3月13日更新文芸作品感想その2



今回の感想は長編一作になるのでこの一更新のみ。
文芸作品はこれで全部完了。残るはニノベ作品を二作。
文芸・ニノベで続々新連載がきているので嬉しい昨今。早く10周年企画分終わらないと読むものがたまってしまう。大変だー。
漫画「私とお酒の日々」のほうも更新したいですからねw
後藤先生と私の感想、両方異なる目線、同じ目線、色々感想あるのも後わずか。
もうすぐ私だけの一人マラソンとなりますが、時に辛口なことも言いますが作家の皆さん気になさらずにいてくださると助かります。いや、ホントそこ重要。個人的な感想ですから、すべての読者意見を総括しているわけではありませんしね。


では感想いきます。







「マッド・トルネコ」   ブッコロ大魔王 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=13695

大長編の二次創作です。しかしその内容にはとてもオリジナル性高く感じられました。本作のもとはドラゴンクエストですが、私、ドラクエといえばⅠぐらいしかまともに覚えていません。ましてトルネコが出てきたあたりからはほとんどゲームにタッチしていませんでした。なのでドラクエ自体知識も薄い。登場するモンスターを辛うじて判別できるくらいの知識です。細かい設定なんかはぜんぜん分かりません。ですがこの作品を読んでいても十二分に楽しめました。過去にも読ませていただいていたのですが、物語を忘れていたので再度初見のつもりで今回読ませてもらいました。「そうそう、これこれ、この黒さよ」と笑うところが多々ありました。
読了するまで三日かかりました。ものすごい読み応え。当然この感想も長いですので無理に全部読もうとせずw 読み飛ばしてくださってかまわないと思います。推敲も自信がありません。興味のある方はどうぞ。ブッコロ先生、今回は本当にありがとうございます! こんな大長編を遠慮なくぶつけてくださったことに深い愛情を感じました。
再読して思ったこと、この作品はとても面白い。シブク先生の「剣と槍」シリーズ、後藤先生の「魔女の詩」と文芸にはファンタジーがありますが、どちらも名作。そしてこの作品もまた名作といえるくらいの読み応えです。そこにあるのは前二作品にはない深い闇です。そう、この作品はダークファンタジーではないでしょうか。 
時間のある方はぜひこの大長編作品を読んでみるのも一興です。


■各話ごとの感想(大長編作品なんでさすがに掻い摘んでいきます)

旅の準備
1~3
勇者がデスピサロを倒し世界は平和になった。
物語の始まりは王宮戦士ライアンの失業から。彼は再雇用先を探し、唯一件仕事を見つける(募集主はトルネコ商会)。それはダンジョンに潜る冒険者として参加すること。
トルネコ商会はトルネコの妻ネネの手腕によって企業拡大させています。そこにトルネコの介入はもはやなく。
商人とは今やかりそめの姿と成り果てたトルネコは、訪ねてきたかつての仲間ライアンに向け愚痴をこぼす。
加齢臭のエスプリ漂うドラゴンクエスト二次創作。これはかなりの秀作。むしろこうあってもいいのではないか。だって冒険者も人間なんだし。そう。きれいなばかりがファンタジーじゃない。ここにダークファンタジー始がまる。
想像はしていたけど散りばめられるデブクオリティ。良い。笑う。


そしてダンジョンへ
1~2
ダンジョンで早速虐殺の限りを尽くすおっさん連中トルネコとライアン。
モンスターへの暴挙が極まっていて胸が痛みます。でもこんなの序の口なんだろう。ここで雑魚モンスターのために胸を痛めていてはこの先どうする。サックといきたいサクッと。
トルネコは殺したモンスターを合成の壺へ放り込み、新しい生物を作り出そうと考えているらしい。
カレーは飲み物。普通に笑う。

3~4
危ないおっさん二人組。モンスターへの無慈悲な暴行は衰えを見せない。そこにはバイオレンスノベル輝きを色濃く感じる。いやはやなんと傑作かな。
さりげないライアンの少年愛嗜好に吹く。
ダンジョンに突如攻め込まれたモンスターたち。彼らの反撃が始まろうとしていた。

