Neetel Inside ニートノベル
表紙

タイムリーパー俺
まとめて読む

見開き   最大化      

今日は何月何日だっけ。
毎日毎日同じことの繰り返し。
俺。僕。私?
それを良しとするか悪しとするかは人によりけり。
時間は何も言わずただ傍観しているようだ。

もうこんな時間か。
引きこもりになって早いもので1年半が過ぎた。
幸いなことに死んだ両親が莫大な金を遺産として残してくれていたので、生活には困っていない。
無駄遣いをしなければ一生ニートだって出来るだろう。
部屋には僅かばかりの家具と本。
目的もなくだらだらと過ごす日々。
食事は弁当。
定期契約で1日1回3食分を届けてもらっている。
外に出るのは月に1回。
行先は銀行。
それ以外の日は家で引きこもりだ。
特に不自由はない生活。
不満はほとんどない。
ピンポーン。
呼鈴の音がする。
どうせ隣の家だろう。
もう弁当は届いているからな。
ピンポーンピンポーンピポピポ。
五月蠅い。
静かな引きこもりライフを邪魔することは誰であっても許さない。
文句を言うためにドアを開ける。
すると一人の女性が視界に入ってきた。
「すみませんが、もう少し静かにしていただけないでしょうか。」
口調は丁寧だが感情を込めずに言葉を発した。
「ごめんなさい。ここのチャイムの仕組みがよく分からなくて連打してしまいました。」
女はまあまあ可愛い。年齢は10代後半くらいだろうか。
「私、この度隣に越してきました、田村直子と申します。これからよろしくお願いします。」
女の髪には桜の花びらが付いていた。

       

表紙
Tweet

Neetsha