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★文芸・ニノベ作品感想3★
10月9日更新ニノベ作品感想

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■10月9日更新のニノベ作品感想

 作品更新数:3作品

 どうしたニノベ!? と思わず声に出してしまいました。ニノベといえば毎回7作品とかぶっこんでくる印象。しかし今回はなんと片手で数えられる数に収まってしまいました。どうしたニノベ!? 僕一人だからいけないのか!? というか今まではどうしてそんなに多かったんだ!? ええい、なにか裏があるはず! キノコ先生の感想を見てみよう! 対象作品が多かった時って、一体どんな感じに……
 …………
 ……………………
 分かんない! とにかくみんな頑張って更新しよう! 僕も気合入れて感想書きます!
 だから見捨てないで!
 例のごとく、以下の点だけご注意お願いします。
 ・感想を書く順番は更新された順。
 ・感想を上げる前に更新したものは、感想を回避したとみなして感想を書かない。
 ・↑の場合でも、申告があれば感想を書く。
 申告は作者コメント欄やTwitterなどでよろしくお願いします。
 それでは気になる更新作品リスト。(表記は更新順)

「俺のセクサロイドがヤラせてくれない」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18329
「ソナタ」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15997
「はまたん(電子書籍版)」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=7889

 んで、今回私情でなかなか読む時間が取れないため、感想載っけるのは早くても連休明けになってしまいそうです。申し訳ありません。和田駄々先生は月金に更新されるのでまず「セクサロイド」だけでも上げると思います。すべて上がり次第ラジオ。ただいまゲスト出演交渉中です。段取りも考えています。しばしお待ち下さい。

     

 ※実験的にちょこちょこ項目名を変えています

「俺のセクサロイドがヤラせてくれない」 作者:和田駄々

【第一印象】
 感想に合わせてもらえるのは二回目。そして完結までの更新数もあと二回。……どういうことだ!? 打ち切りなのかそれとも、元々短い話なのか。何にせよ最後まで楽しみにしています。今回の感想は二話から。

【ストーリー】
 場面は変わり、えるたそ……もとい赤池絵留に視点が切り替わる。電子ペット(?)をバター犬として利用しちゃういけない子。するとなぜか、いきなりバター犬のシヴィル(シヴィル? シヴィラ? 表記が安定していない)がハックされ、オナニーが全世界に公開されることに。絵留はパニックになってしまう。で、実はハックしていたのはサクラだったと。セクサロイドによってオナニーシーンを全世界発信されるって屈辱すぎる。えるたそにマゾ属性があれば何とか乗り切れたのかもしれない。
 最新話は脳外科医の話。なるほど、AIでも人間の脳は弄れないらしい。禁忌か。その辺りまだ機械的だなと思うところはある。脳外科医の添野はもう助からない見込みの患者で実験をしてしまう。脳にAIチップとかそういうものを埋め込むのだ。人非人すぎる行為。しかしこれによって人間を超越した存在が生まれる、と。
 全体的な感想としては、なんか話がバラけてしまっているような。色んなとこハックしたりして、サクラは何がしたいんだろうという印象。矢継ぎ早に視点が切り替わるから啓もどこか空気だし、人物像もなかなか見えてこない。もしかしたらその辺りを懸念して打ち切り(?)にしようと考えているのかも。ちょっと散漫としている感じはある。

【キャラクター】
 変態か変態か狂人しか出てきていない。それが和田駄々クオリティ。それぞれの人物の信念が見えてきているので、もしかしたら群像劇チックだったのかも? 今のところこのキャラクターたちがどう繋がってくるかわからないのでなんとも言えない。えるたそは進藤を脅迫させるためだけの材料? 唐突に添野が出てきた理由は? 疑問が残る。

【世界観】
 AIに支配されている文化とAIに頼らない文化が共存している世界。こんなふうに相反する二つの組織があれば、そりゃあ揉め事も起こりそう。国家統一だとか何とか。軍事AIってのはそういうものの関係かな? 

