Neetel Inside ニートノベル
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まずはルイーダの酒場って言うところに行ったらいいらしい。
そこで仲間を探せと言われた。

カラン、カラン

うわ・・・、なんか怖そうな人たちがいっぱいだなぁ。なんかみんなこっち見てるし、どうしよう。

「あら、お嬢ちゃん、いらっしゃい。何の用かしら?」

カウンターの中から気の強そうな女の人が話しかけてきた。
・・・僕お嬢ちゃんじゃないんだけど、訂正したほうがいいのかな?

「あ、あの。僕、男です」
「あら、そうなの。可愛らしいからてっきり女の子かと思っちゃったわ」

ガハハハハハ!
周りの人たちがなんだかよくわからないけど笑い出す。

「あんた達!ビビらせんじゃないよ!」

笑い声がピタッと止まる。
すごい・・・。頼もしいお姉さんだ。

「え、えーと。王様から言われて、ここで仲間を探すとよいって・・・」
「王様?もしかしてあなた勇者様なの?」

プッ、ガハハハハハ!!
今度は耐え切れないとばかりに周りの人たちが全員笑いだす。

「あんた達!!」
「いや、でもよう。こんなお嬢ちゃんが勇者なんて・・・。ガハハハ!我慢できねえ!!」
「まったく、こいつらときたら」

なんだかとても笑いものにされてる。
でも勇者って言われたし、僕自身だって別に勇者になりたかったわけじゃないし。何なんだよぅ。

「ごめんね、こいつらも悪気があるわけじゃないんだ。気にしないでおくれ。で、えーっと、仲間って言ったよね。じゃあとりあえず、ここでうちの酒場に登録をしてね。あ、自己紹介が遅れたね、私はルイーダって言ってここの酒場を切り盛りしてるんだ。はい、ここの名簿に名前書いてね」

勧められて名簿に名前を書く。
ロルト、16歳、男。職業欄はさっき笑われたから書きたくなかったけど、ほかに持ってる職業なんてなかったので仕方なく勇者と書いた。Lvは1だ。
それにしても、ルイーダさんすごいなぁ。あんなに怖い冒険者の人たちに大声で怒ったりして。30歳くらいかな?大人の女性って感じがする。

「ロルト君ね。Lvは1か・・・。う~ん、わかった。明日までには誰か見繕っておくから今日はとりあえず一旦家に帰って明日また来てくれないかな?」
「あ、明日ですか?」
「今日はほら、今も全員がここにいるわけじゃないからさ。こんな野獣どもにロルト君は預けられないからね」

お母さんと「もう家には帰らない」って言う約束をした手前、このままだと今晩は一人で越すことになる。一応宿の取り方とかはお母さんに習ったけど、お母さんもあんまりわかってなかったみたいだしなぁ。誰かと一緒に行動できたほうが安心するけど・・・。でも確かにルイーダさんの言うとおり周りの人たちみんな怖そう。うん、一人のほうがまだ気楽かも。

「え、えーっと、わかり・・・」

カランカランカラン

「ようルイーダ!今日も美人だな。今晩食事でもどうだい?」
「今晩の食事なんてここで食ってきゃいいじゃないのさ」
「そうじゃなくてさ、ほら、うまいレストラン見つけたって言ったろ?そこに連れてってやるからさ」
「ほう、うちの飯よりうまいって言うのかい?」
「い、いや。そうじゃない。ここのほうがもちろんうまいが・・・」

突然入ってきた金髪のお兄さんがルイーダさんに話しかける。僕のほうが先に話してたんだけどなぁ・・・

「あんたは後で相手してあげるから、ちょっと待ってな。ごめんね、ロルト君。じゃあそういうわけだから・・・」
「ちょっと待てよ、その子どうしたんだ?」

お兄さんがようやく僕に気づいたみたいだ。

「あんたが入ってくる前から話してたんだよ。旅に出たいから仲間を探してるんだと。一応勇者って王様から言われたみたいだけど、冒険者としては初心者だしせめてアリアハン出られるくらいを見繕ってあげようかと思ってね。あ、ちなみにその子女の子じゃないよ。あんたも女好きだからってその子にモーションかけても意味ないからね」
「へ~、そうなんだ。俺はカイン。君なんて名前なの?」

お兄さんが話しかけてきた。ちょっと苦手なタイプかも。

「えーっと、ロルトっていいます」
「へー、ロルト君か、冒険者初心者なの?よければ俺がついてってやろうか?」
「え?いいんですか?」

なんか急に話が進んだ。カインさんってこういうの慣れてるのかな?っていうか、ほかに組んでるパーティとかってないんだろうか。

「・・・どういう風の吹き回しだい?その子男の子って言ったろ?」
「おいおい、ルイーダ。俺が女としかパーティ組んだことないような言い方するな?」
「でもあんた基本一人で、たまに組むと思ったら女ばっかりだったりするじゃないか。男と組んでるところなんてみたことないよ」
「そりゃぁ偏見だな、そんなことないさ。それに駆け出しって言ったら一番しんどい時期だしな。持ちつ持たれつだよ、ひょっとしたら成長したこの子に助けられることがあるかもしれないしな」
「そりゃあそうかもしれないけどね・・・」

なんだかルイーダさんは不満そうだ。
でもカインさん案外いい人なのかも・・・

「いいんですか?Lvも1しかありませんけど・・・」
「いいって。じゃ、早速行こうぜ」
「え?あ、ちょっと!」

ルイーダさんが話しかけるがカインさんはさっさと行ってしまう。
えーっと、僕も追いかけたほうがいいのかな?

「あ、じゃあ僕はこれで、ありがとうございました」
「ああ、いいよ。・・・アイツなんか信用できないところあるけど、腕は確かだしね。まあ気をつけるんだよ、自分の命を大切にね」
「はい!ありがとうございました!」

こうしてカインさんと旅に出ることになった。


ロルト(勇者)LV1
右手:銅の剣
体:旅人の服

呪文:メラ、ホイミ

       

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