Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

 郵便局で速達の手続きをしながらコウタは考えていた。正義のために戦うとしても、事件はいつもニュースで知るだけで個人の力で間に合い、解決できるものなどほぼない。かと言って例えば警察に所属したところで、扱う事件の多くには倒すべき敵などいないだろう。・・そして現実の僕はそれにも及ばず自分の仕事のど忘れのカバーしかしていないし、他に用途もない。

  結局のところ――
現代において力で実現できる正義なんてないんじゃないか。

 それが自分の結論なのか、どうか。郵便局から出たコウタは溜息にも似た深呼吸をしながら、空を見上げていた。そして、自分の存在の小ささを感じるのであった。

       

表紙
Tweet

Neetsha