5~6
モンスター(リリパット)の指揮官の不安は消えず。フラグがピコーンと音を立てる気配する。ああ、これはもうみんな死ぬんだな……。モンスターの地獄絵図にはちょっとした憐れみを感じますね。
商売上の交渉シーン。内部事情もふまえ丁寧に描写されている。こういう細部の世界作りにも余念のない作家に作品への熱心さがうかがえました。

特殊階層
1~2
スライムごときの情報と高をくくっていたダンジョン下層のリリパットたち。彼らに明るい未来はあるのか。ないな。全くないな。モンスターに明るい未来なんてお笑い草である。
骸骨剣士の雑魚っぷりに笑った。

3~4
トルネコとライアン逸れました。――合流、しろ。
ここでのライアンの戦闘中の描写がとてもよかった。心理描写を地の文で( )内に動作を書いて文章を表現されています。数秒ごとの情景がカサッカサッと動くスライドのように感じられて小気味よい。

5~6
驚異の冒険者相手に血の気が多いリリパットの族長。止めておいた方がいいけどな……。死亡フラグしかたたないよそれ。
合流できそうになるおっさん二人。トルネコはまっすぐ友人を助けるのかと思いきや奇策に転じ。成功策士と後にうつるのか。むしろトルネコってどうしてそんなにそんなにフットワーク軽いのか不思議。どっかでインシュリン注射とか打ってたし、おいおい大丈夫かよって感じします。笑えるからいいけど。


7~8
厄介な敵(バーサーカー)相手に命からがら逃げのびるトルネコとライアン。危機を脱してなおも治まらないトルネコの商魂。このおっさんなら地獄まで金持っていけそうだと思った。閻魔様を賄賂で手なづけそう。
最後のアイテムがある玉座の間(トルネコはそう呼んでいる)。ゾーマ(ボスでしょうか)のもとへやってきたおっさん連中。ゾーマはダンジョンにいる僕たちへ召集をかける。

9~10
ゾーマを焼き払うトルネコの平常心に笑う。その灰を拾ってポイポイ壺に入れる様これまた事務的で良い。所詮モンスターですもんね、ええ、どうせ。
トルネコの壺からいったいどんな生物が作られるんだろう。作ろうとしているんだこのおっさんは。

黄金の弓
1~2
リリパットの宝、黄金の弓が欲しいトルネコ。捕えたリリパット族長を拷問にかけそのありかを吐かせようとする。さすが紳士的な思考をもつライアンですが、そこはそれ、どうせ穏便にとか無理っすよね。ほらやっぱりって感じでおっぱじまる拷問。
リリパットに肩入れはしないけど、ひでえなこつは。

3~4
たかがモンスターと思うも気を抜くと彼らに同情や慈愛を抱いてしまいそうになるところが悔しいこの作品。
それでまたしばらく読み進めて押し寄せるやっぱりウソウソ感。そんな気持ちの波を感じつつ読ませてくれます。
スライムのスラ吉に助けられ拷問から何とか一命をとりとめたリリパット族長。既に死んでしまったのかと思ってました。よかったね、生きていて。冒険者への復讐を糧に強く? 生きて欲しいと思った。

新たなる敵
1~3
冒険者のおっさん連中に家を焼かれ、家族を失い、目を失ったリリパットの少年リリパと拷問で重症の族長。彼らの今はただ五里霧中か…。
レミラーマって何だっけ? 
私利私欲の為に淡々とモンスターを狩るトルネコとライアン。しかし隙をついてトルネコは大事なロケットランチャーを盗まれてしまう。この人たち、ダンジョンで何やったたんだっけ? 弓の試し打ちだっけ? 
ライアンは当初の懸念、もし万が一ダンジョンでトルネコが死んだときのことを考えます。そうなるとライアン一人はで帰らないといけないですね。そりゃ大変だ。ランチャー取り戻せるといいですね。
正義のそろばん。この話で正義の言葉を聞くととても痒い気持ちになります。これを違和感という。そしてこの違和感を覚えせる凄さ。それがこの物語の魅力でもある。
悪魔神官とアークデーモンはトルネコにそれなりのダメージを与えたけどあまり堪えなかったみたい。結果おっさん連中の大した痛手にはならず。このダンジョンにはバーサーカー(これはモンスターではないけど)を除けばモンスターはそんなに強いのはいないのでしょうか。

