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★文芸・ニノベ作品感想2★
9月4日更新文芸作品感想

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★9月4日更新文芸作品感想

なんやこの更新の多さは! なんやなんや!
あっ、今月で終わりやからか! あ、あ、そーかそーか(白々しい)
は~今月最初の感想は3作品か~ふっふ~ん。鼻歌歌って昨晩は就寝。
翌朝文芸更新欄を確認して吹きましたw
ニノベ並みの作品更新数。驚きです。
いやはや、嬉しいかぎりです。
ありがたやありがたや。


今回の文芸、更新作は8作品。
4月以降の感想企画でもこんなに更新きたことなかったよ。
喜んでいるんだけど泣き顔、笑い顔、どんな表情作っていいか分からない。
感慨にふけるにはまだちと早い。最後までとっておきます。
いつもどおり読めた順に感想を書いていきます。
以下、感想対象作品です。


「ニッポニア」
「ミシュガルド戦記ミシュガルド・サーガ」
「ねむりひめがさめるまで」
「太陽の眷属」
「拝啓クソババア」
「花のなきがら」
「魔女の詩」
「きっとあなたも独りです。」


*「花のなきがら」は黒兎先生から連絡きてますので感想をスキップする方向。
後程書けそうだったら感想として更新します。

     


「ニッポニア」   新野辺のべる 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=14129

本作の感想は初めてとなります。
上半期文芸ニノベアワードでノミネートしていた新野辺のべる先生の作品。
本作を読み始めたのは3月ごろ。感想企画が始まる前でした。
その時は少し読んで閉じました。
あ、これはいけないと思った作品です。それはもちろん良い意味で。
読み進めては更新が待てない作品になると思った次第です。
その後じっくり読んだのが感想企画はじまってしばらくしてから。
読み耽りましたね~。はまったはまった。
すっかり作品の世界に魅了されました。
しかしまさか感想企画に更新を当てて下さるとは思わず。
喜んでいます。



■数話まとめての感想
まとめて読む
大宇宙を航行する宇宙船は、旅に出てかれこれ2700年の月日が経過していた。ついに発見した目的の惑星で無人探査機を回収するも、異星人の痕跡は見つからず。だがしかし――。
プロローグかと思われる冒頭部分。惑星の質感描写が丁寧でした。惑星の景色をきれいに感じられます。船員(書記)の目線で書かれている物語。自分で自分の文につっこみを入れるさまに、早速クスッと笑わされました。船員たちのばらばら具合も想像すると笑えます。状況考えれば宇宙なんだから皆しっかりまとまろうよと思うところなのに、そうはなら無いみたいw
技師長は興味失せている、考古学者は舞いあがっている、書記の私は独断行動。そりゃ死人でますねえ~。

旭日編
1~2
かつて地球と呼ばれた惑星で発見され、ニッポニアと命名された生命体。宇宙船技師長はニッポニアから人類が滅んだ理由を聞き出そうと試みる。
人類滅亡の瞬間がどう来たのかと思えば、時代は文久(200年前)まで遡った。爽快!宇宙船員たちの?顔が目に浮かぶ。
知らないからこそ深く知りたくなる現象ってある。SFジャンルは私にとってまさにそれ。詳しくない者として、俄然この時代への遡りに興味が湧きました。何がそこに隠されているのか。SFを文久の世でどう見せてくれるのか。主人公・上中下之介を通じて何が見えるのだろうと心躍りました。これはもう読み耽るしかないと思った瞬間です。
ニッポニアの珍妙な雰囲気と船員の常識人的なかみ合わないさまが絶妙で面白い。

3~5
時は勤王派と佐幕派で二分する世。還俗した自称侍の主人公・上中下之介は仕事もなく長屋暮らしをしていた。せっかくできた知人、清川(意識高い系勤王派侍)も暗殺され、死に際に刀を託されてしまう。
いきなり侍になると言って都会で暮らす下之介。仕事もなくて野垂れ死にしないかと思いましたが、都会には拾う神もいるもので、清川との出会いに和みました。短い登場だったけどこの清川って人、暗殺されてしまったとき、惜しい気持ちになりました。良い人はみんな早く逝っちまうのかと。
もとの性格らかどこか風来坊で人間味のある下之介の人物像。人情が溢れていて好感が持てます。江戸っ子ってよく知らないのですが彼を通じて作中から見えてくるのは、江戸っ子の温かさや懐の広さなのでしょうか。そんな気配を感じました。

6~10
刀を託され追われる身となった下之介は、長屋の大家に拾った子供を引き合わせたのち京へやってきた。茶店にいるところ壬生浪士隊の沖田と新垣二郎にあわや捕縛されそうになるも何とか逃げおおせる。
男装の女子・新垣二郎。男の中に女が混ざる。難易度の高さといったらこの時代、今とは比べものにならなかったのではと想像します。そもそも身体の作りが違う。ましてその状況は常に人との対面有り。どんなに気を張っていても、隠していても、所作から勘の鋭い者には見透かされるはず。と言いつつ対面することの少ない新都社内でも見られる事例かと……ねぇww 女性の観測どれくらいできる? 
ちなみに私のツイッターでは昨日まで女性フォロワー1%でした。そして今日は10%でした。フォロワーの数に変化はありません。…………。

