Neetel Inside ベータマガジン
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「私の部屋と不思議な穴」
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正直、この文芸ニノベ感想を抜きにしても読んでしまいたかった。
更新合わせてくれて「やりぃ」とほくそ笑むほどw
今、文芸で一番楽しみですね、この作品。

■第三部 第十三話
まさかこう来るとは。
第二部で登場した別世界の「わたし」視点で物語が語られます。
穴を放置して七つまで増やしてしまった別世界の「わたし」。
ビデオテープやメモを「わたし」から送られてくるのは、別世界の「わたし」視点からするとちょっとしたホラーですね。
でも同じ「わたし」だと気づいて安心するという…。
この辺りの心理を自分に置き換えて考察すると面白いと思う。
いや、いくら自分自身が相手だと気づいたとしても、やっぱり別世界な訳じゃない?
現在の環境が違えば考え方も違うだろって、警戒心は解けないんじゃない?
これは心の汚れたゴトケンさんだからそう感じるのだけど、ピュアな「わたし」ちゃん達は戸惑いつつも別世界の互いを信じていた。
ちょっとほっこり。
同時に自分の醜さっていうか、考えは読めるけど信用はしてねぇなぁと気づかされてしまったのだけどw
余談ながら。
私、ピュアな子供の頃はファミコン版のマザー1をプレイしてマジカントにめっちゃ行きたいと思ったくちです。
夢の国だから宿泊費も無料だし街の人はみんな親切!
何と言うか赤ちゃんになって甘え放題っていうか、母親のベッドで眠りこけたくなる雰囲気があった。
でも一方で、マジカントからの脱出方法が分からなくて一ヶ月ぐらいレベル上げばかりしつつ、これどっかでルート間違えてずっとここから抜け出せなくなってるんじゃ…っていう焦りを覚えた。
帽子を被ってバットを持った少年が~のくだりでちょっとニヤリとしましたw

■第十四話
テレビゲームであれば「一度クリアしたゲームを最初からプレイ」に新鮮さはない。
小説も同じで、同じ推理小説を二度読んでも面白くは無い。
でも同じゲームでも小説でも主人公が交代していれば…!?
一粒で二度美味しい!
それに最初読んだ時は「ここが伏線」と気づいていなかったところも気づいた上で読める。
それはそれで別な楽しみがありますよね。
さて。第一部・第二部の「わたし」視点だと、第三部の「別世界のわたし」の冒険はごく一部しか関わっていませんでした。
読者だけは「つよくてニューゲーム」状態で、同じに見えて違うルートを辿りそうな物語(どこがポイントかは読者だけ解明済み)を楽しめます。

■第十五話
第二部第十話で語られていた「ドリルの世界」の穴。
そこで第一部・第二部の「わたし」と邂逅する第三部の「わたし」
ううむ、あらすじを書くのが難しいw
まぁ、第十話で既に見た内容を別視点で語られているだけなんですけど。
第十話と読み比べてみると面白く、間違い探しのようだったw
明確な違いは、第三部の「わたし」は、ドリルの世界クリア時に「小さなドリル」を手に入れている。
第一部・第二部の「わたし」はドリルの世界はクリアしてるのに手に入れていない。
これがこの先どういう伏線になってくるのか…?

■第十六話
別世界の「わたし」は友達はそれなりにいるけど、無職だし恋人もいないしやはりそんなにリア充でもない。
大きく第一部・第二部の「わたし」と変わらないんですよね。
幼馴染のお姉さんが妊娠したという知らせにちょっとモヤモヤしている。
現実世界も何とかしなければ…と、第一部・第二部の「わたし」と同じように感じている。
もしかしたら現実世界の悩みのことで、第一部・第二部の「わたし」と再度交流があるかもしれないなぁ。
さて、そんな別世界の「わたし」の部屋の穴攻略。
「ドリル」の世界をクリア。
「プラちゃん」こと「ドリアード」の世界をクリア。
(植物人間の呼び方が違うのは、やはり価値観が微妙に違う?)
「水槽」の世界をクリア。
七つの穴の内、残るは四つ。
省略されているということは概ね第一部と同じだったんでしょうね。
順番も第一部と同じだし。
ただ、最初にドリルの世界をクリアしているのが違います。
持ってきた小さなドリルもどう伏線になるのか未知数。
そのまま順番通りピンクちゃんの世界へ挑みます。
というところで次回へ続く。
うーん、続きが気になる…。

総括します。
やはり面白い!
第三部は「こうきたか」と純粋に驚いたと同時にワクワクさせられた。
長いストーリーでもだれることなく読めています。
ここが一番大きいところですね。
これだけ長ければ大体の小説は文章に飽きてきます。
それにいわば、涼宮ハルヒにおける「エンドレスエイト」的な展開です。
まぁ、別世界だからループとは違うけど。
ほぼ同じだけど微妙に違う話を見せられている。
ところがまったく飽きさせない。
非常に高いレベルで面白さが持続しています。
これはもう文芸・ニノベ感想企画が終わった後でも読むしかないですね~。
続きも楽しみにしています!

       

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