Neetel Inside ベータマガジン
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「事実は小説より…小説なり」   のば 作
http://neetsha.jp/inside/main.php?magazine=9

初見の作家さんです。
作品ジャンルはファンタジー。
ファンタジーでは10周年企画でいくつかの作品感想を書かせてもらいました。
感想企画ホストの後藤健二先生もファンタジー作家として有名ですね。
和田駄々先生の「ドラゴンズペニス」は今もっとも勢いのある人気作品です。
大御所はさておき新作とのことで楽しく読ませていただきました。



■各話ごとの感想

アンインストール…→ボーダーライン

神様はポンコツである。神様はボケてしまった。
世界を創造した神様がただのボケ爺さんでいいのでしょうか。文体もこれまた軽い軽い。クスッと笑いました。しかし冒頭神様の紹介で一話目のタイトルに関する気配は微塵も感じられない。神様と話しているこの人物は一体誰なんだとも思いました。


女子生徒の荒上に屋上へ呼び出されるも、すっぽかして帰る蓮川という人物。彼が本作の主人公でしょうか。神様と話していた人物と同じ人なのか? 謎です。
街中でドラゴンを見るかと思うとTSUTAYAがある。スカイツリーがある。世界観がよく掴めない。めちゃくちゃだということは理解できる。TSUTAYAで蓮川が幼馴染の紅林という女子と喋っていると、突如爆発が起こる。唐突過ぎます。
そこへ謎のロングブーツ男登場。男は何やら魔法みたいなものを披露して去っていく。円は回転しても球にはなりませんよ。だいたいこんな感じの毎日って、こんな毎日シュールすぎます。何だこれは。タイトルの気配は相変わらずどこにあるんだか分からないw


世界は何度も滅んでやり直しているのは結局人類が悪い。神様はそんな人類の相手に疲れてボケた。
人間らしい神様というのには好感が持てる。漫画的ですね。面白いと思います。一か所知らない言葉が出てきました。「Sレア」ってなんですか。調べましたけど、あえて知らないと記しておきます。
学校の授業で理科と魔法があるようですが、科学と魔法の理屈での解釈。これ設定上どうするのだろうと思いました。荒を感じます。うまく設定を作って嘘をついてほしいところ。

■神様日記
どちらかというと日誌ではないでしょうか。
神様の惰性を感じました。

■インストール・イン・ストーリー
5年くらい前とありますが、本作の時系列がそもそもわからない。場面ごとにしか情景も伝わってきません。
あまりそういうのは意識されていないようですね。
地の文や会話文からも人物像が分かりにくい。神様の世界と蓮川の世界、どちらに重きを置いているのかも分かりにくいと感じました。



■本作更新分の総括
小説、物語として読むにはあまりにも散漫です。場面がひたすらコロコロ変わる。会話がやや突飛である。よく分からない事態が突然起こる。全体を読んでみてどこに物語の軸があるのか分からない。情景や人物、世界観の描写も不十分でザルです。しかしだからといってつまらないということはないんです。隙があり過ぎる一人称の地の文には笑えるところがいくつかありました。言葉のノリは構えることがありませんので平易に読めます。しかしそれは良くいえば読み易い。悪くいえば物足りなくて陳腐と映ることがあるでしょう。作家さんはあまり掘り下げて情報を伝える気がないのかもしれない、とも考えましたがその辺は疑問。だから重厚な作風のファンタジーを求める方にはおすすめできません。これを作風とされているなら特に問題ないですが、読み手としては個人的に無味乾燥な気がしました。魅力的とは少し言い難いと思います。面白い文体で書かれているだけに惜しいと感じました。



以上この作品に関する18日更新分の感想はここまで。


       

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