11~14
竹川という老人の知恵を借りて二郎の追跡をのがれた下之介。しかし海上で再び彼女と対峙する。しかし取引を成立させ、二人は一旦休戦か、下之介の実家へと向かう。
竹川という不思議な走行を教えてくれる老人。僅かな出番でしたがとてもインパクトは強く面白かった。実際に、昔の飛脚の走りは早かったのでしょうか。その辺は詳しく知りませんが、竹川老人の走りは興味深かった。実在の人物でモデルがいるのだろうか。独特な掛け声も見せ場になっている気がしました。私なんかも、稀に高齢の方がジョギングしているのをみると、奇跡の輝きを感じてしまいます。運動って大事だな。
揉めながらも仲良く。下之介と二郎(本名:鶴)今後の二人の仲を垣間見たような気がしました。たぶんきっと微笑ましい関係になるのではと。

15~17
ひと騒動あった帰郷より江戸にもどった下之介。かつての長屋仲間に温かく迎えられる。そこで待ち受けていたのはなんと下之介の結婚式だった。
福郎さん、いいひとだな。
外からやってくるものへの寛容さや温かさがある長屋の人々。彼らは下之介にとっても家族のようなものに映る。絵になる長屋風景が鮮やかで、そこで皆がどんな顔をしているのか浮かびます。鶴も女の子らしい一面もあってかわいいというか、意地らしいと感じました。女性はノーメイクが断然よろしい。大事なイベントでの化粧は誰がやってもいいもので、だからこそせっかくの化粧も見栄えるのだと感じるのです。
昔のお化粧って見てみたい。

18~19
江戸を発った下之介と鶴。いよいよ投降の道を選んだ下之介にはどんな考えがあるのか。
鶴のしぐさから勘づかれるのではと気になりました。下之介が口を割らないとなると矛先をかえるなら彼女を怪しむのはごく自然に起こり得るのではと。
鶴が痛い思いをするのはみたくない。この先が気になって仕方がありません。ばれるかばれないか、際どい所を書ききってくれそうな作家さんに期待します!



■今回更新までの総括的感想
SF作品でありながら幕末時代小説の世界を存分に味わえる作りに魅力を感じます。ニッポニアが歴史を遡って話す幕末期、そこへ混ざる宇宙船員たちとの疑念に笑えました。旭日編序盤以降、幕末小説になりますが、表現豊かな情景描写や造詣が深い豆知識になりそうな地の文の書き込みに、惹かれるところが多くありました。作家さんは本作の世界観作りのためにかなり多くの知識や情報をお持ちなのではないかと想像させられるところです。時代劇は過去によくTVで見ていたり、剣客小説なども読みましたが、そこに登場する小物の名称や職業の名前まで事細かに憶えていない昨今です。こうしてニッポニアを読ませてもらってみると、改めて驚かされることが沢山ありました。
また登場人物もみな個性的で人間味のある者ばかりだったのではないでしょうか。人物像を裏切らない行動パターンを取ってくれる。長屋の住人、下之介に毒を吐きながらも一蓮托生を拒まない鶴、同心の福郎、清川、佐々木などみんな分かり易くて、心に描きやすい表情を持っているように感じられました。彼らの動きや小さなしぐさから心中を察することもできます。イケメンには程遠い下之介。しかし人情味あふれる振る舞いがあたたかい。頼りないけど起点はきく、それでいてほんわかとしてどこか憎めない。この男の人間性は魅力的でした。
作中、漢字変換にしばしば安定しないところも見受けられますが、気にせず読めました。というよりも、使われている漢字が意図的に変換を変えられているのか、ミスなのかよく分からないというのがありました。ま、読みつまることはなかったので、あまり気にするほどのことではありません。
個人的には新選組とかどうでもよくて、剣客作品が文芸界隈では見られないのでもっと増えて欲しいと思っているところ。ファンタジーはあるけど日本の歴史舞台に目を向けられている作品って少ないですよね。
そういう点からでも本作はとても貴重といえるのではないでしょうか。
おすすめです!



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。

     


「ミシュガルド戦記」   ミシュガルド・サーガ 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18210

こちらもミシュガルド作品。
ミシュガルド強い。ミシュガルド凄い。ミシュガルド大旋風。
今回の更新、本作も感想企画に当ててきて下さりました。
嬉しいことです。
作家さんは別名義でしょうか? 分からないや。
何度も言いますが、ミシュガルドに登録されているキャラ、全部把握できていない。
だって多くてもうなにがなんだか。 それでも作品はサクサク楽しんで読めてしまいました。
本作の登場人物も、詳しい設定などは後日ゆとりのあるときに確認したいところです。



■各話ごとの感想
プロローグ
人間至上主義の甲皇国と各種亜人の集合するアルフヘイム。二つの勢力は対立してはや60年が経過していた。しかしついに甲皇国軍はアルフヘイムの大陸に上陸。情け無用の侵攻が始まっていた。
分かり易い書き出しで物語の背景が理解しやすかったです。甲皇国の悪辣ぶりや、アルフヘルムのメラルダの台詞からそれぞれの勢力が抱える問題点がうっすらと提示されていることを伺えます。

