Neetel Inside 文芸新都
表紙

現代MTGについて少し話そうと思う
はじめに

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 やあ、ひさしぶりだね。前回あったのはいつだったかな……そう、神河物語だ。すべら、転生、武士道、反転カード、伝説のエンチャント、けち、ホビージャパン、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》……そんな時代だったね。そのとき僕はどうしても《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》がほしかったのだけれども、トップレアということもあり手にいれることはできなかった。十年後、とあるショップで彼(彼女)をみつけた僕は値札ぶんのお金をはらい(いまとなってはとるに足らない額だ)積年の夢をかなえることができた。でも袋をあけてみるとそれは僕のほしかった《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》ではなかった。かなしいことだけどそんなことが起きてしまうほど十年ってのは長い。そうそう、先日もイエローサブマリンのストレージで《Kjeldoran Outpost》をみつけたんだけど……
 おっと、ノスタルジーにひたるのはこのくらいにしておこう。僕はおわってしまった時間を語るためにもどってきたわけじゃない。それはもう前作でさんざんやったことだし、いまとなってはほとんど意味のないことだ。僕は《カーノファージ/Carnophage》や《暗黒の儀式/Dark Ritual》が二度と帰ってこないことをうけいれることにしたんだからね。
 現代MTGの主役はまぎれもなくクリーチャーだ。いまどきクリーチャーを使わない理由なんてハッブル宇宙望遠鏡でもみつけることはできないだろう(勝ち手段が2枚の《研磨時計/Grindclock》だけなんてのはいかにも旧時代的で狂気じみた発想だ)。みつかるとすればそれはモダンとかレガシーとかそういう場所になるだろうけど、そこらについて僕が話せることはほとんどない。だから今回はスタンダードの話だ。え? そんなことはタイトルをみた時点でわかってるって? まあまあ、すこしくらいもったいぶったっていいだろう? まったくMTGプレイヤーってのはせっかちだ。ちょっとくらい我慢してくれたってバチはあたらないってのに。おいおい、わかった、わかったって!  OK、じゃあ前置きはこのくらいにして本題にはいろう。

       

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