Neetel Inside 文芸新都
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新都社 漫画評論集
春出汁(WEBコミック随一のテクニシャン)

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今回は、春出汁を取り上げよう。QRP先生はもうプロデビューされた方なのでしょうか?最近、全然更新がないので、動向が気になります。
さて、QRP先生についてである。この方の漫画はもう完成している。物凄い画力とその画力を必要とするようなテクニシャン的な構成力を持った漫画家である。

テクニシャン系の漫画家は、技術があがるにつれて面白くなくなる傾向があるのだが、QRP先生は技術の向上と漫画の面白さが比例している。希有な例だと思う。

実は、ぼくはQRP先生がどうやってネームを切っているのかよくわからないのだ。

心理描写と構図と背景(例えば天気)とストーリーとキャラクターの感情描写がいちいちばっちり決まっててる。

コマの中での読者の視線をどこに誘導するかなどの計算も、天才的に上手い人である。

なんとなく描かれてる背景やなんとなく作ったような構図等が全くない。説明的な描写も極力省かれているので、読者はかなり濃い内容の漫画をストレスなくサクサク読めてしまう。

QRP先生は、恐らく、ものすごい量の映像のストックを頭の中に持っていて、それをネームを切る際に高速であてはめているのではないか?

それとぼくがQRP先生の漫画が好きなのは、なんとなく70年代あたりのドラマを彷彿させる雰囲気があるからかもしれない。オタク系の絵とコマ割りになんとなく苦手意識があるぼくなども、QRP先生の絵なら、全然平気である。逆にオタクの人達もQRP先生の絵なら好物ではないか?

オタクからサブカルまでOKという意味でも、かなり広い読者層を獲得できそうである。

あえて、難を言えば、描写が丁寧すぎて、話がなかなか進まない点あたりか。

QRP先生の凄いところは、例えば春出汁について言えば、この後、どんな展開だって可能だという点だ。このまま、ほのぼの系のラブコメに持っていってもいいし、サスペンスだってありだろう。ぼくなどは、このヒロインが途中ででてきたマダムに雇われて、正義の殺し屋になって街の悪を一掃するのだろうと勝手に二次創作していた。で、メガネの巨乳少女のお父さんは実は刑事で・・。
うわ。どんな、内容でも話が展開できる!!

このように、QRP先生は大変なテクニシャンである。自分が漫画を描く際には、かなり学習させてもらっている。

     

今回は、臆面もなく自分の漫画を論評させてもらいたい。厚顔無恥な奴だと罵倒してくれてかまわない。

今回論評したいのは、万引き DJ ERIERIの漫画である。
さくっと終わる感じの短編を目指してる。

まだ、話が殆ど進んでないので、論評も何もないのだが、今回の漫画を描いてて「ああ。」と感じるのが一点だけある。それは読んでいると気持ち悪くなってくる点である。

過激なシーンもグロシーンもない漫画なのであるが、読者は何故かムカムカ、イライラしてくるであろう。40ページくらいで終わらせる予定なのだが、最後まで、このムカムカ、イライラが持続するだろう。

ぼくは、マンガを描いているその瞬間の気分をマンガに描く傾向がある。「そんな気分なんて曖昧なもんが読者に伝わるか!」とかつっこまれそうだが、これが不思議に伝わるのである。

伝わってるのだなと思うのは、コメント欄で激しく罵倒されてるからである。
不快感を持った読者は、気持ちの持っていき場がないので、とりあえずマンガを罵倒しているのだと思う。

誰も知らないと思うが、この漫画はルイス・ブニュエル監督の映画「忘れられた人々」を参考にして描いている。少年非行について、考えさせられるシリアスな漫画に仕上がったらよいなあ。






       

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