最終回
二人が扉を開けた向こういたのはベルトの生みの親である博士だった。
「ふっ、来たか...」
「どういうことだ」
モテ男が問う。
「私が君にベルトを預けた理由は端から研究目的、そして私はそこのタコを含む怪人を送りつけて研究していたという訳さ」
「騙していたのか...」
奥には染川が見える。
「博士、貴様だけは許さねぇ」
殴りかかるモテ男、がしかし、かわされる。
「ちなみに私もパワーアップさせて貰っている」
「なん...だと...」
「タカとトラとバッタのDNAを取り入れている、つまり貴様ら程度では倒せない」
衝撃の事実にうろたえる。
「なら私が取り押さえます」
タコ足で博士を抑えるルリ。
「無駄無駄無駄ァ」
そういってトラの爪で足を攻撃する博士。
「今度はこっちの番だぁ」
そういって激しく切りかかったりキックしたりする博士。
もう二人とも倒れてしまった。
「くそ、こうなったら変身するしか...」
この状況、変身するしかない。
「なら...私を犠牲にしてください」
と、ルリが言う。
「だが、そんなこと...」
そう、彼の心にはルリへの思いが微かに生まれていた。
「私と彼女どっちが大事なんですか! 」
「くっ」
このとき、ルリと過ごした日々がモテ男の脳裏に甦る。
「くそ、選べない! 」
その様子をニタニタと見ている博士。
「早くしないと皆殺しだよー」
と、焦らす。
「しょうがねぇ」
モテ男は決心した。
「これが最後の変身だ」
「くく、あぁ、これで貴様は死ぬのだからなぁ」
ルリも息を飲む。
「俺は............」
「染川の命を犠牲に博士を倒す」
シーン
「えっ」
開口一番はルリだった。
「え、私じゃないの? 」
「あぁ、ここに来たのも本当は染川を救うためってよりもルリのいた組織を潰して完全に悪から断ち切ってやりたかったからだしな」
「ふぬぬ、そんなことはいいから勝負じゃ」
博士が飛びかかる。
バッタの跳躍力ですごく速いです。
ところかモテ男は飛び来る博士を鷲掴み。
「ヘッドクラッシュ」
博士の頭を潰した。
《エマージェンシー 自動自爆装置起動》
「なんだなんだ?」
どうやら博士が死ぬと自動で爆発する設定だったよう。
「と、とりあえず逃げましょう」
ルリが促す。
「染川はどうしよう」
「どのみち死ぬので放置でいいのでは」
「そうだな、早くいこう」
急ぎ足で出口へ向かう二人。
途中、腹に穴の空いた持薬や体がバラバラになった雄二を見かけたが構っていられないのが現状だった。
なんとか外へ出た瞬間爆発。
「雄二......お前のことは忘れない......ありがとう」
そういって涙を流すモテ男。
「これで全部終わったのですね」
「あぁ、終わったんだ、何もかも」
こうして、モテ男の非日常は幕を閉じる。
犠牲となった者は多くいた。
これはモテ男の望んだ結果だっただろうか。
「あぁ、きっとこれは俺が選べた最善の世界さ」
「? 」
首を傾げるルリ。
「だって今となりに世界で一番好きな人がいるんだから」
そう言ってベルトを捨て、ルリとチュッチュするモテ男。
この物語はここで閉幕です。
「んー、なんだこのベルト? 」
しかしここにもモテ男のように非日常の世界へ踏み入れてしまう人がいます。
次に非日常の世界に踏み入れるのは、あなたかもしれません。
You have a great chance to make your life best.