Neetel Inside 文芸新都
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リサリサ先生結婚してくれ
under line No.5

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●ジョジョの奇妙な冒険、戦闘潮流といえば波紋戦士、その末裔を自覚したジョセフ・ジョースターが柱の男たちとの数千年来の因縁に蹴りをつける凄絶なロマンアクション大作である。アニメをみた。
●アニメのテレビ放送年は2012年。原作漫画の雑誌掲載はなんと30年近くも以前の話で、1987年という。ちょうど筆者の誕生年である。その後2年弱の期間連載されていたようです。
●つまり、私がベビーベッドでバブバブ言っている間に、ジョジョはニューヨークで悪徳警官に波紋コーラーを喰らわせたということだし、私がようやく言葉を喋りだしたかその頃、おそらくジョジョはベネツィアの油の壁とよろしくヌルヌル励んでいた。お爺ちゃん子だった私が手をひかれて、傍に1本桜の植えられた社の坂道を散歩しているときなんかには、ジョジョは古代の決闘場で究極生物の誕生を目の当たりにしていたわけだ。感慨深いぜ。
●原作つきのアニメなんか例外なしに邪道だ。などと思っていた時期が私にもありました、というわけですが、このアニメは非常にいいアニメですね。ジョジョが喋って飛び跳ねるだけ? そうかもしれない。有名な声優たちがキャストに名を連ねてはいるけれど、そこで聞いた声ははっきりジョセフ・ジョースターだったしシーザー、リサリサ、ワムゥ、カーズのものでしたよ。あまりにも格好良すぎる名台詞、名シーンの数々を余すことなく再現し、再現と言うには言葉が安っぽい、こんなに面白い物語だったか? ジョセフの物語は。
●原作2部を読んだのは、筆者兄の収集癖の余波に当てられた高校生くらいのころだったろうと覚えている。更に以前、初めてジョジョに触れたのは兄の友人が結婚式の引き物紙袋にごっそり持ってきた第4部詰め合わせだった。大抵のページはしわくちゃで、そのうちの何冊もカバーが剥ぎ取られたままだったりした。今でも覚えているが、その中でも初めて手に取ったものは康一君がキラー・クイーンの放ったシアー・ハート・アタックにキッチンで追いかけ回される話から始まる単行本だった。血みどろの、気色の悪いドクロ「コッチヲミロオオオオオ」その眼窩の奥が怪しく光り、火は燃え盛る食器は割れ砕ける、康一君は死に体、初めて読むにしては少々レベルが高すぎたのである。印象は最悪だった。キャタピラに髪の毛をむしられちゃうんだぞ? 当時小学生だった。
●2部の感想は、なんだかセコイ辻褄合わせでピンチを乗り切るんだなあ、といった具合であまり身を入れて読んだ記憶がない。なにごとも飽きっぽい盛りだった。テレビを観ながらオーディオにCDを突っ込んで音楽を流しつつ漫画を読んでいるような馬鹿だった。そんな私も年を取って、今ではそのアニメをみて感動したなぞと抜かしている。身を入れて原作を読んだ記憶はない。読み返しても2、3度とかその程度だと思う。もう10年も前の話。それなのにチマチマした部分だけよく覚えている。リサリサの初登場シーンとか、リサリサのグラサンかけたときのムスッとした唇とか、決闘場のリサリサのへんな衣装とか、決闘場でカーズに蹴り落とされるリサリサの脚は相変わらずセクシーだなとか。
●どのカットのリサリサも一分の隙なく美人で、もうアニメの後半はリサリサばかりに目がいっていたようです。美人やわーリサリサびじん。ジョセフもすごいかっこよかったねえ。神作画と言うやつでしょうか。
●今見ると、ジョジョ2部はすごくジャンプ漫画してるんですね。友情努力勝利といわれている3要素のこと。1部よりもより濃く感じました。厳しい修行を乗り越えたから力を得られるし、ピンチの時は友人が助けに来てくれる。登場人物も数え上げればとても充実してる。こんなにドラマティックな話だったんですね。高校生のころの斜に構えていた自分を殴ってきたいですね。めっちゃ面白いんやぞ2部は。
●“なんだかセコイ辻褄合わせでピンチを乗り切るんだなあ”について。これはいかに筆者が青二才であったかを如実に表している妄言で、実はせこくて構わないのである。なにかしらのロジックがないと物語上の強敵は参ったと言わない。ロジックに裏付けされない物語は非常にわかりにくい。どんでん返しのトリガーはわかりやすくないといけない。こうやったから、こうなりました。ということをくどいくらい分かりやすく解説口調でジョジョの登場人物は教えてくれる。それにあの熱血単純明快なキャラクタである。傍らにいて、一緒に旅をしているように楽しめる。楽しいなあジョジョ。明日にでも最終回をみます。





       

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