Neetel Inside 文芸新都
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光太郎はこちらを一瞥して、もう2度と俺の身体には目を向けようとはしなかった。俺も黙って上着を着直す。四車線に広がって伸びる国道は端から端まで色とりどりの車だらけで隙間もなく混んでいた。まっピンクのもあるが、そんなカラーリングのどこが良いのだろう。車体の横スレスレを白の丸いヘルメットを被った原付おばさんが通って行く。渋滞は向こう数百メートルに及んでいるようで、遅々として車列は進まない。「工事かなぁ」と光太郎が誰ともなくぼんやりと呟くけど、俺は何も言わなかった。

       

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Neetsha