Neetel Inside ニートノベル
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「うわぁ、まじか……」
  あちゃーって言っちゃいそうな顔でまじまじと俺のメルトタンの寝顔を観察するひさし。
「まさかあの話が本当だったとはねぇ俺も勿体ないことしたぜ」
「ひさし、呼び出しておいて悪いがとりあえずメルトから離れてくれ。汚れる」
「うわ出た!まーったそんなこと言っ てぇ」
  とりあえずメルトから少しだけ離れさせるために手荒な真似をしようとしたときだった。
「それにしても天下の狩畑(かりばた)様がまさかロリコンだったとはねぇ」
「一応俺たちの方が年下だぞ」
「脱法ロリ……」
「合法だよ!」
「変わんねぇよ!」
    俺たちのコントの声が大きかったのかメルトは「うううーん」なんて可愛らしい寝言?を言いながら寝返りをうつ。
「うへぇ、可愛いなぁ」
「全国の皆さん、見ましたか?この凶悪な顔を!ロリコンは犯罪です」
「顔が怖いのは元々だよ」
「堅気の顔ではない。あと病的に白いな」
「言っておくが俺はアウトドア派だ」
「知ってる」
  まじまじと俺の顔を見つめ出すひさし、
  そして頭の上に生えた竜の耳を指差し
「外に出るにしても、尻尾はなんとかごまかせそうだがフードが必要だな」
「あぁ、そうだな」
  なんて話をしてたらメルトはううーん!と声をあげながら両手をあげ延びをする。そして俺たちを見つめる。あぁ、これあれだ漫画でもそうだったしアニメでもだったよな。汚れを知らない純粋無垢を示す宝石のようなつぶらな瞳、ぷにぷにのほっぺた。でもそんなことよりももっと重要な、深刻な問題が発生するのであった。
「ひさし、すまんな。バケツとってくる。あとは頼んだ」
  え!?みたいな顔をする尚をその場に置いてダッシュでバケツを取りに行く俺。部屋を出たその時だった。聞いたこともないような轟音とひさしの断末魔。パチパチ燃える音と焦げの匂い。浴槽に入ってた水をバケツに汲み上げ万が一の時に備えて蛇口も捻っておく。部屋に戻ると真っ赤に燃えてる俺の部屋と黒こげになっているひさしを見てきゃっきゃ笑ってるメルトが居た。
  くそ、可愛いなぁなんて見とれてる暇などない。部屋に水をかけては消火活動に勤しむ。
「消火器……ねえ……のかよ」
  黒こげひさしはそれっきり動かなかった。

       

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