1話 脱走兵
アルフヘルム内で起こる兵士の脱走。とある脱走兵ガザミは脱走仲間とそりが合わない。そんな折に戦闘中、傭兵王のゲオルクと出合い危機を脱した。
たった100ほどの兵を率いる小国の王ゲオルク。彼は人間でありながら亜人に世界に身をおく。その設定だけでも今後楽しみ甲斐のある人物。敵の表情を見ただけで相手が苦難に満ちていると察するセンス、凄いです。さすが一国の王。おっさんというのも魅力的。
これからはイケメンばかりでなく渋いおっさんが活躍する作品が量産されてもおかしくない。平均年齢40歳以上のファンタジー作品待ってる。 みんなおっさんを書こう。

2話 アルフヘルムの闇 
甲皇国との戦い備え、セントヴェリアリアの城へ参じてきたゲオルクの一軍(カザミ含む)であったが、人間でしかも100人たらずの兵は軽くあしらわれるのだった
おっさん率高いな! これでサウナでもあればちがう企画の話になりそうw
エルフってみんな同じ顔なのね。

3話 戦場は踊る、されど進まず
酒場でのエルフの女戦士とのごたごた以来圧力をかけられ仕事の無いゲオルクの一行。傭兵王は手をこまねいていた。
亜人とはやはり動物っぽいから、異なる種とは相容れないのでしょうか。烏合の集団になるのは納得のいくところです。人よりも本能先行型。勝ち目あるのかな? ちょっと不安。

4話 嘆きの黒兎
北方戦線で苦戦する兎人族。白兎人は自分たちの利の為に早々に退却を始めていた。犠牲となる黒兎人の兵士たち。傭兵王は白兎人退却の手助けを引き受けることとなったが……。
ここで笑うところはもうあそこしかないよね。黒兎人のディオゴ。こいつあwww
もうそれしかなかった。ゲオルクの「誰か通訳を頼む」台詞に笑いのセンスと仕事の良さを感じました。ゲスでしょこんなとこしか褒められない私はw でも笑うよ。



■今回更新分までの総括的感想
ハイファンタジーとまではいかない、割と軽くとっつける読み心地でした。ストーリーに際立って珍しさは感じなかったものの、読みやすさや、登場人物の程よい書き込み具合に好感が持てました。あまり多くない話数で更新されていますが、話の進み具合もちょうどよかったです。登場人物も少なくないのに、軸となる人物はちゃんと書きこまれていたし、人物像もみえてきた。モブっぽいものもちゃんとその役を果たしていたのではないでしょうか。なかなかに良い。気楽に読める点からニノベのほうでの連載でも全然いけそうと思った。
ミシュガルドの設定について、細かいことはよく知らないのですが、本作はファンタジー小説の一つとして普通に楽しめます。今回読んだなかでは亜人のほうに目が向けられることが多かったのですが、だからといって甲皇国のほうが適当扱いというわけではない気配もちゃんと感じられました。敵対する二大勢力、それぞれ一岩ではない影が潜んでいる。そういう負の部分を感じられると読み手としては一段と面白いと感じます。
作家さん、小説の執筆経験でもあるのかな?と思ったところです。一話ごとの更新で読み疲れることもなく、サクサク読めてしまいます。実に優しい。ところどころう~んもっと書き込んで欲しいと思う部分もありましたが、好みの範疇かと思います。
作中ではまだ甲皇国側のほうには目が向けられていませんが、長編として今後進んでいく中で大いに期待ができそうです。
政治的闘争なんかも混ざってくると一層濃いファンタジーになりそう。楽しみにしています。



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。


     


「ねむりひめがさめるまで」   硬質アルマイト 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17948

小まめに更新。着実に進んでいく物語。
【六】くらいまでは読んでいた記憶がある。
驚きだ。少し見ない間に話数が……、増えている。
文芸ではちょっと異色な感じのある本作の雰囲気、
何度か飯テロもくらいましたが気に入っている作品です。
トップ絵つきましたね。良い。
雨の日の臭いがもわっと漂ってきそうです。
物語はいよいよ佳境に突入。
どうなるか楽しみです。感想やっている間に完結をみれるのか!?
ワックワクのドゥッキドゥキです。
  


■各話ごとの感想
【五】真崎葵/レイニーブルー
一~四
妻を亡くした真崎葵。予想しない現象から始まった幼女・みどりとの生活にいつしか真崎葵は特別な気持ちになったのだろうか。そんな彼に謎のモッズコートの青年は忠告めかした台詞を残す。
幼女誘拐幼女誘拐! 危険! ある日突然ご近所の男性が幼女を連れていたらそんなこと考え……、ないないないない。多分お子さんいらしたかしら? くらいでしょうね。
大人の男の不器用さがみどりとのやり取りで見えてきて微笑ましくも妙に現実味がありました。

【六】若苗萌黄/メロウイエロウ
一~三
友人・淡音を失った若苗萌黄は失意にくれる。そこへ声をかけてきた桃村と話しをすることで少し気持ちを和ませる。しかしその桃村という老人にも実は隠された過去があった。
ここで登場する静肉屋さん、美味しそうにコロッケくれる肉屋さん。良い役どころだ。もう、これ、こういう風に事情を知りつつも本筋を見守る安全地帯にいるモブって最高ですよ。現実でも、トラブルや事件の当事者じゃないのに事情をよく知る人間。逃げ場のある人間。ああーニクらしい!! うらやましい!!
桃村さん、なんか臭うと思っていたけどやっぱり来たかとおもった回でした。胡散臭さを裏切らなかった桃村さん。この方の過去話、興味深かったです。
あと、ほんとコロッケで殺されそう。

【七】白く、淡く/真皓と淡音
一~三
失踪直前の咲村真皓。彼女の傍らにいようという思いは、成熟しきらないからこそ持てる青さで、それが彼の愛の形。そして決意。
桃村さん!! やはり!!

