Neetel Inside ベータマガジン
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「その倫理観、カリソメにつき。」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17371


柴竹先生作品。
前にも感想を書いた事のある作品ですが、少し進んでいますね。
かなり更新活発にされているので、読むのに大変な量かと思ったのですが案外すぐに読めました。
マッド・トルネコの後だったのでむしろ軽く感じますw
いや、柴竹先生の文章が綺麗であっさりしていて、読みやすいだけかもしれないですね。

■粗筋
小学五年生の男子、花見は陰湿なイジメを受けていた。
事なかれ主義の教師達は助けてくれない。
いつしか花見は、「こんなに悲惨な目に遭っている俺は、何をしたって良い」と考えるようになる。
ある日、学校の屋上に忍び込んだ花見は、丸子という小学六年生の女子と出会う。
親から虐待を受けており、花見と似ているが少し大人びた年上の少女。
互いに小動物を殺して憂さを晴らす暗い友情。
丸子は卒業まで生きていたくないと考え、自殺する為に花見とセックスする。
小学生で妊娠すれば自殺の理由になるからと。
花見は丸子とのセックスを通じ、彼女を大切に感じるようになり、共に生きたいと願う。
だが丸子は既に父親からも性的虐待を受けており、その闇の大きさは花見に受け止められるものではなかった。
丸子は屋上の鍵を妊娠検査薬の空箱に入れ、去っていく。
六年生になった花見は相変わらずイジメられていた。
クラス中がそれに加担、もしくは傍観している。
以前と違い、花見はクラスメイト全員を殺してやろうと決意する。
ホームレスに給食を与える事で、クラスメイト達への暴行を依頼する。
最初に犠牲となったスポーツ少年の後藤は二度とスポーツが出来ないような体にされる。
花見はその様子を見ながら射精をしていた。

■倫理観の欠如
最初の感想と余り印象は変わりませんでした。
どういう印象かは「2月3日更新文芸作品感想」を参照になさって下さい。
「弱者だから何をしても良い」と考える歪んだ倫理観。
これが個人的には、とっても気持ち悪いのです。
虐げられる弱者。
それが奮起して弱さを克服していくストーリーなら好感を持てますが、そうじゃない。
歪んだ性癖を発症し、復讐にも手を染めていく。
ひたすら陰鬱な方向へと進んでいきます。
まぁ、綺麗な文章で書かれているし、丸子との交流は暗い青春ですが情緒的で良かった。
醜く汚いものを綺麗に書くのが上手いな、と感じます。
花見は小学五~六年生という年齢にしては語彙も豊富だし大人びているように見える。
逆に言うと、表面的には子供らしくなくて可愛げがない。
でも内面的にはやはり子供で、浅薄で安易な残酷さを持っている。
猫や犬を殺すだけならまだしも、躊躇なく人にも手を出し始めている。
普通はそこで躊躇するところだが、普通の倫理観が育っていないので…。
暴行されたクラスメイトを見て射精する。
まんま神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗です。
どうせ少年法に守られているし、更に大胆な事やっちゃいそうですね。
ただそういうものは読んでいて不快に感じる人も多いでしょう。
好きな人は凄く好きでしょうが。
歯キャラメルくんはこういうの好きでしょうね、いっぺんまともに読んでみるといいよw
藤色アワーよりこちらの方が絶対好みだと思う。
さて、余談が過ぎました。
後藤君は、積極的にイジメに加担していた側ではなく、どちらかといえば傍観者の方だったんですよね。
それなのに最初の標的とされてしまう。
これから描写されるのかもしれませんが、イジメ主犯格らは名前すら出てこない。
倫理的な事はさておき、イジメの主犯格らが標的とされた方が読者的にはカタルシスを得られそうだけど…。
そうしないところに良い意味での作者の性格の悪さが滲み出ている。
焦らしてきますねw
この先、花見の目論見通りにクラスメイトを一人残らず殺せるのか。
それとも花見が逆襲を受けるのか。
読んでいて面白くはないと言いましたが、陰鬱なストーリーがどうなっていくのかは純粋に興味深い。
花見を笑ったクラスメイトの少女をホームレスにレイプさせたりとか?
目が離せないところです。
それにしても…今回更新された文芸・ニノベ作品、暗かったり捻くれた主人公が多いなぁ。
ちなみに一部ですが誤字ありました。
せっかく綺麗な文章だし、そんなに多くない文章量です。
是非、推敲お願いいたします。

       

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