そして復讐へ
1~2
リリパットの族長、リリパ、スライムのスラ吉は自分たちが冒険者によって失った仲間の為に復讐を誓います。
普通に読めば、モンスターにあるのは明るい未来なんかではないし、彼らにそんなものは必要ではない。そこは分かる。ただ作中で彼らの存在について触れられるときそこにあるのは人と同じ叙情的な表現。素直に読むべきか、冷めて読むべきかいつも心揺らされます。
モンスターにも心と義があります。しかしそこへ感情をのせてこの先読んでもいいのかな。ある意味笑えることもある。しかし泣けることもある。色んな意味で心かき乱されるモンスターの描写に吸引力を感じる物語ですね。
ダンジョン内の異変、なんだろう。


ついに仲間を虐殺した冒険者への復讐が始まる。スラ吉たちは動き出した。スラ吉の強気な喋りにクスッと笑う。
トルネコは今回インシュリン注射してないみたいですけど、大丈夫なんでしょうか。どっかでやって来たんでしょうね。


モンスターの復讐にバーサーカーが乱入しててんやわんやになり危うくトルネ&コライアン撤退。これがこの部分の〆になっていたよう。若干急いで書かれていたのでしょうか? 少し文章から情報が入り辛い部分がありました。大きな問題ではなかったけど。これまでの丁寧な書かれ方を思うと、駆け足にシーンを書かれているように感じました。ここで物語に一区切りがついているように見受けられるので、登場人物、モンスターの動きなど、台詞とかみ合わせてより情景を分かり易く見せてくれるともっと物語の内容が把握できた気がします。

かつての仲間たち
1~2
ズタボロになったおっさん連中を連れ帰るトルネコの息子ポポロ。早く回復させよう。
クリフト、前置きコントええからはよベホマしよう。ウザったそうに彼はベホマを唱える。むしろあんたがウザいよ。
一方ダンジョン内、バーサーカーを看るスライム。二人の間になにか芽生えたのか?

3~4
村を、そして村人を助けたと見せかけて村長の腕を切り落とす極悪勇者がいました。その鬼畜さはむしろ爽快なほど。やはり勇者もまっすぐは見せない。これぞマッド・トルネコクオリティー。ひでえ。こ
包帯を締めつけと感じるトルネコのデブ表現に笑った。治療にしっかり請求があるってゲームの世界も金次第。昔のよしみもあったもんじゃない。クリフト麻薬常習者かよw ツトム君て誰?

5~6
かつての仲間、踊り子マーニャはギャンブルまみれ。ミネアはどこか冷めている。冒険者のなれの果てに笑う。
母ネネへの反逆を企むポポロ。熱い。ダンジョン再挑戦でかつての仲間揃えてトルネコまた何を?
登場したアリーナ姫がマッチョってw 笑かしてくれます。クリフト潰されちまえって思いますが同時に念仏も唱えてやりたくなる。ドアの修繕費をケチる国の財政難って、また嘘が過ぎるw 

7~8
トルネコが仲間に話せない企みとはなんだ? 
ホフマンの心の傷。その痛みは社畜歯車から抜け出せない現代人の痛みを感じさせる。切ないな。
ステテコ一丁で踊るトルネコ。身体の肉をユッサユッサと揺らすその様を浮かべると笑える。しかしまあ出てくる人物どれもみな悉く……。ホント凄いな。みんなどす黒い。

9~10
免罪符がらみで心を病むクリフトは酒浸りのダメ人間だった。そこへ追い打ちをかけて麻薬も常習してしまう。最悪だこいつ。あと、少し物語の展開遅くなってきてません? 早くダンジョンへ行ってほしい。
アリーナ姫のクリフトへのマッチョ攻め笑う。空気ウマーw 異形w

11~12
なおもクリフトへ迫るアリーナ姫の脅威。ホラーっぽい。ここの文章、面白くは読めたけど少し夢と現実入り混じって分かりにくかったです。
ようやくダンジョンへ出発か。やっぱここまで長いよw
メンバー8人ダンジョンへ飛ぶ。トルネコ、ライアン、アリーナ、ブライ、クリフト、マーニャ、ミネア、ポポロ。うち一人はガキ。このメンツへ素直に頑張れよって言えないのがまたなんだかな~。ははは。