【八】ねむりひめがさめるまで

真崎先生、なんだか悪い人?とか、幼女狂いしている病んだ人?かと思ったら意外と芯を持つ一面があった。ごめんなさい。



■今回更新分の総括的感想
一場面ごとの描写が丁寧、くどいわけではない、きれいでした。ねっとりと魅せ読ませるように書かれていたのではないでしょうか。佳境に来るに従い強くそれを感じます。印象深い文も多かったです。全部はここで取り上げきれないけど、作家さんの読み手を魅了させたい押しの強さ感じました。
記憶という手に取れないものをどうやって表現して読み手に伝えて色々感じさせるか。人の心は目に見えないのではかり知れないところがある。ですが本作では生死という現象あくまで形骸的なものでしかないように感じました。それよりも、失う事とは何かを人物の心や感情の動き、他者との関わり通じて見せていくことで、より強く形として印象付けされていた気がします。形の無い精神的な世界を読ませる技を見せてくれたのではないでしょうか。
うーんあんまりうまく書けないなw
これから最後にむけて仕上げられていくのが楽しみです。



■作中印象深かった箇所
・「ここはもう過去なんだ」
雪浪通りのこと。すべてが終わってしまった世界で、どれほどの時を重ねたのか、失われてしまった寂しさを感じました。じわじわとくる。
・何も無くなった人間が最後に縋りつくのは過去。
先へ行けなくなるって怖いですね。しかし弱いので油断すると過去へすがったり、同じ場所へ戻りたくなったりします。けれどそうしたからといって形として目に見えて何か変化があるのだろうか。そう思うこともあります。それなら重い足でも引きずりながら先へ、未来へ歩く方がいいのか。たとえ鞭を打ってでも。ああ生きるって難しい。
・君は僕のことを変人か狂人だと思っているね。まあ否定するつもりは無いけれど、しかし君を襲うなんて下卑た考えを持ってない事だけは信じて欲しい。
これアルマイト先生自身よく口に出す台詞なのでしょうか……。最高です。
・分からないからこそ愛おしくなる。
この気持ち分かる気がします。分かりきっている事柄をそれ以上追及しないのと同じように、知らない事へは貪欲に知ろうと試みる。気持ち良い一文。これに甘えるとストーカーに大変身かなw
・「失敗だと感じても絶対に最後まで描き上げるべきだとおもったの」
例えばここに今年できた作物があるとする。その出来は良くないけど収穫した時点だからこそ見えてくる作物の善し悪しは食べてみないとわからない。同じように作品も、完成させてみないとその善し悪しはわからない。完成した作品を感受してくれた誰かが善しとすればその作品は良いものなのだと私は思いたい。ただこういう考えは実益のあるなしとは別だろうけど。
・後ろに恐らくまだいる一人の女性に向けて口にした。
自分の家族を「女性」と表現。現実や実生活、家族から真皓という人物が離れていくようなはかなさを感じた。良い。


以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。

     


「太陽の眷属」   黒兎玖乃 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17704

ほんにこの方の量産ぶりには感心するばかり。
さらに作品の毛色を変えながら毎度読み手を魅了してくれます。
すでにツイッターやラジオでご存じの方も沢山おられると思うところ。
黒兎先生この度、文芸・ニノべ作品感想企画の感想担当3代目についてくれました。
今後自作品の連載や新都社外での活動もあり、ますます多忙になるかと思います。
くれぐれも体を壊さないようにしてほしい。
いや、ホント……ね。



■各話ごとの感想
1 「そこに太陽があるから」
1~6
名家の実家から高校入学を機に矢萩台へ出てきた主人公・小此木千紘。新生活で初の友人・能登大輔は自分とはかけ離れた肉食系に映る。
一見主人公は病んでいるのかと思ってしまう序盤。心配なかれ読み進めるほどにかまされる千紘のドジッ子根暗グズっぷりに笑ってしまいます。
舞台となる土地(矢萩台)の情景描写にも、作家さんの嗜好が含まれているのでしょうか、熱がこもっているように感じられました。味わいがあって惹かれるところがあります。こういう作品にはこんな音楽をバックグラウンドに映像で見てみたいと思わせてくれます。
コメント欄はやくもBL疑惑(認定)に草。

7~14
能登くんに弁当のから揚げをカツアゲさる千紘。ある日、過去の自分を知る男子生徒に発見され理不尽な脅迫をうける。
千紘の凹られるところ、作家さん熟練のグロ描写が光っていたw 痛さが背筋に走ります。男子高校生がスタンガンとか持ち歩くって凶器だろうけど、腐的発想だと男色除けに使うために持ち歩いてるって見方もできるのかな……。(コメント欄参照による考察でした)
千紘とは対照的な性格の能登くん。男気を感じられる場面があり爽快です。嘘をついてる千紘をあっさり見抜いていて、まあ、バレバレなんですけどね、そんな千紘の弱さを責めるのではなく、悪行を正してならず者を裁くさまがかっこいいところでした。
余談ですが、本作とアルマイト先生の「ねむりひめがさめるまで」の読書によってから揚げとコロッケという無体な飯テロをくらっていたのは言うに及ばない事実である。

2 「ひぐらしの旋律」
1~6
何かの部活に所属しなければいけない矢萩台高校。千紘はどの部活にするか決めかねていた。
自分にできないことを出来る人が、それをしないさまを見ているもときのどかしさ。
千紘が能登くんを前に口にする場面。この気持ちに共感できることは日々よくあります。
せっかく特技をもっているのに、その人にとってはもうその特技を続けることは終わってしまっている現象。勿体なく映りますね。そこには色んな理由があるのだろうけど。稀にその理由にふれるのを恐れることもあったりしませんか?

