Neetel Inside 文芸新都
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新都社 漫画評論集
この先輩は大変すぎる。(先輩頑張りましょ)

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さて、今回は「先輩頑張りましょう」肋骨の蓋先生の漫画について、論評しよう。この人も、完成原稿を漫画編集部に持ち込めば、すぐに担当が付きそうな感じの方である。

以前、この漫画を新都社で、ちらっと読んで、ああ、すごい面白い!是非論評したいなと思ってたのだが、その後、全然、更新されなかったために、題名を忘れてしまいそのままになっていた。で、最近、更新が来たので、再度、じっくり、読ませてもらった次第である。

で、「先輩頑張りましょう」についてである。この漫画、一見すると、設定のシュールさを楽しむ漫画のように見えるのだが、実はそうではない。本当はキャラクター先行型の漫画だと思う。多分、先のストーリーとか考えずに、キャラクターを自然に動かしている方なのだと思う。その行きあたりばったり感がこの漫画を非常に面白くしていると思う。そして、この漫画はつっこみ役のこの先輩が非常に魅力的だと思う。

「先輩頑張りましょう」はボケとつっこみという、ギャグ漫画のオーソドックスなセオリーを、忠実に踏襲している。それと、キャラクターの表情が、極めて巧みに、描けるので、これもすごい。そして、女の子の全身像が描ける方のようなので、ギャグ漫画家として、これも大きな強みとなるだろう。

この漫画は、先輩以外のキャラが全員、ボケなので、つっこみ役の先輩があらゆる意味で大変そうだ。

この先輩は一見、ドSに見えるけど実は、ドM。
気が強そうだけど、実は弱い。
ヤンキーぽく見えるけど、実は頭がいい。
奔放そうに見えて、実は真面目。
高い身体能力を持っているうえに、エロの役目まで引き受けそうな勢いのキャラである。

実際、このような超人的なキャラでないと、周囲が全員、ボケであるこの状況をサバイバルできないので、自然とそうなるのだろうが、この先輩が超人と言うことにしてしまうと、ギャグ漫画ではない別の漫画になってしまう可能性があるため、あくまでも平凡な常識人として描かれている。

肋骨の蓋先生が、苦しんで、描いている感が全くないのも、読んでいて実に気分が良い。ギャグ漫画以外の例えばアクション系の作品なども描ける方かもしれないので、商業、アマチュア双方での今後の活躍が楽しみな方の一人である。














       

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