グリード・ラビリンス
1~2
二人一組ずつでばらけてダンジョンに降りた彼らは無事集合できますかね?
聖母マリアのスク水メイド服って水着かメイド服かどっちに重点置いてんだよw
マーニャ、ミネア想像どおり仲悪い。
ダンジョンの奥地はちょっと面白いものがあるらしいけど、温泉みたいに湧いてるってイメージはないな……。

3~4
唐突ですが以下つっこみが炸裂させていきます。
どれぐらい臭いか――長いわ! サクッと一行で!
聖スク水メイドマリア探すクリフトも長いわ! はよ見つけろ! クソッ
物の道理。お前が言うな! お前らごちゃこちゃやりあってないで早く合流しろよ! 17話もあるんだぞ。

5~6
悪に交われば悪になる。この作品で言うところの悪ってなんでしょうね。よく分からなくなってきます。モンスター、こいつらは少なくとも悪とは言い難い。冒険者、こいつらも悪とは言い難い。難しいな、その線引き。

7~8
専門職で生きるとはどういう事でしょう。一つのことに精通するか、異なる分野の知識も知りつつ専門でその知識を活かす。昨今で言えば求められるのはやはり後者なんでしょうね。専門を極めるために好奇心は忘れてはいけないんでしょうね。
主無きバーサーカー。もはや彼は行き場のない地縛霊そのもの。はやく成仏しないもんでしょうか。

9~10
クソキモオタ麻薬中毒クリフトはダンジョンから帰るまでマリア様行ってそうですねw
次々と挨拶回りさながらに冒険者たちの前へ立ちはだかるバーサーカー。壁崩壊は絶対。猛り続けるバーサーカー。その動きを止めたのはなんとクソキモオタ麻薬中毒者。廃人クリフトが見せたバーサーカーへの不思議な挙動が興味深い。何か強敵攻略へのカギになるの?

11~12
アリーナ姫とバーサーカーの激闘。肉弾戦か! やはり
バーサーカー相手に苦戦する。流血絶えないなあ。でも栄光のあとまともに冒険者らしいことしてない人たちなので、これくらい経験してもいいかもしれませんね。どうせ死んでも復活できるし。ダンジョンから出られるのかな……。

13~14
ポポロ(現在気絶中)がモンスター(アインアント)の巣でてなずけたモンスターのももんじゃ。こいつが出口のありかを発見したみたいです。冒険者のうち何人か生き残れるのか? 今回のダンジョン、前回より難易度高いか。人数増えたうえまとまりもない。このメンバーじゃ致し方ないかw 集合地点とか決めておけよ。
バーサーカー相手に飄々と戦うアリーナ姫。この女子どうよ。顔と身体のギャップを想像するとシュールすぎる。それで肉弾戦ってw
ブライの脳みそに諸行無常を感じた。
モンスターたちの怪死するダンジョン内に降り立つ新たなモンスター(ライオネック)は闇の声から様々なダンジョン内での情報を得る。おいおいおい

15~16
てんやわんやの末、トルネコ、廃人、アリーナ姫合流しました。ポポロどこから現れた。 他四人は死亡(死体の描写リアルで笑う)。復活の順番悩む廃人クリフト。サクッと復活できない廃人クリフトの意識。混濁が始まるあたりからの狂い様が見事。
とりあえず冒険者8人は復活。
しかしライオネック率いる魔勇者ネックのパーティーが結成されていた。
強敵一団にどうたちむかうのでしょうかこの人たち。大丈夫か?ホント。

17
今後の方針ですね。頑張ってほしいところです。

グレイト・ヴィレッジ
1~2
トルネコの息子・ポポロは人間(親)から虐待を受けた哀れな少年としてモンスターの村に忍び込む。
モンスターハウスってなんだろうって思ってたら、ここで把握できました。
モンスター社会の抱える矛盾と不平等は人間社会と同じようにあるようです。それに意を唱えるたのがグレイトドラゴンというモンスターでした。
ポポロは争いの無い、差別のないこの村の構築に関する書籍を読み漁る。舞台はそこから始まります。
モンスターたちと仲良くなる少年ポポロ。しかし彼はなかなかの腹黒少年。力無きものが力を得るための選択をよく心得ている。何をやらかしてくれるのやらその目に人知れず光を隠しているようです。