7~11
千紘が幼いころより持ち続けているサムピックのペンダント。彼は音楽をやっていればいつかそれをくれた少女に出会える望みを持つのだった。
「かっ食らう」いい表現だ。かっ捌くと感じは似ている。勢いのある図が浮かんで音が聞こえてきそう。
ようやく女子の登場が始まったwといってもあまりぱっとした雰囲気がないのを見ると、いつまでもBL扱いのつっこみは絶えないもよう。まあいいや。

3 「好きこそ物の上手なれ」
1~5
いつもはのどかな屋上にハイテンション女子降臨に悩める男子二名。部活のほうでも何やら影がさす能登くん。一方千紘は音楽への造詣を徐々に深めていく。
ひぐらし楽団の財前部長はいいことをいいますねえ。
個人的には人の肉声も楽器の一部と考えるので、この方の音楽説明は的を射ているのはと思える部分がある。声が歌詞をなぞり旋律となればそれは音楽。楽器が旋律を奏でるのと何の違いがあるだろうと。
奏でられるという現象にひとは魅入るのだろうと……。その先(歌い手がすきとか歌詞がどうこう)はまた別で。音楽の薀蓄はよく分かりませんけど、まあ、失敗すらも演奏というのは肩がこらなくて癒されます。

6~11
人より突出しすぎる技は孤立を生むのか。能登くんは水泳部という居場所をうしなうこととなる。そのことで自責の念に駆られる千紘だった。
部室に能登くんが現われる。動揺する千紘が面白かった。ガクブルなってる。



■今回更新までの総括的感想
文や言葉が多く書き込んである作品を読むのとはまた異なった感覚で読める一作でした。
主人公のグズっぽい語り口が文体からうかがい知れるように書かれていたところに面白さを感じます。説明しづらいのですが、顎男先生の「壁の中の賭博者」の主人公も独特なグズの語り口でした。あれに負けないくらいのインパクトがあると思います。
主人公・小此木千紘は、能登君との出会いや部活動によって緑豆もやしから大豆もやしくらいに作中で成長を遂げていくように見えるのが読んでいて楽しい。決してすぐに大きく一歩を踏み出さないけれど、心でこうなるんだと決意しながら変わろうとする千紘を応援したくなります。
本作では印象深い部分というのは文章としてあまりなかったのですが、作品の持つ独特な持ち味が非常に魅力的。読む人によってはその辺をBL作品とみて楽しんだりもできるのでしょう。一理ある部分はたしかに否定できないと感じましたw その辺の楽しみ方は人それぞれなので良いでしょう。
ただ、作中にある小此木千紘とその周りの人物の関わりに温かさがあるのは読んでいて安らぎになると感じます。
努力や頑張りは大切なことではある。食らいついて直向きになることも大事なことである。確かにそういう人間は美的に見えるだろう。正しきあり方にも見えるだろう。それはよく理解できるのだけど、そればかりを押し付けてこられるのに周囲は重さを感じることもある。受け入れたり受け入れられたりするとはどんなことだろう。そういうのを考えさせられました。
能登くんもひぐらし楽団にまざり物語は盛り上がってきた。今後にも期待です。
もうすぐ完結っぽい? わりと長くなってきたよねこの作品。
これからも楽しみです。



■作中印象深かった箇所
・箸は綺麗に割れず、片方が少し短い。
さりげないダサさ。悲しくも身も蓋もない小此木千紘の低スペック感を見ている気がする。良い。
・下僕
ワロタ。げぼくだ! 拘束期間三年か。
・「あの子の、……生徒手帳」――以下略――「名前は藤咲希美さん、か」
千紘の小者さが滲む部分。そんなに怖がらなくてもいいのに思春期のもやしってやつあ~難儀だな。
・「叩くだけ……っすか」――以下略――脳内に、在りし日の言葉が響く。
ワロタ。ぽんぽこぽーん! 叩き魔。



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。


     


「拝啓クソババア」   豊穣  誠 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18227

感想を書くのは初めての作品です。
作家さんはなんと高校生。
若いって凄い。可能性に溢れている。眩しい。ぴちぴち。
中年はしんどいです。死にます。
思い起こせば高校生の頃私は……(ガチ遠い目) 
あ、失礼。脱線しそうになりました。
とりあえず文章とかまともに書ける人ではありませんでしたー。
せいぜい友達の書いた小説を読ませてもらうくらいでしたー。
しかしそんなのがあったおかげで読書に興味を持ったというのはある。
そしてかくかくしかじかで現在に至る。
面白いものだ。


