Neetel Inside ニートノベル
表紙

お前の命と引き換えに
千代田の中心で愛を叫ぶモテ男

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「明日、いよいよ敵のアジトに行くのか」

モテ男家にて雄二とルリが集まり明日について作戦を決める。
みんな明日の戦いへの覚悟を決めたのか、とても静かだ。





翌日、朝から電車で千代田区まで行った。
朝食がまだだったので近くのラーメン屋へ行った。

「腹が減ってはなんとやらって言うしのー」

雄二が言う。

「いらっしゃい、大きさは?」

店員が聞いてきた。

「中で」

雄二が答えると店員は困ったような怒ったような顔をした。

「うちには小か大しかないよ」

「ほんなら大で」

「これから戦うのにそんなに食えるかよ、俺は小で」

「私も」

モテ男とルリが小盛り、雄二が大。
そのあと券を買ってから席につく。

「あい、おまち。」

大盛りかと思ったモテ男は雄二の方にどんぶりを寄越す。

「おいおい、小は兄ちゃんのだろう」

「えっ」

モテ男は驚いた、小なのかコレと。

続いてルリの元にも大盛りに見える小ラーメンがくる。
最後に超大盛りが雄二の元へ。

「い、いただきます」

三人ともテンション低めで食べ始める。

と、そこへ見知った顔が。

「すまない俺にもラーメンを、ってモテ男くんか」

「うげっ、変態刑事」

そう、持薬だ。
どうやら彼も今日アジトに乗り込む気だったようだ


「どうせなら一緒に行かへんか」

「あぁ、味方は多い方がいい」

持薬も協力するようだ。
モテ男は少し嫌だったようだが。

ラーメンを食べ終わると遂に敵のアジトへ向かう一行だった。

     

一行はアジトについた。
そこは普通のビルのような出で立ちだった。

中に入ると薄暗く、何もない。

「すんませーん」

「あいよ」

そこにいたのはスパイダー男、随分待っていたようだ。

「よし、ほなコイツの相手はうちがしたるから、みんな先に行きな」

「面白い、階段ならそこにある。いきな」

その言葉に戸惑うも染川を早く救うため従う。

「無理すんな」とモテ男。

雄二は微笑みをみせた。

それを見て安心したモテ男は前に走り出す。



階段は長い、螺旋。
階段が終わるとそこは小部屋。

「いらっしゃい」

そこには例の黒づくめの男。

「おい、染川はどこだ」

「この奥ですよ」

その答えにモテ男はすぐさま奥へ向かう。

「おっと、待ってください、そう簡単にはいかせませんよー」

黒づくめの手には拳銃が。

「ふふ、なら貴様の相手は俺だ」

持薬が拳銃を出して黒づくめを制止する。

「さぁ行け、正義のために」

「すまない」

そう言うとモテ男とルリは奥へ向かった。
そこにあるのは希望か絶望か。


次回、最終回
『千代田の中心で愛を叫ぶモテ男』

物語はグランドフィナーレへ。

     

最終回

二人が扉を開けた向こういたのはベルトの生みの親である博士だった。

「ふっ、来たか...」

「どういうことだ」

モテ男が問う。

「私が君にベルトを預けた理由は端から研究目的、そして私はそこのタコを含む怪人を送りつけて研究していたという訳さ」

「騙していたのか...」

奥には染川が見える。

「博士、貴様だけは許さねぇ」

殴りかかるモテ男、がしかし、かわされる。

「ちなみに私もパワーアップさせて貰っている」

「なん...だと...」

「タカとトラとバッタのDNAを取り入れている、つまり貴様ら程度では倒せない」

衝撃の事実にうろたえる。

「なら私が取り押さえます」

タコ足で博士を抑えるルリ。

「無駄無駄無駄ァ」

そういってトラの爪で足を攻撃する博士。

「今度はこっちの番だぁ」

そういって激しく切りかかったりキックしたりする博士。
もう二人とも倒れてしまった。

「くそ、こうなったら変身するしか...」

この状況、変身するしかない。

「なら...私を犠牲にしてください」

と、ルリが言う。

「だが、そんなこと...」

そう、彼の心にはルリへの思いが微かに生まれていた。

「私と彼女どっちが大事なんですか! 」

「くっ」

このとき、ルリと過ごした日々がモテ男の脳裏に甦る。

「くそ、選べない! 」

その様子をニタニタと見ている博士。

「早くしないと皆殺しだよー」

と、焦らす。

「しょうがねぇ」

モテ男は決心した。

「これが最後の変身だ」

「くく、あぁ、これで貴様は死ぬのだからなぁ」

ルリも息を飲む。

「俺は............」

「染川の命を犠牲に博士を倒す」


シーン


「えっ」

開口一番はルリだった。

「え、私じゃないの? 」

「あぁ、ここに来たのも本当は染川を救うためってよりもルリのいた組織を潰して完全に悪から断ち切ってやりたかったからだしな」

「ふぬぬ、そんなことはいいから勝負じゃ」

博士が飛びかかる。
バッタの跳躍力ですごく速いです。

ところかモテ男は飛び来る博士を鷲掴み。

「ヘッドクラッシュ」

博士の頭を潰した。

《エマージェンシー 自動自爆装置起動》

「なんだなんだ?」

どうやら博士が死ぬと自動で爆発する設定だったよう。

「と、とりあえず逃げましょう」

ルリが促す。

「染川はどうしよう」

「どのみち死ぬので放置でいいのでは」

「そうだな、早くいこう」

急ぎ足で出口へ向かう二人。

途中、腹に穴の空いた持薬や体がバラバラになった雄二を見かけたが構っていられないのが現状だった。

なんとか外へ出た瞬間爆発。

「雄二......お前のことは忘れない......ありがとう」

そういって涙を流すモテ男。

「これで全部終わったのですね」

「あぁ、終わったんだ、何もかも」

こうして、モテ男の非日常は幕を閉じる。
犠牲となった者は多くいた。
これはモテ男の望んだ結果だっただろうか。

「あぁ、きっとこれは俺が選べた最善の世界さ」

「? 」

首を傾げるルリ。

「だって今となりに世界で一番好きな人がいるんだから」

そう言ってベルトを捨て、ルリとチュッチュするモテ男。



この物語はここで閉幕です。


「んー、なんだこのベルト? 」

しかしここにもモテ男のように非日常の世界へ踏み入れてしまう人がいます。

次に非日常の世界に踏み入れるのは、あなたかもしれません。

You have a great chance to make your life best.



       

表紙

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