3~4
グレイトドラゴン(シーザー)が作った村・グレイトヴィレッジにやって来て間もないポポロ。モンスターへの関心はやまないよう(概ね野心からでしょうけど)。
その興味は一人のモンスター、ギガンデスへ及びます。ライオネックに案内されポポロは鍛冶屋を営むギガンテス(愛称:ギーガ)のもとへいくのでした。
人間とモンスター、少し不思議な友好。ポポロがそういられるのはモンスター使いのなせる業なんでしょうか。何か腹黒いことを考えているポポロの活躍が少しずつ動き出す予感がします。

5~6
村にいるモンスターは皆、胸中何かしら闇を抱えている。普段それは見えないけれどふとした時に思い起こすことがある。自分でなくても他の誰かがその傷を思いやって支え合って生きている。
そんな彼らの聞き役になるドラキーに温かい親しみを覚えます。
ドラキーはポポロ主催のモンスター達との焼肉パーティでの違和感を覚える。これなんだろう。ポポロの企みが着実に進んでいると思っていいのかな。不安が募る。あの肉何の肉だ?

7~8
ポポロの焼肉パーティーはいつしか盛況を極めシーザーの知るところとなる。しかしシーザーは肉会主催者ポポロにパーティーを黙認しつつも警告を示す。
ポポロは内部の二極分裂を図っているのか? シーザーの僕? ドラキーのマスターベーションくらい見逃してやれよw 女子かおまえら。
こっそり地下で焼き肉って、煙って上へのぼるからやっぱりばれるんじゃないの?
モンスターたちがポポロの画策に全く気づくことおそらくなさそうで笑う。ばらまかれる伏線はもはやモンスターへの挽歌でしかない。シーザーはこの村を守り切れるか? 

9~10
ポポロの慢心は大丈夫? 時々ハラハラします。モンスターが策にはまって内乱になるか、ポポロが足元をすくわれシーザーの不興を買うか、目が離せない。
ドラキーがポポロに感じている訝しい気持ちにも妙な焦りを感じます。徐々に徐々に、まるで呪いがかかっていくように物語が少しずつ前進する。これ、辛気臭いと思う人いるかなあ? どうだろう。
モンスターたちの肉を食うための金策はついに危ない方向へいってしまう。おいおいお前ら……。短いシーンごとに緊張感がぽつぽつうかがえます。

11~12
ついに訪れてしまったドラキーの危機。ここでのポポロのペテン師ぶりがもはやトルネコをもしのぐ勢いでと良い。悪知恵どんなけ!? 彼はきっといいモンスター使いになるでしょう。
訪れる危機にシーザーがどう出るのか、ワクワクします。
おかしな歯車が音を立てて回り始める。
犠牲になってしまったドラキーへ少々憐れみが湧きますが、彼は良い材料であることには違いないので面白くて仕方ない気持ちです。やはり来たか内部分裂! 

13~14
ついに肉会モンスターはシーザーの屋敷をのっとる。ポポロもドラキー探索中に本性を見せ始めました。
ここから急展開ですすむのでしょうか? 
シーザーと肉会メンバーがぶつかるのも近い?
モンスターってやっぱりアホなん? 彼らの知性が問われることはこの先やはりない。確信。
シーザーが懸命に作り上げてきた理想が音を立てて崩れて行く。

15~16
村人にとってシーザーは最高の道化に見えたでしょうね。
生きていくということはモンスターでも人間も戦争なんだ。勝ち取っていかなくてはいけないんだ。そうして得られるものにこそ価値があるのだ。才能だけでも、努力だけでも駄目なんだ。口をあけて待っているだけでは何もふって来ない。ポポロの母ネネは確かに夫を差し置き商会を牛耳りましたが、彼女の心情には消して間違いではない正論も含まれる。ポポロという少年の成長にそれは確実に反映されていた。そう思うとトルネコとネネ、彼らもまた間違った親ではないのだと感じました……と感心しているとそんな話をしている場合じゃないときたwww

