Neetel Inside 文芸新都
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 坂SideA
この街の高校は山の上にある。
生徒が登校するには、坂を歩き、さらに頂上から階段を登らなければならない。
坂は、両側から登れるが頂上に着かないと反対側が見えないほどに急である。

町の側から登る坂
海の側から登る坂

「彼」は、町の側から。いつも1人で眠そうに。
「私」は、海の側から。友達と一緒に。

どの高校にも恋に関する伝説はあるようで、
「朝、坂の頂上で想い人と目が合ったら、恋が叶う」
いやいや、目が合う位で恋が叶うわけない。
都合のいいように伝説は生まれてしまう。
あいまいな伝説を信じるほど「私」はロマンチックではない。

「私」にだって好きな人はいる。
けど、伝説を信じてもいないし、気にもしていない。

けど毎朝、「彼」と目が合ってしまう。
合わせているわけではない。
合ってしまうのだ。

毎朝気まずくなってしまう。(かなり)
「彼」は気にしていないようで、嬉しいやら悲しいやら

将来何の役に立つかもしれない授業も終わり、帰宅部の「私」はバイトのために帰宅する。
町の洋菓子店でのバイトは家の近くのため、両親より許可を頂けた。

早く向かっても、時給が上がるわけでもないので、ゆっくりと向かう。

「彼」は図書部員という、先生方の小間使いをこなしている。





坂SideB
この街の高校は山の上にある。
生徒が登校するには、坂を歩き、さらに頂上から階段を登らなければならない。
坂は、両側から登れるが頂上に着かないと反対側が見えないほどに急である。

海の側から登る坂
町の側から登る坂

「自分」は、町の側から。寝不足気味に。
「彼女」は、海の側から。楽しそうに友達と。

どの高校にも恋に関する伝説はあるようで、
「朝、坂の頂上で想い人と目が合ったら、恋が叶う」
いやいや、目が合う位で恋が叶うわけない。
大体、この伝説は可能性が有る両人がいるから成立する。
可能性が皆無の「自分」には縁がない。

「自分」には好きな人がいない。
見つからないし、見つけられる事も無いだろう。

毎朝、「彼女」目が合ってしまう。
合わせているわけではない。
合ってしまうのだ。

毎朝申し訳ない気持ちになる。
「彼女」の方は気にしていないようである。

授業も終わり、図書部員の「自分」は先生方の頼みをこなすべく、職員室へ向かう。
自由に本を読める代償とはいえ、厄介な事であることは否めない。

早く帰宅し、寝落ちして読みかけの本を読むために、早足で向かう。

「彼女」の事を考えもせずに。



A
海からの登校なのに、なぜ街に帰る?

海からは友達と登校するために?

伝説を信じていなくても、無意識下で当人は、伝説に準じた行動を行う、


B
気にもしていないなら
登校時間をずらせばいいのでは?
「彼女」の方は気にしていないようである。 の方は?「自分」は?

伝説を信じていなくても、無意識下で「彼女の」事を気にしているため、気にしていない。



A
思考よりも行動を
B
行動よりも思考を















       

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