Neetel Inside ニートノベル
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オピオイドの繭
世界の終わりにコメント返信

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「第一回、世界の終わりにコメント返信」
「本当に私たちがやるの?」
「その方が良いんじゃないかって作者が言ってた」
「サムくなりそうだけど」
「初っ端からテンション低いね。んじゃ早速記念すべき1コメから」

[1:序章「旅に出よう」] 塩の街とか旅に出よう終わりゆく世界の果てまでを思い出す。いいねぇ。バイクとラジオと原付と夏の空だけあれば僕らはアルティメットどこまでもいけるブルーサマータイム <2014/10/01 23:01:21> nxBg5w20P

「見てよ明穂。早速こんな熱いコメント貰っちゃってるよ」
「確かに、武藤みたいな奴と一緒じゃなきゃ最高の青春かもね」
「相変わらず手厳しい」
「塩の街、って何かの名前?」
「有名な小説だね。読んだことはないけど、僕たちと同じように世界の終わりに直面した人々の話なんだろうね、きっと」
「へえ」
「君はもう少し僕とキャッチボールする気になってよ」

[2] うむ。終わり行く世界の果てまでと雰囲気が似てるね <2014/10/02 01:12:53> grnK0pY0P

「終わり行く世界の果てまで、っていうのも小説?」
「確かそうだね。あまり有名じゃないかもしれないけど名作だ。これは僕も読んでるよ。今回の旅の参考にさせてもらった」
「それってつまり作者がパクったってことじゃないの」
「不躾だね明穂は。せめてオマージュとかインスパイアとか言葉を選ぼうよ」
「まあつまりは、その小説に影響されているわけね」
「うん、それは否定できないね」

[3] ゾンビ?ゾンビ出? <2014/10/03 13:00:43> n0h9sOT1P

「愛してるぜベイビー!」
「どうしたの武藤? ついに死ぬの?」
「……いや、何でもないよ。しかしゾンビとはまた非科学的だね」
「私からすれば繭化も十分非科学的だけど」
「そんなことはないよ。繭化はある意味必然と言っても良い現象だ」
「それは一体、どういうこと?」
「長くなるから、またおいおい話すよ」
「クノー」

[4] 「見聞を広めるため旅に出る」って言ってたのに、いつのまに「繭化に抗うために旅をしてる」ってことになったの? <2014/10/06 13:14:43> 6c3Ib3u.P

「ちょっと説明をさせてもらうと、見聞を広めるためっていうのはつまり各地の繭化の状況を調べて知識を増やして、それを踏まえて繭化に対して抗っていこうという意味合いなんだ。ややこしくなって申し訳ない」
「罰として一週間飯抜きね」
「僕が悪いのかよ! そんなムタイな!」

[5] さっきまで喋っていた人間がいきなり白い蛾になって死ぬってエボラより怖いな <2014/10/07 16:44:16> DRE1PY8/P

「エボラって何? 焼肉のタレ?」
「うんそうだよ」
 バキッ
「嘘ですごめんなさい。エボラって言うのはエボラ出血熱のことだね」
「病気?」
「そう、病気。かかるとかなりの確率で死ぬらしいよ。よく知らないけども」
「繭化とはどっちが恐ろしいと言えるの?」
「どうだろうね。痛みを伴わないという点では、繭化かも」
「裏を返せば、繭化は気づかないうちに罹っている可能性もあるのよね」
「うん。痛みを感じないからこそ、それに気付かないリスクはある」
「……私は、そっちの方が怖い」
「奇遇だね、僕もだよ」

「それじゃあ今回はここまでだね。続きはまた次回」
「その時まで生きていられればいいけどね」
「不吉な事言わない!」

       

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