「拝啓クソババア」   豊穣 誠 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18227
 
本作の感想これで2回目になります。
高校生作家は勢いが違いますね。
感想をage更新する前に作品のほう早々に更新なさいました。
その後感想要望の連絡を下さっていたので今回感想更新となっています。
しかしながら29日更新分までとさせていただきますがあしからず。
前回は三話の1まで感想をかいていました。
今回は三話の7まで。
私の感想はこれで最後ですので今後はルール概要に沿って黒兎先生にあわせると良いかと思います。
色んな人の感想を聞くのはやはり創作にはためになると思います。
3話分だけになりますので、まとめてサクッと行きます。



■感想
更新№2では今までの文体をそのまま感じる行間のつまった態。このまま延々続くと読み辛いと思う読み手もいるかもしれないとさすがに思いました。内容は良かったです。
頭の中に思い描く事柄がそのまま口を突いて出てしまったように、言葉を投げかけるように感じられるところがやはり魅力的。イモリのグロテスクな描写も鮮烈に心に残ります。
少し前になりますが、人大甲先生の「そして俺はカレーを望んだ」を再読させてもらったのですが、同先生の作品は突き抜けて流れるように細密な脳内描写が秀逸な作品でした。文章はあちらもかなり軽快さを密度でくりだす書かれ方をしていましたが、笑い要素で強力に心掴まれます。気だるさを全く感じることなく、読む動作に目と脳が集約される印象です。
穣城先生の本作はどちらかと言えば笑い要素は少ないのですが、3話では中学生らしい少年の行動や、大人になりきれない青い悩みやよく分からない行動に現実味を感じられます。それはどこか実在の人物の赤裸々な実体験であるかのようにも思えてくるところが不思議なところ。
個人的には物語だけで見ると、1~2話よりもこの3話が一番好きです。主人公である少年のありのままな雰囲気がそこはかとなく伝わってくるのと、お寺のお婆さんとのやり取りに人情や温かみを感じられて趣があると思わされました。
人情や温もりが直接良いものとして作品の魅力を持ち上げているというだけでない。未熟な中坊と老婆というキャスティングから見える開きすぎる世代間の交流が魅力的です。まさにお婆ちゃんの老婆心とそこから生じた押さえきれない少年の心の揺れに、読んでいて気持ち良さを感じたと言った方がいいかも知れない。読み手の中にはお爺ちゃん子やお婆ちゃん子っていると思います。自分の親世代よりも心のよりどころはそういうかけ離れたお年寄りであることって珍しいことではないと思います。安らぎを感じられる部分でもありました。
過去回想が3話分丸ごとになるので、読み始めた当初多いと感じ、回想がある必要性がよく分からないとさえ思いましたが、読み終わってみるとあら不思議、多さは意外と感じませんでした。むしろいい話だったと感じるくらい。
改行も最後のほうは増えていましたので苦にならなかった。台詞も多くはいっていた。お婆ちゃんの口調が良いですね。味わい深い。
成長を待てない、時間の経過を待てない。若さとはそういう待てなさ具合を象徴しているのでしょうかね。どうにも本作を読んでいるとそればかりを感じさせられることが多々あります。



以上感想終わり!