【文章】
 相変わらず軽快な……という印象には欠けた。説明的な地の文が多く、これは本当にラノベなのかと思うほど台詞が少ないようにも感じた。なんだかいつもの駄々ちゃんという感じではない。不調?

【総括】
 おそらく打ち切りになってしまうのであろう同作品、なんというか、エネルギッシュではなかった。SF作品の宿命なんだろうか、とにかく説明が多い。世界観を把握するのに時間がかかる。オリジナルの未来器具も出てくるからその説明も挟まれる。だからといって説明がないと理解が追いつかない。なかなか難しいところです。駄々先生がどういう理由で打ち切るのかはわからないけど、やるからにはキチンと落とし所を付けてほしい! どうして打ち切ることになったのか本当に気になる。続いていけば息の長い作品になっていただろうから。

     

「ソナタ」 作者:三浦

【第一印象】
 来ました、ニノベ界の重鎮(?)。話数の割にはコメントが少なく、どうしてなんだろうと思っていた矢先に更新がやって来た! 今回更新作品数が少ないと嘆いていましたが読む分量はあまり変わっていない気がします。かなり量がありますので、今回は【日常編】の感想を。全更新合わせられることがあったらその都度やっていきます。

【ストーリー】
 ざっとまとめると、双子の兄妹、透と光が入れ替わったり入れ替わらなかったりしてドタバタするお話。うん、いいね。ラノベっぽくていい。舎弟の男子生徒とか、透を付け狙う(実際は光)女子生徒だとか、登場人物が小気味よく良い意味で王道で良い。展開も同様、安心して楽しめる作品。ストーリーもなんとなく先が読めてしまう感じはあるけど、掛け合いが面白いからするすると読めてしまう。感服。デブは流石に予想できなかったけど。

【キャラクター】
 個性的な奴がひっきりなしに出てくるからちょっと過剰ではないかと思ってしまう。もう少し少人数で、もっと時間をかけてそれぞれの人物を掘り下げてみてもいいかなって気はする。千歳とかせっかく面白くて取り回しの良さそうなキャラクターなので、もっと突っ込んだ展開をしても良かった。深くは読み込めていない(後述)んだけど、殺しを止めたかと思うとまた再開したりしてるので、良い意味でも悪い意味でも情緒不安定。もうちょっとだけキャラクターを減らして、というか人物あたりの文章量を増やして掘り下げてみては? 同じことしか言っていないけど、それくらいそこ以外は問題ないように感じた。

【世界観】
 お馬鹿でアホなキャラクターたちが入り乱れるのは爽快。現実でもこんな波乱万丈な生活を送られればどれだけいいだろうか。自らの青春時代を思い出して切なくなる。なんとなく昭和っぽい雰囲気を感じてしまうのは自分だけ? 地元が田舎なのでそんな感じの情景をイメージしてしまう。

【文章】
 個人的にはここが一番気になった。黒兎お得意の重箱隅突き十六連打が炸裂する……と言いたいけど商業ベースではない作品なので控えめに。独自の比喩表現は個性の一言でどうとでも片付けられるのだけど、諸所に読みづらさを覚える部分があった。下記に二箇所ほど抜粋したのだけど、非難を恐れず言うとなんとなく合わない文章。僕自身がコメディを書いた時とかなり異なる書き方をしているのでそのせいかもしれない。
・「透のふりをした光に叩きのめされた前田は、また凝りもせずに透を虐めた。あんなに弱々しく自分に屈服していた小さな少年に負けたなど許せない事だった。その現場を光が目撃し、すぐに人気のない場所で交代し、先ほどまで弱々しく耐えるだけの透が肉食動物になったように爛々と反撃してくるのだった。――」→この辺りの場面、結局どうなっているのかがよくわからなかった(理解不足)。視点の移動がままあるようなので、それが少なくなるだけでもだいぶ違和感は減る。
・「――卵焼きも碌に焼けない癖に何言ってんだアイツは? 今日の弁当は俺だろ! 俺!」→ここだけではなく透の独白でほぼ「――」が使用されているので、そこまでするなら透の一人称でよかった疑惑。量が少ないならまだしもかなりの数を占めているので、かなり違和感があった。

