Neetel Inside ニートノベル
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店に入ると紳士的なおじいさんが迎えてくれた。もっと強面のオッサンが出てくると思ったので以外だった。
「今日はいかがなさいますか?」
「えっと……これで」おどおどしつつ、腕も震えていたであろう。スマホの画面を開き、指を指す。
「七十分コースですね」
「はい、それと割引ってききます?」
「Web割りですね?お客様は今回初めてですか?」
「まぁ、この店は」
嗚呼悲しいかな童貞よ、変なところでプライドが高い。受付のおじいさんも怪訝そうな顔でみている……気がする。
「では、今回は入会費無料でのご案内とさせていただきます」
「ニュウカイヒですねはい、アリガトゴザイマス」
なんか緊張してきた。緊張しすぎて訳がわからなくなってくる。
「では、お名前を聞いてもよろしいですか?」
「え!?名前」
ヤヴァイ、マジ、かなりテンパってきたあれ、田中だったけ?中田だったけ?
「えーっと、唐川……快です」
「はい、では待合室でお待ちください」

待合室は結構広かった。
長机が、三つ。それにあわせてソファー。テレビも六十インチはあるのか?結構デカイ。本棚のラインナップは北斗の拳に、新宿スワン、最強伝説黒沢、咲が全巻揃っていて、スパイスにはるるぶ浅草特集にゴルフ雑誌。暇はスマホがなくてもつぶせそうだ。回りには三十代から四十代のおっちゃんが三~四人。そのあとにまた二人入ってきた。二十代は俺一人。かなり浮いている。
ボーイさん(といってもオッサン)が烏龍茶と飴を持ってきてくれるサービス。それをもらうと、すぐに紹介できる女の子の写真を四枚持ってきてくれた。
(うわ!みんな可愛いな)
その中から一人、唯一黒髪でおっぱいがデカイ明日香ちゃんを指名。
他のみんなもかわいかったけど、ギャル系で髪を染めてる女の子はちょっと怖かったというのが童貞の本音である。
次に希望のプレイ内容を記入、受け中心か、攻め中心?童貞なので受け中心を希望。恋人プレイか、仕事プレイか?ここは仕事プレイで。初めてで恋人プレイは荷が重すぎる。マットプレイか、ベットプレイか、それとも両方か。正直マットプレイがどういうものかわからなかったのでベットプレイを希望。以上でアンケート終わり。ボーイさんはまた受付に引っ込んだ。

一人、二人と名前を呼ばれ消えていく。しばらく暇を潰していると、「唐川さん準備ができました」 と声が掛かる。いよいよか……
男鬼頭快、漢になってくる。俺は、ソファーをたち、声のする方向に歩いていった。

       

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