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「ソナタ」   三浦 作
http://lapluie.kumogakure.com/novel.html

何回目の感想だっけ? 憶えてられなくなってきた。
まあいいやww
今回もニノベの感想日程までに更新されている話数に驚き。
内容も濃かったです。
速筆でないとはいえこれだけの更新、十分です。力量は確かに感じられる。
クオリティを維持しつつ更新速度を保つのは精神力が要りそうです。
文芸の感想から戻るとびっくりするくらい話数増えてる作品もあり驚かされますね。
本作もその一つです。


■各話ごとの感想
第五十七話 テンペスト①
さくらを逃がそうと試みるもうまくかなわずの珊瑚の苦悩は続いている。脱出計画組、コチニールは猫のモモタロウと意気投合、二匹で移動をはかる。
ただの猫っぽいのに人物像ならぬ猫物像が丁寧で笑います。人間味ありまくりw やっぱり元人間なのかな? 実際のところどう? 後半でチラッと書かれていたけど。

第五十八話 テンペスト②
透と光のもとまでやって来たコチニールは、自らの偉業に威風堂々。そんな彼を透と光は頼もしく利用しようとしていた。
コチニールを見ていると、犬として寿命を終えないといけないことに物悲しさを感じます。たとえオッサンでも、やりたいことまだまだあるよね。双子兄妹の目的地に笑ってしまった。

第五十九話 テンペスト③
コチニールの働きにより、何とか無事に難を乗り越えたらしい双子兄妹。しかし次なる難題が降りかかる。光の言う頼もしいコチニールへの台詞は、実現できるのか……。
あともうちょっとなんだろうな、早くこの施設から出でくれ~って思いました。忍が変態の一言で切り捨てられているところもクスッて笑う。

第六十話 テンペスト④
時を同じくして、珊瑚と真赭の温度差のある戦いはなおも続いている。しかしそれにもやがて転機が。
ずっと思っていたのですが、透、役に立ってないw ここにきてようやく開眼の気配。まあそんなもんかな。発現が素朴な生理現象というのも、この世界観でやっぱそっちできたかよな感があってほほえましく思った。
え、発現してるんだよね。多分そうだよねこの現象。

第六十一話 テンペスト⑤
思いもよらぬ打撃をくらいながらも、霙は双子に消火器をぶつけてやり込める。気負うしなう双子を傍目に、霙はエリカ復活に力を注ごうとした。しかし――。
霙の失望感、求めるものへの執着が強かっただけにこの人物を哀れむ気持ちはある。けれどその哀れみを持つことも人として問題ある感もある。この人、報われなさそう。何があっても寝ているしかない小雪、図を想像すると笑える。

第六十二話 木朽星
光たちが騒動を追えた後、木朽は研究所内に入り込んでいた。そこで赤丹と出会う。
やーっと木村さん登場か! わははは、長かったここまで。
木朽のここに抱く闇は相当深いですね、というかホント闇深い人物ばかりの活躍?が目立つ病院編、これはこれで面白いです。こういう群像劇も嫌いじゃない。

第六十三話 エピローグ
夜中の忍のもとに入る一本の電話。それは他でもない光からのものだった。忍が新橋家に向かうころ、光はただひとり、病院を目指して歩いていた。
すごい読みごたえでした。 色々気になる部分を残しつつも、一旦ここで幕引き。
ローズのことについて考えてみると、まだ消化不良なところはあります。もっと根本的な根の深い部分を双子に叩いてほしいのでその辺は今後に期待できるのでしょうか。風呂敷が広がっている状態に感じるのでこれからの回収も楽しみにしたいところです。期待!


■今夏更新分の総括的感想
文章の技量については、今更申し分を入れるところではないと思います。読んでいる方には分かると思うのでいいよね。読んでない方は、読め。もしくは過去の感想なんかを参考にしてもよいでしょう。
物語は透と光以外の人物たちへ焦点が当てられていて、相変わらず闇は深かったです。盛り下がっていくばかりかと心配もありましたが、コチニールやモモタロウが良いクッションとなっていたと思う。作家さんのキャラの動かし方も上手だと感心するところもありました。
やや、話が進んでない感はありましたが、駆け足に詰め込みすぎるのも、慎重さがいるかと思うので難しいところでしょうね。
この先、どうなるんだろう。サイエンス要素も含まれつつハードボイルドも入ってきそうな気配。先が気になるところです。透の能力についても気になる。あと、過去に作中出てきた人物たちもそろそろ会いたくなってきた。キャリーバック男や透の師匠、針入の不良連中。まあ、その辺は希望なので会えればラッキー程度でしょうか。
長丁場連載、頑張ってほしい!


■作中印象深かった箇所
・タダでいいって奴には、適当に金を握らせといたほうが安眠できる。
うはー。なんかこれ実生活でも説得力あるセリフ。
・大の字になっても簡単に眠れるなと思った。
素朴。なやさしい心温まる表現だけど、シーンの中や人物像の中で映えているので良い表現と感じた。



以上この作品に関する12日更新分の感想はここまで。


       

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