。送信ボタンが押せなかった。周囲に知らせようとしても、次の言葉が出てこなくなる。何のためかは分からないけど、他に口外する事に関して強い拒否の暗示が掛かっているみたいなんだ』
 だから、モッシュピットに関する情報が何処にも無い、と。
『この空間が何のために出来たのか、理由は分からないし、口外させない暗示の理由も分からない。ただ、少なくともこうやって何年も何年も続いてる。世代を変えながら、延々と同じことをね。多分、地球上からマイナスの感情が消えない限り、この空間は現れ続けるだろうね』
「消化しきれない不満の後始末のために、生まれた空間ってことでしょうか?」
『現状、それがプレイヤーの見解だよ』
 ありがとうございました、と言って鳴海は切ろうとする。そこで池田は彼を引き止めた。
『始めたてなら、オーディエンスとやって基礎を学ぶと良い。向上した身体能力に慣れるのと、楽器の使い方を覚えておくべきだからね』
「基礎を学べって事ですか」
『そう、あと、君がそこで何をしたいかにもよるけど、会っておくと良い人物がいる』
「会っておくといい、ですか……名前は?」
 池田は少し押し黙り、それから口を開くと、その名前を口にした。

『ジョニー・ストロボ』

   ・

 連絡があったのはモッシュピット発生の前日。つまりは木曜日だった。
 基本的にこちらからは掛けないことを約束されていただけに、これだけ早く彼女に出会う事が出来る事が嬉しかった。また彼女の戦う姿が見られるかもしれない。赤いSGで周囲を蹴散らす彼女の雄姿が。
 ただ、それはそんな理由では無いことに、彼女と出会うまで鳴海は予想すら出来なかった。いや、出来ないほうが当たり前だ。なぜなら鳴海は、まだ白部律花の事を何一つ知らないのだから。
 あの日、二人きりで話したファミレスに再び辿り着いた時、鳴海は彼女の手に持つそれに正直なところ、驚きを隠すことが出来なかった。
 緑色の制服に身を包み、赤い眼鏡を掛けた彼女は、その肩に黒いギグバッグを提げていた。彼女の背丈に少し届かないくらいのそれは、紛れも無くエレキベースのサイズだ。
「それ、どうしたの?」
「買いました」
 坦々とした口調で彼女はそう答えた。
「元々私の不注意が原因でしたから、弁償するのは当たり前でしょう?」
「弁償……って、俺のベースを?」
「どういうメーカーかは一応見ておいたから、多分合っている筈です。」
 そう言って彼女は彼に押し付けるような形でギグバッグを渡す。
 鳴海は戸惑いながらも、慎重な手つきでそのジッパーを下げて、中を確認する。確かに、同じメーカーの、同じジャズベースだった。ピックアップも、サンバーストのカラーも変わらない。鳴海が愛用しているベースに間違いなかった。
「でも、そんなお金どこに」
「父から借りました。事情を話したので安心してください」
「事情って……」
「貴方は私の不注意の被害者であり、それ以上でも以下でも無い」
 その言葉に、鳴海はただ呆然とする。それ以上でも、以下でもない?
「貴方だってベースを弁償して欲しいと言っていたじゃないですか。私もそれに責任を感じていたからこそ、ちゃんと貴方に付き合っていただけです。これで貴方と関係を持つ理由も無くなりました」
 冷たい口調だった。ベースを抱えたまま固まる鳴海に対して、律花は深くお辞儀をする。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
 そうして彼女は踵を返すと、駅へと向かっていく。
 その後姿を、鳴海は引き止めることが出来なかった。彼女の言葉には、二人の関係を消し去ろうという確かな決意が感じられたからだ。白部律花にとって要らない存在だと、ハッキリと言われたようなものだった。
 鳴海はベースを抱えたまま、途方に暮れた。
 始まったと思った世界が急速に閉ざされていくのを感じた。

 鳴海の非日常は、ひと月経たずに終わったのだった。

       

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