Neetel Inside 文芸新都
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今日は賑やかだ。
鬼は社殿の前の茣蓙の上にいた。
目の前には豪華な酒と食い物が並んでいた。
それを松明が赤々と照らす。
烏帽子を被った男たちが、鬼の前で舞を踊っている。
厳密な舞のようだが、烏帽子たちは時々おどけた動きをするので、鬼は退屈することがなかった。
とても愉快だ。
宴は夜が明けるまで続いた。

太陽が山の影から見え隠れする。
烏帽子の一人が舞を止め、それに続いて周りの烏帽子たちも動きを止めた。
烏帽子は腰に手をまわす。
朝日に白刃が光る。鳥帽子たちが白刃を大きく上段に構え、鬼に近づいてくる。
鬼は恐怖した。
背をみると、社殿の戸には大きな錠前が架かっている。
とても中には入れまい。
ふと社殿の側面をみると、階段状の梁が屋根裏に続いていた。

       

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