Neetel Inside ベータマガジン
表紙

見開き   最大化      

「稲妻の嘘」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17543


顎男先生の新作。
ラードノベルとか言っちゃってますが…相変わらずメンタル面が心配です。
まぁ、ファイアーエムブレムに艦これにと、元気にゲームやってるようなので大丈夫かな?
顎エムブレムはやたらと命が軽かったが、顎鎮守府も同様の模様。
捨て艦戦法など編み出している様を見て少々驚きました。
そんな発想をする提督がいたとは…。
顎男先生はゲームでも小説でも「死」に魅力を感じているのかもしれない。
やっぱりメンタルが心配です。

■粗筋
「死んだカイジが幽霊船エスポワール号で賭博して蘇生を目指す話」と言えば一行で説明できますが…。
主人公・慶は死んで幽霊となった賭博師。
ヒロイン・エンプティはメイド服の奴隷人形。
彼らが挑むのは幽霊船の賭博師達。
勝てば再び肉体を得て蘇生できるかもしれないが、負ければ燃え尽きた蝋燭のように消滅する。
幽霊とは炎のようなもの。
自身の存在をラードというチップに換え、生死を賭けて燃え盛る。

■洋風あの世横丁?
成程、ラードとはそういう意味だったのか。
ってこれは…「あの世横丁」の設定だけ変えたものなのでは?
ホラーな雰囲気も似通っています。
幽霊船<アリューシャン・ゼロ>、ヒロインのエンプティ、最初の敵セルディム。
これの描写からしても、洋風あの世横丁といった趣。
ただ、慶はこれまでの顎ラノベ主人公に比べ、傲慢にして不敵。
カッコ良さ中二度指数はかなりの上位に入ります。
いずるよりもギラつき度が高くて生命力が高そう。
ストーリー的にも蘇生を目的としていますし、貪欲な生き様が(もう死んでるけど)賭博師らしくて良い主人公です。
ヒロイン・エンプティは奴隷人形という脂貨<ラード>で動く機械人形。

>「あなたが負けたら、わたしが、綺麗にしてあげますから」

こう言い、そっと慶の手を掴む…という描写に見られるように…。
人形らしく感情が欠落したかのようでいて、実は母性を感じる温かみのある性格。
それに存外、「ほえ~」とか「はわわ」とか言っちゃいそうなあざとさも兼ね備えている。
のんのん顎風味が隠し味かな?
飛縁魔からの顎先生の女性趣味の変遷が見て取れます。
と、これまでの顎ラノベを未読の読者には意味不明の解説ですみませんw

■カッコイイとはこういうことさ
本作は顎男先生が「好きな事を好きなように書いたもの」と認識しました。
ジブリの宮崎駿が「紅の豚」を制作したように。
商業的には余り受けないかもしれません。
でも「紅の豚」のキャッチコピーのごとく…「カッコイイとはこういうことさ」
顎男先生の趣味のエッセンスが詰まっているのではないかと。
蒸気船<アリューシャン・ゼロ>
賭博師<フーファイターズ>
幽霊<バラストグール>
奴隷人形<スレイブドール>
などなど、人名を含めてカタカナ語が並びますが、中二してて良いですね。
商業的に売る気はないのかもしれませんが、商業に歩み寄った部分も見てとれます。
案外、完結した後に投稿しても良いところまでいけるかも?
滅神や天敵よりはこちらの方がむしろ商業向きかもしれません。
顎男先生らしさが全面に出ているので。
好きな事を好きなように書く。
それこそが作家の真骨頂を出せるものと信じています。
顎男先生にしてはコメント数が伸び悩んでいますが、私個人の評価としては高いです。

       

表紙
Tweet

Neetsha