【総括】
 話はなかなか面白く、キャラクターは魅力的なのだけど、合わない文章(?)のおかげで読み進めるのに根気がいって少し苦労した作品(僕に合わないってことは大多数の人には合っているということになると思うので心配はいらないと思います)。少しずつ読み進めようとは思っているけどなかなか食指が伸びない印象。話数が多いのも影響しているのかも? 各パートのあらすじみたいなものがあるととっつきやすくなるかもしれない。

     

「はまたん」 作者:はまらん

【第一印象】
 文壇の黒幕ことはまらん先生による短篇集。感想企画用に書き下ろした(発掘した)短編らしいのでそれを読んでの感想ということになる。わざわざぶつけてきてくれるところに男気を感じる。さすがはニートノベラーといったところ。ところでリップハンターはまだですか。

【ストーリー】
 普通の斧を落としたら金の斧に変えてくれる泉に金の斧を落としたらとんでもないものが出てきちゃったよっていう話。怒涛の展開に笑いが止まらない。オチを考えるのが面倒になってきたところで吹いた。そしてラストの数行で吹いた。
 こういうものを書かせると天下一品なので無理やり終わらせた感があっても全く問題なかった。はまらん先生はなんというか、やはりこういう短編だとかブログだとか短い文章を書くのに向いているのかもしれない。

【キャラクター】
 泉を独占したい木こりと煙草なんか吸っちゃってる女神。童話的な世界観ぶっ壊しにかかってる書き方に感服する。木こりがダンプに乗ってる時点で世界観めちゃくちゃすぎてやばい。だんだんと同じノリになっていく三人。まあそうなるよね。キャラクターが凄くふわっふわしてるけどはまらんワールドではそんなもの関係ないのであった。

【世界観】
 何度も言うけどお伽話チックワールドは完全に崩壊していて、良い方向で捉えようとすると「現代的な童話」みたいなイメージ。話が生々しい。女神様完全にファンタジー世界の住人だし、最終的には宇宙に斧放り出すしで、もう何でもありのハチャメチャ世界である。もはや突っ込むことすらままならない手出し無用のリバティー。フリーダムの権化とはこの事。

【文章】
 自由すぎる反面、ちょっとギャグが空回りしてしまっているような部分はある。会話はやはり上手いので、SSなんて書いてみたらどうなんだと思う。

【総括】
 一編だけなので総括は難しいけど、やはり人物の会話に関してはまらん御大はかなり群を抜いている。裏を返せば地の文は少し弱めという印象が強い。長編となった時に場を持たせるにはやはり地の文で繋ぎとめる必要が出てくるので、そこを強化できれば格段にパワーアップできるのではないかと密かに思っている。フュージョンしない? ……ともかくはまらん先生の文章の魅力を感じるには短編が最適だと思うのでぜひ読んでみて欲しい。共に笑おう。

     

■全体の総括

 今回は3作品と少なめでしたが、読み応えのあるものもあり、いつもと同じくらいの労力を割かれました(執筆時間を取れず短めになっているのはごめんなさい……許して)。自分一人の感想となって不安な面はたくさんありますが、なんとかこの企画を途絶えさせないように努力しますので、どしどし更新してください! 待ってます!
 で、今回から項目を少し変えたり、また試行錯誤しています。項目ごとの感想は見づらい、各話ごとの感想がいいなどの意見がありましたらコメントでもラジオのレスでも何でもおっしゃってください! まだまだ暗闇を歩いている感じが強いので……。もちろんラジオのゲストなども随時募集してます。どんどん文芸を盛り立てていきましょう。

 次回感想日ですが、先ほどサイコロを振りました。
 10月19日。この日に更新された文芸新都作品の感想を書きます。
 で、それにあたって簡単なアンケートをします。余力があれば回答をお願いします。なければオフトンに包まれて寝ましょう。おやすみなさい。

【アンケート】
 ・項目ごとの感想 or 各話、場面ごとの感想 どちらがいいか?
 ・更新があれば感想を書かない制度、廃止すべきか否か?

       

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