■各話ごとの感想
一話
1~9
彼女との痛恨の別れを経験した主人公・啓介(苗字なんだっけ?)のもとへ、懐かしい馴染みでる伊角光太郎が訪ねてきた。
母親からのDVの経験。なにやら重い主人公の生い立ちに痛みを背負って生きています的なアピールを感じます。タイトルがクソババアなので何かその辺と関連があるのだろうかと思った。
友人の光太郎が訪ねてきて一緒に母親が搬送された病院へ向かうことになり、途中のコンビニでよそ様のご家庭の教育方針に水を差す場面。後始末考えない向う見ずなところ、ダサかっこよかったです。
実際によそ様のご家庭に介入できたらいいのでしょうけど色んな所に迷惑かかるよね。
私はそんなのできない派。

二話
1~8
米原に到着した啓介と光太郎は、小さな小料理屋に入る。そこには板前になった昔の友人がいた。
地元へ帰って昔の友達に偶然出会えるっていいものですね~。ありませんわー。羨ましい。
中年になると消息不明、下手すりゃあの世の方もいるのです。読んでいてなんとも言えない気持ちになりました。昔の友達との再会できる人はそんな時間も大切にすると良いでしょう。
そして、看護婦、怖いこと言うてる!


構文の妙
「お袋の俺の望む結末には程遠すぎる」→「俺の望むお袋の結末には程遠すぎる」
日本語としては通じます。多分普通に読んでいて気にはならない範囲かと。
しかし前からの文のつながりを考えると後者をとって欲しい。

第三話

中途半端をひたすら嫌がる啓介です。
韓流ドラマにむかつく啓介に笑います。当事者は死活問題なのだろうけど(ゼリー)、これくらいなら母親との小競り合いもなんだか微笑ましく映ってしました。関西弁の喧嘩がいいですね~。郷愁をそそられる。
DV経験者としては珍しいことではないのですが、過去に受けた暴力に関しては鮮明で、その時に使われた凶器のディテールとか妙にくっきり記憶に残っていますよね。いまでは親子の懐かしいスキンシップだったということにしておけるので私も大人になりましたw



■今回更新分までの総括的感想
たらたらたんたんとした文章。なにか読ませてやろうという強い意志や、凝っているというのは感じない。けれど、自然体で飾らない心地よさがありました。一回に更新される文章量は少なめで、その中で書きたいことをのびのびと書かれているのではないでしょうか。
序盤の彼女との啓介の携帯電話でのメッセージのやりとりには、文字でしか伝わらない儚さを感じられます。
男性と女性と恋愛における重点の置きどころの差異を見ているような気がした。そういうところには臨場感がある。
かたや友人とのさらっとした会話文が地の文に没している箇所。文章作法からどうということは別として、見せたいと思う会話文は改行されている。なかなか粋で好感が持てました。
現時点での自分の年齢や経験から大人を描くとき、どんなことに気を配っているのだろうと普通に気になります。同じ起こった事柄でも、理屈だけで理解できる部分と、実際の経験で理解してきた部分の違いってあると思う。そこの納得をどう消化しながら書いているのだろう。気になる。経験のない事柄については想像の域で、それは取材で得た知識を年配の作家が作品に書くというのと似ているかもしれない。ただ、そこに現実味を入れたり、人の心を動かす要素を入れたいとき、説得力を持たせるにはどんな工夫をしているのだろう。淡白な文章からははまだ少し感じきれなかったときがありました。
作風と言ってしまうと評価は上がる。けれどそればかりではこれから作品を書いていくには課題が多いかと思う。しかし可能性は多分に感じられるところを高く評価したい。
これだけ手堅く上手な文章を書ける作家さんなので今後がますます楽しみです。
連載今後もがんばってほしいです。
期待!



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。


     


「魔女の詩」   後藤健二 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=12159

文芸・ニノベ作品感想企画の初代感想担当の後藤健二先生の作品です。
本作、文芸界隈ではご存知のかたも多いはず。
以前から連載されていた「魔女の詩」のリメイク版になります。
漫画の連載もある後藤先生。自作品への専念しっかり頑張っておられる。
もう更新きてくれないか心配でしたが、信じて待っていて良かった!
今回プロローグのみの更新になりますがよいでしょう。
個人的には色んな意味で高く買っておりますゴトケンスタイル。
感想企画を経て、その筆筋に新たな兆しを感じられたのはそこはかとない事実。
リメイク前の魔女の詩、実は保存完了しています(事後報告)
どう変化がみられるのか、楽しみなところ。



■プロローグ
四つの国々が大陸でしのぎを削る世。治安の乱れは世の乱れ。ならず者の山賊たちもまた各所にはびこるのだった。
前の「魔女の詩」とはがらりと変わった滑り出しに吸い込まれます。吟遊詩人の語りで幕が開けるファンタジー作品らしい趣に期待が高まりまる。
詩人の泣きっ面は、ヒロイン登場を鮮やかに演出していたのではないでしょうか。脳裏に描く作品の映像は鮮明で、遠ざかるヒロインと騎兵の後姿を消えるまで眺めていられます。
リメイク前の「魔女の詩」ではヒロインの語りで始まる序文だった気がしますが、それよりも硬さがとれたのではないかと思えました。読みやすい気がします。
文章に使われる言葉もツボを押さえて丁寧。それでいて軽すぎないものを目指して書かれているように感じられました。
文芸ファンタジーの雄、執筆ここに始まる。ですね!
月並みですが今後に期待としておきます……w



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。


     


