Neetel Inside ベータマガジン
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―――どうもはじめまして、私は新都社に勤めます、○○というものです。

ブリジット(以下鰤):どうも、はじめまして。私はこの「天蓋たる山岳の領土」の領主である当代騎士ブリジットだ。よろしく(互いに握手)。

―――今回はβマガジンにこの作品の設定資料を掲載するという事で、テストも兼ねて、世界観についていくつかの取材をさせて頂く訳ですが……、

鰤:うむ……我々騎士と国民の間には些か距離があると常々思っていた故、こういった機会はこちらとしても喜ばしい。随意に訊ね給え。

―――えーと、ではまず時代について教えて下さい。

鰤:時代、時代……。年代だのと言った数字ではなく文明等の事例から言うと、まず国民は農業を営んで自給自足に近い暮らしをしているか、土地を捨て商いや街での労働をしている。生活水準で言えばあまり近代的とは言えないだろうが、一方で汽車(蒸気で動く車)、機関車(蒸気で動く電車)、汽球船(蒸気で動く気球船)といった移動手段は存在するし、。つまり蒸気機関と言う一点に関しては頭一つ抜けた文明の進化が起こっている訳だ。そのかわり電信技術は乏しく、電磁波を利用した遠隔無線電信もある事にはあるが、実用段階に達していない為、通信手段は手紙、伝書鳩、腕木通信などがもっぱらだ。

―――では、次は舞台などを。

鰤:舞台はこの大陸全体だ(オーストラリアをひっくり返してちょこちょこ造形を変えたような地図を顎で指す)。一つの大陸を総べて一つの「火の国」が寡頭制貴族政治的体制で以て支配している。そしてその火の国は今現在、さらに9つの領土に分割統治されている。分割統治と言っても領土間で戰が起こっている訳ではなく、領土にそれぞれ一人存在する「騎士」と呼ばれる領主が地方分権という形で治めている形だ。領土に固有の名詞は無く、「○○で○○な領土」という現地語がほぼ固有名詞化している。領土は順不同で、
・天蓋たる山岳の領土(大陸で一番高い山が連なる。日本人がイメージするヒマラヤアルプス)
・鯨と泳ぐ海港の領土(イタリアとかギリシャの白い家が並んでる地中海をイメージ)
・澄み渡り星見ヶ丘の領土(windowsXPのあの壁紙みたいなところ)
・陽光伸びる新緑の砦の都(アンコールワットとかマヤ遺跡をもう少し西洋風にした感じ)
・暮れなずむ丘陵の領土(農業がメインな所 秋になると一面金色に輝く)
・空仰ぐ石と太陽の領土(雨の少ない土地で一番大きい カラリと乾いた大地とステップ気候)
・煌々と輝く宗教家達の領土(煌びやかな教会的建造物が立ち並ぶ。夜まぶしい)
・霧雨降る赤煉瓦の領土(煉瓦を敷き詰めた街 地理条件上良く雨が降る)
・静寂に眠る白雪の領土(シベリア)
と言った具合だ。

―――なるほど。では次にこの作品の主な登場人物になるであろう貴方達「騎士」について。

鰤:我々は有史の頃より代々続く伝統的な血筋を持つ。この国に伝わる伝承、民謡、説話の一つに「竜騎士物語」というものがあってそこに我々の源流があるのだが、内容はまぁ割愛させてもらおう。とにかく、我々騎士は長い歴史の中でその真正性を保ち続けた一族であり、さらに、国民と決定的な違いがある。具体的には、騎士と呼ばれる者たちは皆一様にして「炎の様なもの」を体から発する事が出来る。私達は明確な意識を以て自分の掌、あるいは足でも、目でも良い、そういった所に灯そうと考えるだけで本物の炎に近い「焔」を発する事が可能だ。また、この「焔」は不思議な事に、自身の燃焼を維持するのに燃料を必要としない。必要なのは我々の意識だけだからだ。意識さえあればこの焔は殆ど制限なく作り出せる為、我々はこの力を大いに利用し、国民の生活に寄与したり、度々起こる大陸外から訪れる異人の襲来に対抗する手段としている。特に後者などは、我々が戦争のない平和な世界に生きて尚「騎士」と呼ばれ続けている所以の一つでもあるな。

―――では次に、表紙にもあるロボットについて。

鰤:ロボット、ねぇ……。確かに見てくれこそ仰々しくもあるし、実際いくらか機械的ではあるが、別に自律的な行動をする訳ではない。あれは単なる我々の鎧、甲冑だよ。だからその表現はやや違う気がする。言うなればそう、甲冑だ。甲冑に我々の持つ焔を利用した蒸気機関を設けた結果があれなんだよ。

―――なるほど……。ではその甲冑についてもう少し詳しく教えて頂けませんか

鰤:もう少し詳しく……若干漠然とした質問ではあるな。具体的にどういったものに関して説明すればいいのだろうな?

       

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