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「ねむりひめがさめるまで」   硬質アルマイト 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17948

小まめに更新。着実に進んでいく物語。
【六】くらいまでは読んでいた記憶がある。
驚きだ。少し見ない間に話数が……、増えている。
文芸ではちょっと異色な感じのある本作の雰囲気、
何度か飯テロもくらいましたが気に入っている作品です。
トップ絵つきましたね。良い。
雨の日の臭いがもわっと漂ってきそうです。
物語はいよいよ佳境に突入。
どうなるか楽しみです。感想やっている間に完結をみれるのか!?
ワックワクのドゥッキドゥキです。
  


■各話ごとの感想
【五】真崎葵/レイニーブルー
一~四
妻を亡くした真崎葵。予想しない現象から始まった幼女・みどりとの生活にいつしか真崎葵は特別な気持ちになったのだろうか。そんな彼に謎のモッズコートの青年は忠告めかした台詞を残す。
幼女誘拐幼女誘拐! 危険! ある日突然ご近所の男性が幼女を連れていたらそんなこと考え……、ないないないない。多分お子さんいらしたかしら? くらいでしょうね。
大人の男の不器用さがみどりとのやり取りで見えてきて微笑ましくも妙に現実味がありました。

【六】若苗萌黄/メロウイエロウ
一~三
友人・淡音を失った若苗萌黄は失意にくれる。そこへ声をかけてきた桃村と話しをすることで少し気持ちを和ませる。しかしその桃村という老人にも実は隠された過去があった。
ここで登場する静肉屋さん、美味しそうにコロッケくれる肉屋さん。良い役どころだ。もう、これ、こういう風に事情を知りつつも本筋を見守る安全地帯にいるモブって最高ですよ。現実でも、トラブルや事件の当事者じゃないのに事情をよく知る人間。逃げ場のある人間。ああーニクらしい!! うらやましい!!
桃村さん、なんか臭うと思っていたけどやっぱり来たかとおもった回でした。胡散臭さを裏切らなかった桃村さん。この方の過去話、興味深かったです。
あと、ほんとコロッケで殺されそう。

【七】白く、淡く/真皓と淡音
一~三
失踪直前の咲村真皓。彼女の傍らにいようという思いは、成熟しきらないからこそ持てる青さで、それが彼の愛の形。そして決意。
桃村さん!! やはり!!

【八】ねむりひめがさめるまで

真崎先生、なんだか悪い人?とか、幼女狂いしている病んだ人?かと思ったら意外と芯を持つ一面があった。ごめんなさい。



■今回更新分の総括的感想
一場面ごとの描写が丁寧、くどいわけではない、きれいでした。ねっとりと魅せ読ませるように書かれていたのではないでしょうか。佳境に来るに従い強くそれを感じます。印象深い文も多かったです。全部はここで取り上げきれないけど、作家さんの読み手を魅了させたい押しの強さ感じました。
記憶という手に取れないものをどうやって表現して読み手に伝えて色々感じさせるか。人の心は目に見えないのではかり知れないところがある。ですが本作では生死という現象あくまで形骸的なものでしかないように感じました。それよりも、失う事とは何かを人物の心や感情の動き、他者との関わり通じて見せていくことで、より強く形として印象付けされていた気がします。形の無い精神的な世界を読ませる技を見せてくれたのではないでしょうか。
うーんあんまりうまく書けないなw
これから最後にむけて仕上げられていくのが楽しみです。



■作中印象深かった箇所
・「ここはもう過去なんだ」
雪浪通りのこと。すべてが終わってしまった世界で、どれほどの時を重ねたのか、失われてしまった寂しさを感じました。じわじわとくる。
・何も無くなった人間が最後に縋りつくのは過去。
先へ行けなくなるって怖いですね。しかし弱いので油断すると過去へすがったり、同じ場所へ戻りたくなったりします。けれどそうしたからといって形として目に見えて何か変化があるのだろうか。そう思うこともあります。それなら重い足でも引きずりながら先へ、未来へ歩く方がいいのか。たとえ鞭を打ってでも。ああ生きるって難しい。
・君は僕のことを変人か狂人だと思っているね。まあ否定するつもりは無いけれど、しかし君を襲うなんて下卑た考えを持ってない事だけは信じて欲しい。
これアルマイト先生自身よく口に出す台詞なのでしょうか……。最高です。
・分からないからこそ愛おしくなる。
この気持ち分かる気がします。分かりきっている事柄をそれ以上追及しないのと同じように、知らない事へは貪欲に知ろうと試みる。気持ち良い一文。これに甘えるとストーカーに大変身かなw
・「失敗だと感じても絶対に最後まで描き上げるべきだとおもったの」
例えばここに今年できた作物があるとする。その出来は良くないけど収穫した時点だからこそ見えてくる作物の善し悪しは食べてみないとわからない。同じように作品も、完成させてみないとその善し悪しはわからない。完成した作品を感受してくれた誰かが善しとすればその作品は良いものなのだと私は思いたい。ただこういう考えは実益のあるなしとは別だろうけど。
・後ろに恐らくまだいる一人の女性に向けて口にした。
自分の家族を「女性」と表現。現実や実生活、家族から真皓という人物が離れていくようなはかなさを感じた。良い。


以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。

       

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