17
そこにあるのは同属同士の悲しい結末。しかしこれを悲しむべきなのかは正直疑問。モンスターがたとえ人間と同じ心を持っていたとしても彼らに感情移入をしてしまうことは自分が人間であるということを忘れてしまうような気持ちになるから。つまりそれは人間の尊厳を捨てるようなことに近い。しかし彼らモンスターの世界、そこにも間違いない悲哀があるのもまた事実と感じる。
虫けらをただの虫けらと思って殺せるか。生きるというのは極端な話そういうことなんだろうと感じさせてくれました。美しくも残酷なときの流れの中にある現象なのだと。


■かつてドラゴンクエストの世界で栄光を極めた冒険者たちのその後。小さなモンスター村の落日挽歌。
ここまでの連載で物語は大きく二つに分けられると思います。グレイト・ヴィレッジ前と後。
前半はかつての冒険者、トルネコとライアンのダンジョン編&そこにかつての仲間が加わったダンジョン編。後半はトルネコの息子ポポロのモンスターの村掌握編。(以下のように分けられる)

前半
旅の準備/そしてダンジョンへ/特殊階層/黄金の弓 / 新たなる敵/そして復讐へ(トルネコ、ライアン)
かつての仲間たち /グリード・ラビリンス(トルネコ、ライアン他6人のメンバー)
後半
グレイト・ヴィレッジ(ポポロとモンスター村のモンスターたち)

どちらもとても上手く物語がまとまっており、文章も読みやすく、これでもかというぐらいのダークな笑いネタが盛り込まれています。どちらかといえば前半のダンジョン編ほうがギャグ要素は多いめ。後半のポポロがモンスターの村を持ち前の才と知略で掌握していくところではダークファンタジーの真骨頂とも言える残虐非道ぶりが色濃く展開されていました。完全読破が重いと思う読者さんは分けて呼んでもいいかと思います。後半だけでも完結されていると言える内容なので楽しんで読めます。何度もいいますが読み応えは抜群です。読んだ以上の満足感は下手な商業作品ですら超える重さがあるとおもいます。
漫画も書いておられるベテラン作家さんで物語の構成力にとても魅力を感じました。文章全体をとおしてみると不安定な要素もありますがさほど気になりません。また鋭い観察眼を思わせる登場人物やモンスターの人物描写も高く評価できると思います。小奇麗なファンタジーに物足りなくなったらぜひお勧めしますこの作品。
ところどころ誤字も散見されましたが、これだけの長編ですから些細なことでしょう。
後半ここまで連載いったん幕引きもできそうですが、その後も執筆されていくなら応援ともども期待をしたいところ。
個人的には大満足の秀作認定です。


■作中特に印象深かった箇所
この作品に関してこれを全部あげだすと膨大な量になります。更新テキスト余裕で10000文字超えますのでその中でも絞って、サラッと触れられる部分を挙げさせてもらいます。

・「昔っからいうじゃねか、『カレーは飲み物』だってな」
このセリフがこんなに似合うキャラはwww
・インシュリン注射
定番www
・躊躇などミジンコの鼻毛ほどもなかった。
もうこれ、無いで良いだろうと思うところをあえて微レ存レベルを持ち出してくるねちっこい仕業に感服。
・他のものは皆(落ちぶれたとはいえ)一度は世界を救った英雄たちだぞ。
もっとましな現役見つけられなかったのかよ。よくもまあ感に笑う。
・エルフの里直送で無農薬。
マクロビとか流行っている今日、私にはそのありがたみが全く良く分かりません。まさにセレブのティータイムに受けそうなキャッチコピー。ファンタジーなら魔法で虫や病気を何とかしろよって笑う。
・人情に頼るな、知恵と戦略に頼れ。
全くだ!
・利害で動かす。理想だけでは人間もモンスターも生きてはいけない、ということだ。
ポポロの年齢がいくつかは分からないのですが、少年というからには十代。鋭すぎて怖いです。
・こんなくだらない物を壊すだけなのに、どうして涙がこんなに溢れてくるのでしょうか。
こんなにお涙頂戴されているだけなのに、どうしてニヤけてくるのでしょうか。描写感服です。

以上、この作品に関する13日更新分の感想はここまで。