Neetel Inside ニートノベル
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学者が助走をつけて殴るレベルの「古事記」
第六章「天孫降臨編-そして伝説へ…」-プロローグ

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 さて、アマテラスが出雲を統治する事になったのは決定しました。しかし、ここでアマテラスは困ってしまいます。
「誰が行くの?」
「えっ」
「だって、私は天上世界の偉い人だよ? 私は行けないよ?」
「あっ……(うっかり)」
 そうです。天上世界は天上世界で、アマテラスがまとめてくれないと困ります。従って、アマテラスがまとめるとはいえども、実際に本当にアマテラスに出雲へ行かれるのは困るのです。
 結局、またサミットが開かれます。そこには、アマテラスの可愛い子供であるアメノオシホミミも、そのまた子供であり、アマテラスの孫にあたる、邇邇芸命(ににぎのみこと 以下:ニニギ)もいました。可愛い孫に会えて、アマテラスのテンションはマックスです。
「フヒヒッ! がわ”い”い”な”ぁ”ニ”ニ”ギぐん”」
「おばあちゃん。僕は、出雲が欲しいです」
「  あ  げ  る  (ドン!)」
 こうして、ニニギが出雲を統治する事になります。

 一見、アマテラスの越権行為にも見えたサミットですが、このニニギ、実際のところ中々優秀な神様でした。これに対し、他の神様の異論もなく、ニニギは出雲を統治する神様に決定します。
 そして、ニニギの護衛として、一人の神様がニニギについていく事になりました。この神様は、天宇受賣命(あめのうずめのみこと 以下:アメノウズメ)です。
 ピンと来た方、素晴らしい記憶力です。ピンと来ない方、当然です。なので、説明しましょう。
 実はこのアメノウズメは、前回、岩戸隠れの伝説(アマテラスひきこもり事件)で、オモイカネに命じられて脱いで踊った、あの女神です。まさかの再登場&大抜擢です。
「でも、アメノウズメちゃん、女神だよね? こういう事言うのもあれだけど……女性がボディーガードなの?」
「いや何か、脱ぎっぷりを評価されて抜擢されたっぽいんですよね」
 天上世界の神曰く、「あのアマテラス様相手に堂々と脱げる度胸が気に入った。これならどんな凶暴なのが来ても気後れはしないだろう」という事らしいです。すっげぇ理由ですね。
「あれのせいで、何か私、芸能の神とか言われ始めてるんですけど」
「売り方と路線を迷走したグラビアアイドルはすぐ脱ぐからね、しょうがないね」
 実際、アメノウズメは気の強い度胸のある女神です。こうしてニニギは、アメノウズメを連れて出雲へ向けて旅立つ事になります。

       

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