「平和と混沌の学園」   崩砂糖 作
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2014年10月29日より連載のこの作品早くも現在第80話まで更新されています。この速筆さただ者に非ず。既に文芸作家の間では有名作の一つになっていますね。しかし速筆だけがこの作品の顔ではないのもまた事実。この作品で読んでいたのは実は第7話まででした。おそらく来るだろうと予想していたので、13日更新が来てその後第40話まで一気にひと晩かけて読みふけりました。
翌日空が白んできたころ私の目は窪んでました…あはは~


■各話ごとの感想

第一話 新しい風
見た目とは裏腹の荒んだ放課後世界を持つ私立・陽光が丘高校。いつもとかわらに公認無法時間がそこにはありました。フィクションだから良いものの、現実だと相当怖いですね。そこへ現れる本作ヒロイン愁井こよみ。舐めた口きくいけ好かない野郎を早速ぶちのめします。サクッと爽快!声高な頂点へ立とうという宣言の姿も勇ましく、ぐっと引き込まれました。

第二話 もう一人のルーキー
暴力支配を校内の一基準とするなら、ルーキーという言葉がとてもしっくりくる。既に幾人もの敵対勢力が待っている予感に心躍ります。渡辺ツバキというもう一人のヒロイン(率いるその仲間)登場。彼女も凄腕の格闘レベルで陽光が丘の頂点を目指すつもりです。いずれ女子同士のライバル対決見られるのかなと期待高まる。

第三話 激震の地下格闘議場
にらみ合うこよみとツバキ。そのとき前にツバキの仲間が深手を負って倒れてきます。ツバキは彼らを手にかけた如月凛慕の自分の扱いに不満が絶えない模様。プライド高く強い女性、好みですよ。いつものバーでいつもの一杯じゃないですが、凛慕の’’いつもの構え’’に笑った。

第四話 始まりの終わり
ここで出てくる如月凛慕の通り名でしょうか、自称でしょうか、凄いですね。必殺技ネーミングも強烈。序盤にもってくるカマセなのにキャラも濃くて、彼の薄キモダサさが光りますね。凛慕をものともしない余裕の戦いっぷりのツバキも涼しい。彼女もここで学校頂点へ立つ宣言。こよみとツバキのダブルルーキーが揃いました。おおお、何か起ころうとしている。大きく激しい渦が今…。

第五話 動き出した生徒会
愁こよみにお友達できました。晴空水夏です。彼女実は本作の重要人物ではないかと思いました。後述の総観としても書きますが、おいしい立ち位置にいますね。あ、こよみツバキに生徒会から勧誘が来ていました。

第六話 宣戦布告
こよみとツバキ生徒会へ参加するのでしょうかね。いやいやありえませんよね、そうこなくっちゃ。勧誘にきた夕凪みのりを酸っぱく追っ払う模様。敵対組織は多ければ多いほど盛り上がるバトルジャンル基本法則。ありがとう! 勝手ですが、女子の名前が平仮名というの、私好きですね。

第七話 群雄割拠
ユリ期待。

第八話 部活荒らし
水夏の不安をよそにこよみは手慣らし程度に部活を荒らしにいくようにみえました。手じかなゴロツキはあきたからちょっと辛い物食いたくなった感じなのでしょうかね。ボクシング部出ました。格闘といえばその構えの野生感に本能がすぐられますね。

第九話 愁いこよみVS 保志圭次
男のボクシング部員、しかも主将に全く動じない本気の色を見せないこよみ。彼女の強さは何なのだ。そして戦う事へのこだわりや、哲学も彼女自身固有のものとしてすでに完成されているかのようにそのセリフからうかがえる。こよみ、ごいよ!(水夏感動てる。いいのかお前、よく考えるんだ!)

