Neetel Inside ベータマガジン
表紙

見開き   最大化      

「みなそこにいる」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15430



作者はあまがさ先生の恋愛短編集。
4つありましたが短めなので全部読めました。

■雨傘ぐらいの幸せ
相合傘しながら帰宅する高校生カップル。
感受性豊かな彼女と杓子定規でマイペースな彼氏。
でも彼女は彼氏のそういう何事にも動じない態度も好きで…。
彼氏は気遣いできる男で、自分の肩が濡れるのも構わず彼女を濡れないように配慮。
互いの自宅への分かれ道に来たけど、まだ雨が降ってるからと彼女の自宅まで送り届ける紳士ぶり。
ああ、雨の日は幸せな気分になれるから好きだなぁ~って話。
くっ……リア充め、殴りたい!!!!!
ってのは大人気ないので感想を…。
男と女の感受性の違いを表した話でもあると思います。
例の車のコピペを思い出しました。

女『車のエンジンがかからないの…』
男『あらら?バッテリーかな?ライトは点く?』
女『昨日まではちゃんと動いてたのに。なんでいきなり動かなくなっちゃうんだろう。』
男『トラブルって怖いよね。で、バッテリーかどうか知りたいんだけどライトは点く?』
女『今日は○○まで行かなきゃならないから車使えないと困るのに』
男『それは困ったね。どう?ライトは点く?』
女『前に乗ってた車はこんな事無かったのに。こんなのに買い替えなきゃよかった。』
男『…ライトは点く?点かない?』
女『○時に約束だからまだ時間あるけどこのままじゃ困る。』
男『そうだね。で、ライトはどうかな?点くかな?』
女『え?ごめんよく聞こえなかった』
男『あ、えーと、、ライトは点くかな?』
女『何で?』
男『あ、えーと、エンジン掛からないんだよね?バッテリーがあがってるかも知れないから』
女『何の?』
男『え?』
女『ん?』
男『車のバッテリーがあがってるかどうか知りたいから、ライト点けてみてくれないかな?』
女『別にいいけど。でもバッテリーあがってたらライト点かないよね?』
男『いや、だから。それを知りたいからライト点けてみて欲しいんだけど。』
女『もしかしてちょっと怒ってる?』
男『いや別に怒ってはないけど?』
女『怒ってるじゃん。何で怒ってるの?』
男『だから怒ってないです』
女『何か悪いこと言いました?言ってくれれば謝りますけど?』
男『大丈夫だから。怒ってないから。大丈夫、大丈夫だから』
女『何が大丈夫なの?』
男『バッテリーの話だったよね?』
女『車でしょ?』
男『ああそう車の話だった』

ん~、もっともこれは、「女がウザい」っていうのを主張したい男側の意見を多く含んだ内容ですね。
女は車が故障した事に対して男に共感して欲しい。
男は女に車の修理ができるようサポートしたい。
考え方が違うから一向に話が進まないというw
一方、あまがさ先生のこの短編は、その女のウザさが反転してポジティブに、感受性豊かに表現されています。
女の一人称だから男が内心どう思ってるか分かりませんが、女を良く受け止めて付き合っている。
まぁ、恋愛小説なんだから当たり前ですけどね。
だから恋愛なんて真っ平だ!とはならない。
逆に、恋って素敵だな! こんな恋愛がしたい!となる。
男は見た目はイケメンではないけど真面目で紳士的というように表現されてますし、男でもまぁまぁ暖かく読める恋愛小説でした。


■飴玉くらいの幸せ
学校の屋上で煙草を吸う男の教師。
そこに教え子の女子生徒が現れ、煙草は体に悪いですよと言ってくる。
教師は煙草を吸い、女子生徒は飴玉を舐めつつ、グラウンドのサッカー部のどっちが勝つかを賭ける。
女子生徒は賭けに負けたらおとなしく帰宅する。
でも勝ったら…。
くっ……リア充め、爆発しろ!!!!!
なにが「次はどの味がいいですか?」だよ!!!!!
飴玉ぐらいの価値しかない安いビッチが!!!!!
インコー教師もナチュラルに受け入れてんじゃねーよ!!!!!
はぁ、はぁ、はぁ…。
いや、心も顔も熱くなる恋愛小説ですよ?


■待ち人の既読
今時の高校生カップルの話。
LINEでのやりとり。
彼氏は部活動が終わるのが遅くなりそう。
彼女は「待ってようか?」と返信するが、彼氏は一緒に下校したいという自分の気持ちを優先すべきか、待たせたら悪いと彼女を気遣うべきかで逡巡する。
彼女は既読からなかなか返信がない事でそれを察し、「やっぱ先に帰る」と返信。
彼氏は即座に「ごめんね」と返信。
でもしばらくしてから「ありがとう、でもやっぱり待っていて欲しい。一緒に帰りたい」とメッセージがくる。
彼女は幸せな気分になる。
直接会っては言いにくい言葉も、LINEなら言いやすいと。
くっ……リア充め、滅びろ!!!!!!
あーあーあーあーあー何だよもう、気遣いのできる優等生カップルめ!!!!!
いや真面目な話ね。
私が高校生の頃はぎりぎりポケベルってもんがあったぐらいでね。
スマートフォンどころか携帯電話もろくに普及しちゃいなかったんですよ。
LINEだってごく最近その仕組みがやっと分かったぐらいでして。
「既読」ってのはガラケーにはない機能で、恋愛や仕事などのコミュニケーションツールとしては実に厄介なもんですね。
「既読無視」と思われるからとりあえず何か返信しなくちゃとかあるし。
ガラケーの普通のEメールなら「気づかなかった」とか「電源切れてた」で済ませられるけどね。
mixiが出た時も「最終ログインから何分後」とか「足跡」とかがあったので、mixi疲れなんてありましたね。
携帯やSNSが普及した事により、直接会ってコミュニケーションする能力が衰え、バーチャルなつながりだけでつながったような気になる人が増えました。
でもだからこそ可能となったバーチャルでの微妙な気遣い。
文章だけのやり取りの方が上手く気持ちを伝えられる事ってありますよね。
それを上手く活用した恋愛小説でした。


■挟めない栞
図書委員になった彼女。
静かな図書室が好きなのに、自由気ままな彼氏は騒がしい。
嫌だけど、好きになってしまいつつある。
だから思い通りに挟んで止めておける栞と違い、彼女はどこまでも捲られてしまう。
くっ……リア充ry)
いやもうね、「捲る」って言葉のエロさよ。
いいねいいね! きゅんきゅんしますよ。
余談なんですけど、エロ漫画家の田中ユタカ先生のシリーズで、眼鏡の図書委員の少女が官能小説を見つけてしまい、同じ図書委員の少年一緒にそれを読んでいくうち、小説内の通りにエロエロな展開を実践していくってのがありまして、大好きだったんですよね。何回も抜いたわ。
アダルトビデオでも図書室で声を押し殺した女優をファックするのが一ジャンルとして大成しておりまして。そういうシチュエーションは人気なのです。
何が言いたいかと言えば、図書委員ってエロいよね。
4つの短編の中ではこれが一番良かったです。


       

表紙
Tweet

Neetsha