「きっとあなたも独りです。」   椋木りょう 作
http://kitto.sanpo.us/wordpress/k/

椋木りょう先生の超大掌編集。
文芸界隈で本作を知らない方はおられないのではないでしょうか。
連載開始はなんと2013年。
以来ぽつりぽつりと順調に作品更新され今では174作品。
この継続力とネタの引き出しの多さには感服するばかりです。
コメント欄に一作分ごとコメントするとします。
確実に174コメントは得られるかと。
全作品に感想を書くのはさすがに大儀。
途中から一行感想に移行させていただきたいた。
それでは参ります。



■各話ごとの感想
001、
恋に慣れきってしまった。恋愛に初心がなくなった。そうしていつの間にか恋が人生で清涼感のあるものでなくなっていた。
侘しい感じがしました。毎恋度ごとに相手は違う。その人によってときめきや好きになる場所違ったりしなかったのでしょうか。同じだったのでしょうね、ここでの私。どうしようもないくらい好きな時期がなかったのでしょうか。温度を感じさせない乾いた気持ちの表現が印象的でした。

002、塩タン
あるとき嗜好の違う事されると戸惑いますね。身近な例ではルートビアは日本人にあわないイソジン風味のビールなのですが、それを突然上手いと言い出されたとき、友情関係を破綻させてやろうかと一瞬思いました。こっそり一人で確かめたりはしませんでしたけどw

003、3人
3人でも4人でも5人でも、どうしたっておひとりさま。そんな感じはあります。稀に話が合うときに、あわせることができる誰かにあわせればいい。四六時中同じように絡んでなくていいんですよ。友達関係はサービス業のカウンター業務ではないんだから。一生懸命やらないといけないものなんでしょうか。ああ、だから私もw

004、大学
大学行くのに勝ち負けがあるとは! 大学行ってまでグループ考察をしないといけないとは! そういうの皆面倒臭いと思ってないんですか? 好きなのかな? あ、そんなんだからw

005、ライカ
じわじわきます。かつ、ぼんやりしていてちょっと切ない。

006、コード
人様の曲を歌う事、しかも人前で歌う事私はほぼないです。ハードル高いです。そんな私からすればここでの気持ちは羨ましいです。こんなふうに思うこともできるのは歌える前提があるからです。歌えない私はみんなとカラオケに行ってもおひとりさま。

007、刹那
まずまずリア充の私。けれど眠りにつくのが怖いという私の語りです。
考えさせられたのは、自分が生き死について考えるとき、哲学みたいな思考が入ってくるのはどうしてなんだろうということ。誰でも自分なりの考えがあって、向き合うほどに深みにはまるものなんでしょうか。そうやって気持ちを整理するとも言うのでしょうか。何のために? 面倒なんですよ、そういうのは。目前に降りてこないとき以外、ふわふわどこかに浮かばせておきたいと思います。

008、ゴム
切ない。しかし揺れる。だって人だから。

009、夢
町を行く人たちが主人公に見える。この感覚なるほど関心。人の群れ、その一人一人に個々の行先、目的地がある。そこを終着点とするなら人の流は物語。そんなふうにも感じられる。例えば目の前を通り過ぎていく誰かを追っていければいずれはどこかに辿り着く。そしてまたどこかへ向かう。始まりと終わりの繰り返し。物語とどこか似ている。趣があると感じました。

010、M T
気に入りました。外面と内面の差異。無自覚だったか分からないけど、重ねてきた年月は長い時間の流れ。けれどそこに、重みはなくてまるで何もなかったかのように、感じさせてくれました。短いながらに密度がある一作。読後もすっきり。

011 、ジョグ
恋話すると不機嫌になる。そういうリアクションも、可愛げがあればいいんですけどねw扱いは難しいです。
個人的な考えを述べますと、筋肉を落としまう体重の落とし方は、お勧めできません。骨格を支える大事な物なので、死背が悪くなって猫背気味になる。そうなると身体のラインも綺麗に見えない。魅力半減です。そんな私も感想企画始まって以来、4㎏ほど太ってしまいましたので何とかしないといけないところですw

012 啓蟄
人情がいじらしくて良い。女性でしょうか、男性でしょうか。椋木先生作品からははかり知れないです。

013 祝福の中で
うはあ~。これも重かった。のしっと思いが重い。

014 ある女の絶望
怖かったです。

015 寝落ち
ネットで知らない誰かと話す。顔も見えない、互いの過去も肩書も知らないからこそできる話。刹那的に沸き起こった感情を、水に流すように憂さ晴らし。この網の世界にこそ、人の心の片鱗はばらまかれ、いたるところで絡まっているんでしょうね。目に見えないけれど。

015 エセーより
自分のこともよく分からないときがあるのに、他人のことがよく分かる人っているのかなと。分かったつもりでいるのは好まない。だからこそ分かり合おうと接点を持つ。色んな形の通じあい。そんなことを考えさせられました。

・印象深かった箇所
「ただ、時代の頭脳が命を燃やしてきた。だから学問は美しい。」

016 トゲ
告白、されたのでしょうか。毎度馴染の一文が苦い経験と時の流れを感じさせてくれました。

017 帰省
都会って独特な雰囲気があると思います。逆説的に田舎もそうなんだけど。都会は何もかもが多すぎるのに、何もかも深く触れてはいけない。お飾りものが沢山ある場所にも思える。だからそこにいると緊張でみんな疲れてしまう。