第十話 放課後ガールズトーク
私は思う。水夏はこよみの容姿へごく普通に羨んだりできるごく普通の可愛い女の子なんだと。そしてその気持ちをすっと持ち続けて欲しいと。けして血みどろ戦を目にして「うおっしゃー、おらー!」と雄叫びをあげる女子に変化していかないで欲しいと。

第十一話 ガールミーツボーイ
怪しい袋ってなんだろう。学校の教室に広がる飲食空間。このギャップが実現されるのは多くの場合学園祭。ですがこの学校では毎日のようにみられる模様。ああ、行きたいな。おっさん世代には嬉しいでしょう景色。酒も出してもらえるのなら仕事帰りに立ち寄って…とか思うけどその前に身ぐるみはがれそうですね。
もう一人の重要人物滝川アヤキ登場でした。

第十二話 いざ決闘の舞台へ
アヤキはこよみと中学が同じだったらしいです。酒好きでちょっと一癖ありそうに見えますが悪いにおいはしない兄貴って感じです。この学校で顔になにやらありました。さてなんでしょう。教えない。
閑話休題が入りました。
合気道部の主力部員、九条護の登場です。

第十三話 二人の合気使い 前編
合気という道。みなさんご存知でしょうか。私は実際よく知りません。漠然とですが動く物の流れに沿って最大限その力を利用し相手を打つみたいな認識です。あってるのかなこれで? ともあれ、勝負の世界に卑怯もクソもねえやと思う私としても、こよみの戦いっぷりに好感持てました。

第十四話 二人の合気使い 後編
九条の過去話。ふむふむ、ふむふむ。へー。て、恋しちゃったんだー。や、これ恋でしょこれ。ビビビッとってやつでしょきっと。葉月部長の犬め。
合気道部部長、葉山葉月登場でした。

第十五話 祭りの幕開け
陽光が丘高校の生徒会長、儚木緑を軸とする生徒会メンバーの主力が紹介されています。彼らはこよみとツバキを反勢力と認識、これをたたく方向でみたいです。そんなことにお構いなく続くこよみの部活荒らし。そこへ生徒会長権限で行われる頂上トーナメント宣言が放送されました。
ここから本格的に話が動き始めますね。ここまでの読みごたえもよかったですがどんなバトルが始まるのかワクワクしますね。

第十六話 悲喜こもごもの宴
あ、言い忘れてましたけど、未成年飲酒はだめですからね。

第十七話 狂騒の陽光が丘 前編
頂上トーナメントには選抜メンバーが決められています。8個の枠はどうやら有志が自力で獲得しなければいけない枠。ここで、野田昭一と初瀬希衣の競り合いが勃発。リズムとスピード織り交ぜた初瀬の描写シンプルながら丁寧でした。彼女の残したセリフも好戦的でありながらも可愛い。

第十八話 狂騒の陽光が丘 後編
ユリ期待。(二回目)

第十九話 負け犬の晩歌
序盤で登場していたツバキの仲間三人が何やら反省会をしています。かれらこのあとどうなるのでしょう。とおもっていたら変な人物登場しました。瞬く間に教室内は破壊の渦と。痛い!痛いそれ。足をはさみでバッサリとか、想像すると怖いから。しかも相手見えてないから。正体の見えない敵、鳥月玲奈登場でした。
家庭部部長橘蜜柑のトーナメント参加枠、ミステリアスでした。
そういえば、切り裂きサイコパス女子の神田未知子全話で登場してました。

第二十話 揃い踏み
こよみの隣にいながら彼女からもらう刺激、確かにそれは楽しいことでしょうね。水夏はこよみを危うくも見つめる。一緒にいると朱に交わり彼女もいずれ刺激に麻痺していくかもしれないと思わされますが、ここではまだ彼女にその気配はない。弱者ながらにこよみに付き添う水夏の優しさと芯の強さが沁みますね。
頂上トーナメントパーティーって皆さん敵同士で怖い集まりですね~、うわあ。会場は華やぎつつもギスギス感ありますね。コワイコワイ。こんな血の気の多いパーティーはいやだー。(褒めている)

第二十一話 ルール説明と対戦カード
タイトルどおりそのまんまの内容でちた。うん。

第二十二話 頂上トーナメント、開幕
ウォームアップ後ツバキは試合開始です。彼女にしてみればたかがままごと遊びという学校での戦い。果たして本当にそうでしょうか。あくまでも気高い。すき! 対戦相手は生徒会長の色んな意味での懐刀、琴田響一郎。こいつ、羨ましいぞ! 一方こよみとアヤキの中がちょっと微笑ましいシーンも有。嫉妬!なんか今回むらむら、むかむかする回でした。

第二十三話 ミラクルルーキー
ツバキのかっこいい名前の技が決められていってます。しかーし!

