「仮面セーラー」   崩砂糖 作
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「平和と混沌の学園」でお馴染みの崩砂糖先生の作品です。
改めで完結おめでとうござました!
あれだけの長編を完結させる勢いに、ひたすら感服するばかりです。
本作も早々と話数を重ねられていてその力量、衰えるところ知らずでしょうか。
うん、凄いなこの作家さん。



■各話ごとの感想
EP01『人呼んで、仮面セーラー』
1~2
中二病の正義のヒーロー女子・緑十字那由多は正義を語るもハチャメチャで生徒指導室の常連だった。
序盤の青垣先生と那由多のやりとりで、ぐっと心掴まれます。笑える笑える。こういう反目してくる生徒は逆に突き抜けていて可愛い?と思います。さすがに毎日はきつそうか。でも、那由多が卒業してしまうと寂しいだろうなと思った。
那由多がお説教された指導室のポスター。芸が細かくて印象深いシーンになっていました。

EP02『消えたスクール水着』
学内で起こる盗難事件。二年女子の水着が盗まれたらしい。そこで奮い立つ那由多は颯爽と問題解決にくりだすが……。
随所に散りばめられるネタに笑う。何このコント小説。作家さんすごいな。ダサさを転じて笑いに変えるとことろ、那由多の扱いがとても上手い。テンポも絶妙で読みやすい。
黒嶋に誘導されていろいろ気が付く那由多のザル推理力。大丈夫なのかこの女子w

EP03『旧友は宿敵で天敵』
昔からの馴染みでも、信じる正義が異なる那由多の旧友・紫山忍。久々に彼女と下校することになった。
いい人物が出てきました。これから那由多のカマセになるの?
忍がこれからどんなスパイスになるか楽しみです。まだ先とか読めない。
今後に期待!
 


■今回更新分までの総括的感想
ニノベでバトル・学園ものに飽きがきている。個人的にはそんなモヤッとした悩みを抱えています。
しかし本作を今回読んだかぎりではそんな「力」のぶつかり合いを見ることはなかったので、一味異なる気持ちで楽しく読めました。これからどうなっていくかは様子見なところはあります。
タグにヒーロー・学園があるので格闘もやむなしかな?と思える気配もあるので見守り。
こういう感覚はもう歳のせいでしょうか……。???
まあ、何と言いますか、言うまでもなく崩砂糖先生の文章に関しては、魅力的の一言に尽きます。
読んでいると、作品に引き込まれる部分が沢山ありました。笑わせてくるところはきっちり漫才に負けないテンポの良さを感じさせてくれますし、気持ちを沈ませる描写も微妙な雰囲気作りが施されている気がしました。
那由多は周囲の負の気配によく気が付くという一面をもちますが、それでも周りへのポジティブな配慮を忘れないなど、彼女の人となりを手に取るように理解できた気がします。金木犀まどかが彼女に惹かれるというのは納得できる。那由多に告ったときは笑いながら「やはりか!?」という気になりました。お笑い要素やダサ要素を加味しつつ女の子らしい繊細さをもつ彼女の人物像をよく書ききられていると思います。さすが。
小難しい駆け引きのような作風ではなく、気持ち良い読後を味わえる一作な気がします。
面白かった!!
痛快娯楽的ヒーロー小説として高く評価できると思います。おすすめ!!



■作中印象深かった箇所
・似通っているということは、共感する確率だけでなく、反発する確率も跳ね上がるということ意味する。
説得力を感じる。考え方によってはいいライバルになれる気もします。
・怒り、妬み、憎しみといった負の感情は、自分自身の心をも苛み、疲弊させるのだ。
こういう感情があるのには若さを感じさせてくれる。人間らしい一面とも思える。ここから直向きに何かを追えるようになればいいのだけど、皆がそうでないから問題は尽きないのでしょうね。
大事なことで、素朴に突きつける一文が作中で映えていると感じた。



以上この作品に関する14日更新分の感想はここまで。