019 自撮り
人と会うのは嫌じゃない。けれど鏡を見るのはあんまり好きじゃない。整える、きれいにするとかいうことの、意識が低い人間なので。つまり人に会うためにするべきことを、嫌う人間だから必然的に人に会いに行かなくなるという説もある。私がね、そういう側面もっている。
だんだん読んでいると胸が痛くなってきた。

020 つり革
みんながそれをしないから。いつか誰かもそれをするかもいれない。けれどそんな思いはとどめの言葉に撃ち殺された気がしました。

021 特殊相対性理論
悲しい話が疲れに追い打ちをかけます。読むことが苦痛とかいうのではなく、心を持っていかれるのです。このお独りさまの世界へ。

022 網の目
オフ会には、ほぼ! 参加できないだろう私。新都社のことは概ね二次元でしか知りえない現象。それは心地よく孤独に磨きをかける術ではあるけれど、鬱憤溜まるときもあるんだよ。人恋しい時くらいありますよ。そりゃね。

023 横顔
確かに重い。

024 初恋
初恋って憶えてないけど、こんなにも色んなこと考えていたろうか。その記憶すらない。

025 バカ
バカとは、バカっていう人がバカって子供の頃に教わった。だから私はバカじゃないと思っている。
あ、だから私もおひとりさまか

026 IC
目線面白かった。確かに一理ある感。

027 春分
雷が鳴ると良く停電して困るんです。防災グッズはBBQセットまであるのが安心です。
可愛らしい姉妹関係でした。

028 予測
電源ボタンを押した時の衝動的反応に心が乱れました。

029 さん
自分だったら何日だろうと考えてしまいました。3はしかしよく耳にする数字。うん、なんか、そういうのを感じますね。3って数の便利さを。

030 爪
お~、痛いしなんだか重たい瞬間なんだけど。象徴的に見せられる手もとを見た気がします。あと、だんだんくたびれてきた。
 
疲れてきたので最新話読んで終ります。

0173 侘しさに効く特効薬
侘しさってそんなもんなのでしょうか。しかし案外簡単に埋められるものなんですね、寂しさは。割と刹那的な人との交流が心の隙間を埋めるときはありますね。

0174 遠近法
つかず離れずのぬるい距離感。心地よいとも言えず悪いわけでもない。摩擦のない心の関係。麻痺ともいうのでしょうか。いや、それもなんだか違う気がすると思わせられました。



 ■総括的感想
膨大な量の掌編。読んだ分だけでいいますが、そのどれもが深く心に沁みてくる。百発百中でえぐられるように胸を掻かれる。深く突き刺さる。じわっと痛む。読後の後味の重さや、深さ、強烈なインパクトは何物にも代えられない趣を持っている作品ではないでしょうか。たとえ恋や愛なんかはもうどうでもよくても、本作を読むとその味わいが良くも悪くも感じることができる気がします。
ただ、一気に何作も読むとなると本当に重い。辛いです。泣きたくなります。
他人ごとでない部分や身近に感じることが赤裸々に感じてしまう箇所もあって、お酒なしではいられない気持ちになりましたw
文章量が少ないはずなのに密度が濃くて疲れてしまうのですw これは褒め言葉。
言葉にし難い揺れや沁みる感情を読ませる作品はなかなか出会えないと思います。まして必ず最後の殺し文句。痛烈な一打をサヨナラで浴びせられたかと思えます。
おひとりさまはいつまで続くのでしょうか。
ひとまずここまでを感想とします。



以上この作品に関する4日更新分の感想はここまで。
 

     


★9月4日更新文芸感想まとめ

今月で最後ということもあってか文芸作品の更新多かったです。
嬉しい。嬉しい! 嬉しい!! 嬉しい――!!!
デスデス。


あと、この場を借りて大事な嬉しいお知らせ。
★文芸・ニノベ作品感想企画3★が始まります。
三代目感想は文芸ニノベ界の重鎮・黒兎玖乃先生です。
この方の文才は折り紙つき。
鍛え抜かれた筆さばきは歴戦の猛者を彷彿とさせ、今なお幾作もの作品を連載中です。
新都社文芸界隈の上手な作家さんたちに感じる「早熟」という二文字。
まさしく黒兎先生にも当てはまる言葉。生来の文章書きなのかと思わせます。
これから感想希望の作家さんは、黒兎先生の指定する日程にドシドシ作品をぶつけてください。
私のような半端者ではないのでより二層三層も上質かつためになる感想を聞かせてくれるはずです。
既にご本人のほうで感想企画の会場を設けて挨拶なさっています。
未読の方がおられましたら覗いてみてください。
新しい試みとして、感想にラジオも導入されます。
つい最近ですが、ラジオのほうでもご挨拶なさっておられました。
なかなかのイケメンボイスで早くも非リアの作家陣からは嫉妬を買っ……ごにょごにょ。
いえいえそんなことはございません。ええそうですとも。めっそうもない。
とりあえず、私もこれで後顧の愁いは消えました。
安心してこの企画を終えられそうです。


次回はニノベの感想を二人で書きます。
黒兎先生のツイートからサイコロを振れたとの情報を確認済みです。



9月14日更新のニノベ作品の感想を書くことになりました。


私にとって最後のニノベ感想です。
感想ご所望作家の皆さんは、15日へ付が変わるまでに更新よろしくお願いします。

       

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