Neetel Inside ニートノベル
表紙

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モテ男がベルトを使ってから三日。
彼はその場の勢いで二人の少女を殺してしまった。

「くそっ、まさかベルトの効果が本物だったなんてっ」

彼は我に戻って気づいた、ベルトの恐ろしさに。
このままでは彼はモテ男では無くなる、そんな心配が心を支配する。

「なぁ、モテ男はん、あの事件から暗いでー」

そんなことはよそに雄二が明るく話しかける。
しかし、やはり様子のおかしいモテ男を見て雄二は真面目な顔をした。

「なあ、モテ男、お前の周りで二人も死んだ、なんか関係があるのかも分からん、だがな、お前はいつものモテ男でいてくれ、でなけりゃウチまで暗くなるわ」

この言葉にモテ男、自分を見つめ直す。

「あぁ、そうだよな、俺が、俺がなんとかしないと」

後悔しても二人の命は戻らない、あとは絶望ではなく希望を目指すしかないのだ。

「この力で世界を救う、これしかない、のか」

罪を滅ぼすため、未だ見ぬ悪と戦うため、モテ男は立ち上がる。
そんな姿を見て若干引く雄二。

「モテ男くーん帰ろう」
静寂を打ち破る声。
彼女は前々回現れた幼馴染、名前は染川。

「お、おう」

三人で帰路につく。
他愛もない会話をしながら。

モテ男は少し気分を持ち直していた。
いつも見ていた日常に帰れた、そんな気分で。
しかし、彼は気づいていなかった。
これから起こる長い長い戦いに。


「やっと見つけた、ベルトの持ち主」
不穏な影が彼の日常にポツリ。
「あれを我がブラックドロップスの物とすれば世界は我々の物も同然」
不気味な笑い声、いつか来る絶望。

次回、乞うご期待。

       

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