Neetel Inside ニートノベル
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ドラクエRPG
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「おお、勇者よ。魔王バラモスを倒して参れ」


と言うわけで僕の冒険は始まった。



僕は勇者オルテガの息子、ロルト。
15才の誕生日を迎えてこの度世界を救うために旅立つことになった。

僕のお父さんは10年前世界を平和に導くためにここアリアハンを旅立ったが、今は行方不明。
女手一つで育ててくれたお母さんはそんなに厳格な人ではなかったので、僕は蝶よ花よと育てられ、実は一ヶ月くらい前まで僕も旅立たないといけないなんて知らなかった。

正直外の世界なんてぜんぜん知らないし、とても怖い。一ヶ月前にそんなことを言われたときはパニックを起こしてついお母さんに強く当たってしまった。
その時のお母さんの悲しそうな申し訳無さそうな顔が印象的で、なんだか僕もお母さんに、言い過ぎたかな…、と申し訳なくなってしまった。

それから1ヶ月間は賢者であるお母さんにいくつかの呪文を習ってすごした。剣で戦ったりするのは好きじゃないのであまりやらなかったけど、スライムくらいは倒せるようになった。

そうして向かえた今日の日。準備はぜんぜんばっちりじゃないけどとにかくお母さんと相談してやれるだけのことはやったつもり。
僕は甘えん坊だから家に帰ったらきっともう旅なんてしたくなくなるはず。だからお母さんと相談して、旅に出たら世界を救うまで家には帰らないって言う約束もした。
怖いけど、今日から僕のたびが始まるんだ。

     


まずはルイーダの酒場って言うところに行ったらいいらしい。
そこで仲間を探せと言われた。

カラン、カラン

うわ・・・、なんか怖そうな人たちがいっぱいだなぁ。なんかみんなこっち見てるし、どうしよう。

「あら、お嬢ちゃん、いらっしゃい。何の用かしら?」

カウンターの中から気の強そうな女の人が話しかけてきた。
・・・僕お嬢ちゃんじゃないんだけど、訂正したほうがいいのかな?

「あ、あの。僕、男です」
「あら、そうなの。可愛らしいからてっきり女の子かと思っちゃったわ」

ガハハハハハ!
周りの人たちがなんだかよくわからないけど笑い出す。

「あんた達!ビビらせんじゃないよ!」

笑い声がピタッと止まる。
すごい・・・。頼もしいお姉さんだ。

「え、えーと。王様から言われて、ここで仲間を探すとよいって・・・」
「王様?もしかしてあなた勇者様なの?」

プッ、ガハハハハハ!!
今度は耐え切れないとばかりに周りの人たちが全員笑いだす。

「あんた達!!」
「いや、でもよう。こんなお嬢ちゃんが勇者なんて・・・。ガハハハ!我慢できねえ!!」
「まったく、こいつらときたら」

なんだかとても笑いものにされてる。
でも勇者って言われたし、僕自身だって別に勇者になりたかったわけじゃないし。何なんだよぅ。

「ごめんね、こいつらも悪気があるわけじゃないんだ。気にしないでおくれ。で、えーっと、仲間って言ったよね。じゃあとりあえず、ここでうちの酒場に登録をしてね。あ、自己紹介が遅れたね、私はルイーダって言ってここの酒場を切り盛りしてるんだ。はい、ここの名簿に名前書いてね」

勧められて名簿に名前を書く。
ロルト、16歳、男。職業欄はさっき笑われたから書きたくなかったけど、ほかに持ってる職業なんてなかったので仕方なく勇者と書いた。Lvは1だ。
それにしても、ルイーダさんすごいなぁ。あんなに怖い冒険者の人たちに大声で怒ったりして。30歳くらいかな?大人の女性って感じがする。

「ロルト君ね。Lvは1か・・・。う~ん、わかった。明日までには誰か見繕っておくから今日はとりあえず一旦家に帰って明日また来てくれないかな?」
「あ、明日ですか?」
「今日はほら、今も全員がここにいるわけじゃないからさ。こんな野獣どもにロルト君は預けられないからね」

お母さんと「もう家には帰らない」って言う約束をした手前、このままだと今晩は一人で越すことになる。一応宿の取り方とかはお母さんに習ったけど、お母さんもあんまりわかってなかったみたいだしなぁ。誰かと一緒に行動できたほうが安心するけど・・・。でも確かにルイーダさんの言うとおり周りの人たちみんな怖そう。うん、一人のほうがまだ気楽かも。

「え、えーっと、わかり・・・」

カランカランカラン

「ようルイーダ!今日も美人だな。今晩食事でもどうだい?」
「今晩の食事なんてここで食ってきゃいいじゃないのさ」
「そうじゃなくてさ、ほら、うまいレストラン見つけたって言ったろ?そこに連れてってやるからさ」
「ほう、うちの飯よりうまいって言うのかい?」
「い、いや。そうじゃない。ここのほうがもちろんうまいが・・・」

突然入ってきた金髪のお兄さんがルイーダさんに話しかける。僕のほうが先に話してたんだけどなぁ・・・

「あんたは後で相手してあげるから、ちょっと待ってな。ごめんね、ロルト君。じゃあそういうわけだから・・・」
「ちょっと待てよ、その子どうしたんだ?」

お兄さんがようやく僕に気づいたみたいだ。

「あんたが入ってくる前から話してたんだよ。旅に出たいから仲間を探してるんだと。一応勇者って王様から言われたみたいだけど、冒険者としては初心者だしせめてアリアハン出られるくらいを見繕ってあげようかと思ってね。あ、ちなみにその子女の子じゃないよ。あんたも女好きだからってその子にモーションかけても意味ないからね」
「へ~、そうなんだ。俺はカイン。君なんて名前なの?」

