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「ソナタ」
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作者は三浦先生。
初見でしたが、52話もありました。
仕事しながら朝10時から20時までかけて半分近くは読みました。
1話1話はそう長くはないので、まぁ何とか…。
以下、あらすじと感想。

1話 主人公・新橋透(双子兄)と光(双子妹)の紹介。気弱な透と活発な光。透になりすまして光が喧嘩しまくっている。学校で透は札付きの不良に見られてしまい、光は優等生を演じている。喧嘩っぱやい光のとばっちりを受け、日々苦しむ透。
2話 殺し屋の父を持つ少女・千歳が登場。透に宣戦布告してくる。
3話 千歳の過去について。一人前の殺し屋になるべく、自分が苦戦しそうな相手を探していた。
4話 千歳と父との会話、正々堂々殺してこいと言われる。透と光の会話、光は何だかんだ言いつつも千歳と対決するつもり。
5話 透と光は入れ替わって千歳と対峙、光が千歳を倒す。復讐に再度現れる千歳だが、透に髪を切られて泣く。
6話 透の知人で美容師の忍(髪の毛に対する執着が尋常ではない)に、千歳の髪を整えてもらう。

主人公紹介と千歳の章まで。
割とさくさく読めました。
ダブル主人公だと思うのですが、主に透視点で物語が語られています。
透からすれば、光は「ストレス発散」の為に喧嘩を繰り返し、その風評被害は透になすりつけている。
更に、透が家庭的にお弁当を作ってくれば、それは光が作ったことになり、学校での優等生ぶりを装う一助となっている。
光は「透のせいでストレスを受けている」と主張し、まったく可愛げの欠片もないクソ妹です。
家では横暴で、学校では猫被り。
かといって光が負けたり屈辱を味わう展開にはならない。
それを透視点で語られるので、透と一緒に読者のストレスもたまっていく。
展開自体は、ゴルゴ少女な千歳が出てからコミカルで、割と面白いだけに惜しいなーと。
まぁ、顎男先生の「沢村~」でも、女性陣がやたら強くて横暴でしたから、それと似たようなものかな?
しかし「沢村~」では男性陣もそれなりによろしくやってたので面白く読めました。
でもこちらは、透を含めた男性陣がちっとも良いところがないので、やはりストレスが溜まる。
女性陣の引き立て役にしかなってないですからね。
この小説、そういう意味では少女漫画的です。

7話 透は悪夢を見る。学校の七不思議・呪いのヴァイオリンの噂話。霊感少女・新竹小雪の登場。
8話 光の様子がいつも以上におかしく、プリンや飴を貪っている。体調不良で学校も休む。一人で登校する透。
9話 光は悪霊に取りつかれ、お菓子を貪りまくってデブになる。悪霊と対峙する小雪。
10話 光は貧乳コンプレックスがあり、デブになって巨乳になってから痩せれば巨乳スレンダーが手に入ると浅はかに考え、悪霊に取り付かれたらしい。悪霊退散する小雪。その後、ダイエットに励む光。呪いのヴァイオリンの正体は小雪。

新竹小雪の章。
地の文でところどころ文法的に「?」と思う箇所が。
誤字もありますしね。
いわゆる「目が滑る」というやつで、文章を読んでいても内容が頭に入ってこない。
つまり読み進めるのがしんどい。
それでもコミカルな展開と台詞回しは軽妙なので、面白く読めます。
何より、十話にしてようやく光に鉄槌が下ったのが良かった。
デブになってダイエットに励まなくてはならなくなり、読者的には溜飲が下がります。
「なんぼのもんじゃーい!」とダンベルを持ち上げるデブ光は豚というよりゴリラだなw
しかし透はなんにもしてないなー。
巻き込まれ型主人公で、没個性的、空気です。
小雪は天然で大変可愛い。おっぱいも大きいし。
新橋かーちゃんも天然で可愛い。

11話 光のダイエット奮闘記。三つ編眼鏡少女が登場。透は針入高校の不良達に拉致される。
12話 針入高校の番長・鉛邦弘と番長右腕・四季菫が登場。三つ編眼鏡少女の正体は菫だった。鉛にタイマンを申し込まれる透だが、光が針入高校に来るまで、下痢だと言って時間稼ぎする。
13話 光と透は服を交換し入れ替わる。鉛と対峙する光。鉛はヤクザの組長の孫だがヤクザになるつもりはなくてインストラクターを目指して体を鍛えてるナイスガイ。菫はそんな鉛を自分の為に組長に仕立てあげようとしている。
14話 千歳が光と鉛の決闘を覗いている。鉛の筋肉は男なら誰でも憧れ平伏する。そんな鉛の筋肉ストリップショー。しかし女だから動じない光は、あっさり鉛を倒してしまう。菫と鉛の小者っぷりに雑草はえるw
15話 針入高校を後にする透と光。途中で千歳と会うが、透が強いのは、光が入れ替わりの時に被る帽子のおかげだ!と、的外れな事を指摘して高笑い。アホの子である。また、光は謎の強そうな老人とも出会う。