第二十四話 天才たる所以
耐久力=タフネス。これ、かっこいいです。栄養ドリンクタフネス新登場!あったらなんか元気になりそうです。響一郎が散っていくフラグが視界にゆっくりと現れるようでした。ざまあ~。ははは。

第二十五話 初戦決着
負傷しながらも気高いプライド崩さないツバキ。彼女実はかなり面白い人なんじゃないかと思えてきました。精神的にも肉体的にも実はマゾ?心躍ってますね完全に。

第二十六話 思考する獣と合気の申し子 前編
一回戦二試合目の始まり。瑠璃島樹理と九条護の対決。それを観戦しながら話す葉月部長の言葉も印象的でした。おかげで結末の想像はつくけど九条と葉月との信頼関係みたいなつながりが良く書かれていたと思いました。あくまで葉月さんにとって九条は良き部下みたいな存在なのですね。

第二十七話 思考する獣と合気の申し子 後編
ああ痛い。格闘戦を読んでいて出てくる「切る」という字面、これを見ると良作からは心身ともに痛みを覚えますね。本作もそうなのですが九条の戦いっぷり、とても引き込まれました。
次の三試合目は忍者同好会(笑う)笛吹奏とメイド部(これまた笑う)木坂ツクシの対決のようです。どっちが勝ってもネタですね、これ。

第二十八話 異色対決・忍者VSメイド 前編
「き、貴様ッ!?」 「しょ、正気か貴様……!」これでメイドの強さお察しかと――。

第二十九話 異色対決・忍者VSメイド 後編
負けながらもなぜか終始上から目線の忍者。笑う。そして以前少し登場していた初瀬希衣彼女はカポエイラ使いらしいです。生徒会副会長の片倉亜実と対決です。因みにカポエイラ? ググった。とりあえず陽気そうな名前ですが楽器ではありませんでした。

第三十話 生徒会副会長・片倉亜実
片倉副会長の圧勝。おそらくほんの数秒もなかっただろう一戦。ですが、初瀬という人物をしっかり書くことで感情移入しやすくなっていました。間接的に敗北を見せていく書き方が上手いなと思いました。
あと、ユリ期待。(しつこい)

第三十一話 開戦・Bブロック 
一回戦Aブロックの勝者はすでに出揃い、次はBブロックへ。水夏と一緒に滝川アヤキのかこについてもやつきましょう。いったいいつになったらこの兄ちゃん過去がわかるんだろう。

第三十二話 愁井こよみの合気空手
Bブロック初戦はこよみと柔道部の矢岳昇介。なんかごっついの出てきた。とりあえず勝とうが負けようがこよみがぶん投げられることは分かった。関係ないですが「鳩尾」ってなぜこんな漢字なんだろう。ググった。

第三十三話 復讐の拳士と放課後のジョーカー 前編
え、滝川アヤキの過去がついに暴露される――!?  …………。
Bブロック二試合目はボクシング部の保志圭次と苅夜巫女人の対戦。この試合見どころが多かった。ボクシングって試合前に減量して体重測定に臨み、その後また本戦へ向けて体つくりをするらしいですが、ここでも圭次はそんな風にしたのでしょうか、なんて思いながら読んだりしてました。

第三十四話 復讐の拳士と放課後のジョーカー 後編
水夏、よく何年か前の年末総合格闘中継を覚えてる。実は彼女マッチョ萌え属性でもあるのか?(ポジティブ)

第三十五話 金色のエンターテイナー 前編
割と気に入ってた圭次でしたが負けてしまいました。憎たらしいですけど苅夜という男の場数にはかなわなかった模様。残念。次のBブック三試合目では謎の女子が参戦します。

第三十六話 金色のエンターエイナー 後編
異色といえばそうなりますがこれまた毛色の異なる両者の両突。少しいわくのある神風ミリルとプロレス同好会の西園寺逢衣。高校にしかも女子でプロレス同好会があるのも面白いですが、前話とあわせて生徒会の鬼畜っぷりが引き立つ良い回でした。

第三十七話 正真正銘の強者
Bブロック最後の対戦は生ける伝説の柊渉と神田未知子。この試合が始める前に出会った御堂ゆずきという人物とこよみは試合を観戦します。

第三十八話 青空水夏という存在
異常者である未知子のあっけない敗北。とはても勝ち負けで戦ってなさそうだから負けた意識とか彼女にはなさそうかな。こんなサイコパスにも目をかけてくれる人っているんですね。世の中そんなに悪くない。
あ、フィクションやったこれ。現実はもっと……。
御堂ゆずきと視界観戦をおえた後、こよみは水夏のもとへ帰ります。こよみの宿り木はやはり水夏なんでしょうね。うんうん。(ユ…あかんてコラ!思いとどまれ!)