お兄さんが話しかけてきた。ちょっと苦手なタイプかも。

「えーっと、ロルトっていいます」
「へー、ロルト君か、冒険者初心者なの?よければ俺がついてってやろうか?」
「え?いいんですか?」

なんか急に話が進んだ。カインさんってこういうの慣れてるのかな?っていうか、ほかに組んでるパーティとかってないんだろうか。

「・・・どういう風の吹き回しだい?その子男の子って言ったろ?」
「おいおい、ルイーダ。俺が女としかパーティ組んだことないような言い方するな?」
「でもあんた基本一人で、たまに組むと思ったら女ばっかりだったりするじゃないか。男と組んでるところなんてみたことないよ」
「そりゃぁ偏見だな、そんなことないさ。それに駆け出しって言ったら一番しんどい時期だしな。持ちつ持たれつだよ、ひょっとしたら成長したこの子に助けられることがあるかもしれないしな」
「そりゃあそうかもしれないけどね・・・」

なんだかルイーダさんは不満そうだ。
でもカインさん案外いい人なのかも・・・

「いいんですか?Lvも1しかありませんけど・・・」
「いいって。じゃ、早速行こうぜ」
「え?あ、ちょっと!」

ルイーダさんが話しかけるがカインさんはさっさと行ってしまう。
えーっと、僕も追いかけたほうがいいのかな?

「あ、じゃあ僕はこれで、ありがとうございました」
「ああ、いいよ。・・・アイツなんか信用できないところあるけど、腕は確かだしね。まあ気をつけるんだよ、自分の命を大切にね」
「はい!ありがとうございました!」

こうしてカインさんと旅に出ることになった。


ロルト(勇者)LV1
右手:銅の剣
体:旅人の服

呪文:メラ、ホイミ

     

酒場を出ると、カインさんが待っていた。
そういえば酒場に入ったけどお酒とか頼まなくてよかったんだろうか・・・、まあお酒は飲めないけど。

「そんじゃ行こうか」
「はい!お願いします!」

まずはお互いの実力がどれくらいか、町の外に出てモンスターと戦ってみる。

「おお、すごい!」
「ま、これくらいだったら相手の攻撃なんて食らわずに倒せるな」

スライム3匹とおおがらす1匹を蹴散らした後、手に持った剣を余裕を持ってカインさんが戻ってくる。見た目から剣士だと思ってたけど剣の扱いがすごくうまい。僕じゃ複数どころかおおがらす1匹でも倒せるかどうか・・・

「カインさんって剣士なんですか?」
「ん?ああ、一応区別上は戦士って扱いになるが、剣を使うことが多いな。剣の扱いには結構自信あるんだぜ。んじゃあロルト、次はお前だ。ちょうどスライム共が来たから、あいつらと戦ってみろ。危なくなったら助けてやるから」

次に現れたのはスライム2匹。1匹なら倒したことはある。そのときの感覚で言うと2匹くらいなら大丈夫だろう。

「じゃあ行きます!」
「おう、いってこい」

剣を振り回してスライムAに襲い掛かる。
べし!
よし、当たった。でもスライムAは倒れない。1匹目と戦ってるときに2匹目のスライムBが攻撃を仕掛けてくる。
どす!「ぐっ!」
スライムの体当たりをまともに食らってしまった、痛い・・・。そして、僕がひるんでいる隙にスライムAがさらに追撃を仕掛けてくる。
どす!今回はうまく腕でガードできた。だがこのままではよくない。一旦距離をとろうと思って後ろに飛んだ。と同時に最初に体当たりを仕掛けてきたスライムBがさっきまで僕のいた所めがけて飛んでくる。奇しくも相手の攻撃をうまくかわした形になった。
ガン!と無防備になったスライムBに思いっきり剣を叩きつける。・・・どうにか1匹倒せた。
だが、ここまでくると相手は手負いのスライム1匹、恐るるに足らず。
その後難なくスライムを倒した。

「へー、やるじゃん」

カインさんが褒めてくれた。でもカインさんに比べたらぜんぜんダメだなぁ。

「ありがとうございます。でもカインさんすごいですね。2匹と戦ってわかりましたけど、複数と戦ったら急に戦いにくくなりますね。それを4匹も相手にして全く余裕だなんて」
「まあな、さすがに俺のほうが先輩なんだからそう簡単に追いついてもらっちゃ困るしな。でも、ロルトも筋がいいぜ、剣での戦い方教えてやろうか?」
「いいんですか?」
「ああ、いいぜ」

と言いニヤっと笑う。

「じゃあこの剣貸してやるよ、握ってみな。この剣どう思う?」
「すごく・・・、大きい剣ですね。僕には扱えないかも・・・」

その様子をニヤニヤしながらカインさんが見ていた。どうしたんだろう?

「そうか?ふふふ」
「ええ、よく振り回せますね」
「こんなもんは慣れだよ慣れ。ロルトもすぐにやみつき・・・、っと。ま、剣を振るのにもっとなれることだな」
「はい!わかりました」

などと言いながら剣の振り方などを教えてもらった。

「もっと腰を入れるようにして振れ、こうだ!」

などと実際に腰の辺りやお尻など押さえられながら正しい形を教わっていく。こんな新人に手取り足取り教えてくれるなんて優しい人だなぁ。

そうして1日が終わりアリアハンの宿に移動した。

ロルト(勇者)LV2
右手:銅の剣
体:旅人の服

呪文:メラ、ホイミ

       

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