やはり地の文でちょっと損してるところ多数あり。
でもまぁ、展開もコミカルだし台詞回しもいいので、この文体に読み慣れてきた。
この章は「今日から俺は!」みたいな展開で非常に面白かった。
鉛の筋肉ストリップショーのくだりは爆笑しました。
番長の鉛はヤクザの孫とは思えないほどナイスガイ。
それより菫が酷い。最初は三つ編眼鏡の大人しそうな少女を装っておいて、実はナイスバディで強欲な女狐。峰不二子タイプ。
なんなんだこの小説における女性陣の酷さは…!
男性陣は巻き込まれ被害に遭ってばかりで実に不憫です。

16話 バスケ部エースの海老杉が登場。男版の光みたいな性格悪いイケメン。誤解から透が絡まれてバスケ勝負を挑まれる。
17話 光・千歳・透の舎弟の煉瓦・千歳の取りまき達(マジヤベー)というチームと、海老杉達バスケ部チーム(県大会優勝レベル)のバスケ対決が始まる。圧倒的にバスケ部が優勢。
18話 バスケ対決はマジヤベーが無双してマジヤベー展開に。海老杉は光の反則技でダメージをちくちく受けた上に、最後はぶっとばされて担架で運ばれていく。
19話 光に成りすましていた透が、場をとりなすために海老杉を「好きです」と言ってしまったばかりに、海老杉が光に惚れてしまう。ちゃんちゃん。

海老杉の章。
バスケ部エースで成績優秀、人生順風満帆なイケメン・海老杉。
人生舐め切っていて、障害が欲しいとほざくような増長ぶり。
裏表の激しい性格のようです。まさに男版の光。
同属嫌悪な光は、また透に成りすまし、千歳も誘ってバスケ対決に臨む。
光って自分が海老杉よりもクソな人間性って自覚してるのか~。
自覚のあるクソと自覚のないクソはどっちがマシなクソかという話でした。
バスケ対決はモブキャラと思っていた千歳の取りまき(マジヤベー)が実はバスケの名選手という意外性があったり、いつものようにコミカルに描写されます。
光は陰湿に審判に見つからないようなラフプレーで海老杉を攻撃。
海老杉と言い合いになって最後はグーパンしてしまう。
ほんとクソだなこの女…。
場を取り繕う為、光に成りすました透が海老杉に告白して、海老杉が勘違いしたまま光に告白。
この展開は読めていたけど、やっぱり光に被害が及ぶと溜飲が下がりますね。

20話 透をストーキングする菫。透はシスコン&ロリコンじゃないかと疑惑を持ち、女子小学生のさくらを騙し、透にけしかける。
21話 飴ジャンキーなさくらは透が飴を盗んだと思い込み、飴を弾丸のように飛ばして透を殺そうとする。
22話 新橋家を破壊しつつ、透・さくら・光・菫が揃ってドタバタ。
23話 破壊された新橋家の修復に針入高の不良が駆り出される。その最中、菫が枕営業してるというあらぬ疑いがかけられる。

松平さくらの章。
う~ん…他の章に比べたら若干いまいちかな。
メインで出てくる小学生女子のさくらというキャラクター。
飴ジャンキーかつ、飴を弾丸というか戦車砲のようにボシュボシュ飛ばして物を破壊しまくるのはちょっと面白かった。
ただ、幾ら小学生でもちょっとありえない知能の低さなのが疑問符。
流石にここまで野生の猿のようじゃないだろ…。
後は菫と透がセックスしてるように誤解しちゃう針入高校の不良達(なんで不良やってんだというぐらい気のいいやつら)も面白かった。
でもそれぐらいかな?
これまでの章に比べるとそれ程、痛快だと思うような内容ではなかった。

24話 これまで度々出ていた「力を求む者求む」というチラシ、そして謎の強そうな老人について。強面だが愉快なおじいちゃん。古代紫に弟子入りする透。
25話 可愛いおじいちゃん古代紫との修行。はしゃいじゃって! イノシシ倒して牡丹鍋食べたりと平和。一方、光は憐灰高校の番長と喧嘩して敗北を重ねていた。

古代紫の章。
古代紫は、喉が潰れて声は出せない代わり筆談をするが、それが女子高生が書いたような丸文字。
丸文字って80~90年代の女子高生は書いてたよね、懐かしい。
丸文字を書きつつ、乙女チックなノリで筆談するって、何か女子高生文化と接点あったのだろうか、この可愛いおじいちゃん。
超人のようなパワーを持ちつつ、匠のような大工仕事もする。
はしゃぎすぎて家を吹き飛ばしちゃう。
また濃いキャラクターだなぁ…でも和んだので良し。
番長の鉛に次いで好感が持てました。
ここ、2話だけだし閑話休題的な話ですね。
誤字が多かったので気をつけてもらいたいところ。

さて。
25話まで読みましたが、余りにつまらなければ途中で挫折しています。
だからここまで読めたということは、面白いということです。
内容も「沢村~」とか好きな人は好きそう。
正直言って、これだけ面白ければもっとコメントついてもいいし、評価されていいでしょう。
ニノベの中でも中堅以上の面白さはあります。
でも流石に疲れたので、26話以降はもしまた企画の更新日にこちらの小説が更新された場合、読みたいと思います。

       

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