第三十九話 波乱のCブロック始動
うわーなんかだんだん内容濃くなってきてる。これ40話以降感想どうしよう。ってまだ一回戦だから序の口なんだろうけど、うははー。

第四十話 奮戦!田嶋恵士郎 前編
プロレス姉ちゃんの友人という事らしいですね。もうその設定だけで笑える。応援される田嶋、もう後には引けない様子。頑張ってほしいですね。


■外部からは平和を築いているかに見える学校。しかしその姿は放課後に一変し力がすべてを支配する。
バトル少年漫画を小説へ。この作品にぴったりかと思われます。第40話で読みましたがここまでで二つのセクショに大きく分けられると思いました。メインキャラクターが出揃い頂上トーナメントに人選される。頂上トーナメント試合開幕。この二つです。物語は愁井こよみと渡辺ツバキという二人のヒロインが軸になっていますが、それを取り巻く人物も魅力的。こよみの連れとなる晴空水夏の視点もいい具合に読者を物語へ誘導してくれる感じでとても読者に親切。彼女の丁寧な心理描写があるからこそバトルばかりで無味乾燥とせずこよみの周囲の変化を追っていくことができます。モブキャラの使い方も作者がきゃっきゃと楽しんで動かしているところがうかがえて、負けフラグもむしろ爽快なくらいです。モブの使いこなし方が理にかなっていてキャラクター作りにとても好感が持てました。たとえモブでも丹念にキャラクターを作られていて使い捨て感がない気がしました。
また特筆すべきなのは作家の文章力。バトルシーンのテンポの良さや人物の動作表現、バトルものならではのかっこいい各話のタイトルにセリフ回し、必殺技のネーミング、おみごと! 一話ごとの文量も最小限といった量に抑えられているように見受けられましたが、その中で余すことのない作家の的確な言葉選びにかなり高い技量を感じました。
携帯電話で書いた小説であるとのことでしたが、弘法筆を選ばずといったところでしょう。力を見せつけられる一作です。今後バトルものを書こうとしている方は一読の価値ありですよ。本当に。


■作中特に印象深かった箇所
・「私は’’この時間’’を制覇します。」
戦うヒロインこよみによる宣言の一部。この時間とはどの時間。読んだ私は知っている。大きな激流へ向かって流れていく初めのワクワクをここで感じましたのでした。
・しかしほたるには’’居残り’’をしなければいけない理由があった。
第40話まで読んだけどまだその理由は出て来てなかった気がする。気のせいか? 何だろう。
・「読み合いは戦いから切って離すことのできないものなのに、あなたはそれから逃げ出すような技に頼ってしまっている」
ゥぐ痛い。痛いところを突かれている。脳筋で戦いは勝てない。自分にも格言めいたことをいわれて辛いです。
・嫌われる覚悟も傷つく覚悟も決めてまで、なぜ彼女は戦う道を選ぶのだろう――と。
こよみと連れ合う水夏という少女の気持ちの一節。水夏の中で大きくなっていくこよみの存在感、同時に浮かんでくるこよみへ疑問。彼女の心の微妙な揺れが作中で何度も深みを付けている気がしました。
・「この学校自体が悪夢なんだ。悪夢の中で夢なんか見れねえよ」
自分の学校について言いきるこの言葉。おそらくこの人(誰!いひひ、教えない)いい思いしてないんでしょう。
・女性であるというハンデも、彼女には関係ない。
もう一人の戦うヒロイン、ツバキを表す一文。この下りまで読んだときふと思ったのでが、むしろこの物語、女性ばかり戦っている印象。そして一様に女性キャラが皆強い。うん。これは女子バトルノベルだ。
・負けてしまえば、知ってしまえば、もうやるべきことは一つしかないからだ。
ハッと目が覚めるような文ですねこれ。どの世界でも沢山の負けを経験している人はやはり強いです。少々のことで心折れない。投げ出さない。そんな深さを感じられた一文でした。
・俺は自分自身を自動(オート)で動かせる。
!!? これは!!? 難しい。 しかしどこか新しい!


この作品に関しての感想は今回ここまで。
第41話から第80話(13日更新分)まではた後日読了後感想書きます。