Neetel Inside ベータマガジン
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「Aさん」   雪 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17896

初見の作家さんです。
どなたかの別名義かどうかは定かではありません。
漫画を書いておられた作家さんかも分かりません。
トップ絵、迫力あります。


■各話ごとの感想
・五反田のAさん
俺から見るAさんについて書かれています。Aさんが煙草の火をもらうところからはじまり、何ともないやりとり、そして別れが書かれていました。
俺は10代でしょうか、20代でしょうか、仕事話を持ちかけられるくらいなので、いいかげん働いていてもおかしくない、20代半ばでしょうか……。


誤字(助動詞)
決まり事でもあるような→決まり事でもあるように


表現の妙?
>このAさんもそんな決まり文句を言った後にこう続けてきた。
本作で登場するAさんはまだ一人目。だから、なぜ「このAさんも」になるのか分からない。「~も」は他の例と併せて見たときに「~も」となるのではないだろうか?
物語第一話目でいきなり「このAさんも」と言われると、「?他のAさん知らないけど、読んでないよね???」と読み手はしっくりこない表現だと思われる。個人的にはあまり嬉しくない。
前後するが、
「総じて説教臭い。」が何であるかも明確だと優しい。
例1、Aさんの文句は総じて説教臭い。
例2、Aさんは総じて説教臭い。
前後の文でおそらくAさんの文句(例1)のことであると思われるが、後続の文「このAさんも」とあるので、AさんをほかのAさんと一緒くたに扱ったときの言い回しで「Aさんは総じて説教臭い。」ともとれる。表題Aさんとあるだけに、ここでの表現は曖昧と判断。
もう少し意図を読ませる推敲が必要。

・旅するAさん
Aさんに道をたずねられて案内する。
短い中でも侘しさをほんのり感じさせてくれる一作でした。



■今回更新分までの総括的感想
俺の視点であるが、俺の意思は介在してこない作品。こんな人に会いました。こうしました。終わり。というシンプルでまっすぐな起承転結。読み心地も悪くないので好感は持てます。素朴な雰囲気も魅力でしょうか。
文章面で気になるところを挙げていますが、個人的に読みつまったまで。気にならないで自然に読める方もおられると思います。些末の範囲かと思います。
以下内容に関して。色んな場所で出会う『Aさん』について語られていく作品。ですが、ちょっとやらしい私、本作を変な読み方で読みました。それは「Aさん」を「おじさん」に置きかえて読む。するとぴったりはまってしまいました。
「Aさん」でなく「おじさん」でいいでのでは?
2話目の「旅するAさん」もやはり同じように「おじさん」読める。
「Aさん」でなく「おじさん」でいいのでは?
「Aさん」の言葉使いに二話とも似たような特徴だったので、本作でいうところの「Aさん」とは「おじさん」だとイメージを定着させてしまいます。これはあんまりよくないです。それが狙いであればよいのですが、もしもっと広義でいう幅広い世代や社会的立場の違いのある「Aさん」見せてくるのであれば、「Aさん」の表現に豊かさが欲しいと思いました。「『Aさん』と括られる人々」とありましたので、千差万別もっと異なる「Aさん」が読めれば読み手は面白いのですが……。
ともすれば、一話目も二話目も登場場面が異なるだけで「Aさん」の人物像あんまり変わらない。「なんだ、どっちもそこら辺歩いてるオッサン書いてるだけじゃない」で終りそう。「1人1人に名前があり人生がある」とするならば、その違いが欲しいところです。


以上この作品に関する2日更新分の感想はここまで。


       

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