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★文芸・ニノベ作品感想3★
2月5日更新ニノベ作品感想

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■2月5日更新ニノベ作品

 作品更新数:6作品

 なんだか今回はいつもと違う布陣。文芸新都は割りと同じ作品が合わせてくるけど、ニノベは違う作品が来るので新鮮。そのおかげかどうかはわからないけど、結構早い段階で読んでしまえました。
 例のごとく以下の点だけご注意お願いします。
 ・感想を書くのは小説作品。
 ・感想を書く順番は更新された順。
 ・作品数が多い場合は複数日に分けてアップする。
 ・感想が不要の場合は作者コメント欄などでひとことください。
 それでは気になる更新作品リスト。

「ミシュガルド 寒冷地戦線」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18798
「ヒーロー裁判」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18809
「赤い悪魔と魔法使い殺し」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18118
「浅漬け短編集」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18463
「力を持ってる彼の場合は」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17463
「日替わり小説」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18716

     

「ミシュガルド 寒冷地戦線」 作者:ミシュガルド戦線先生

【まえがき】
 ミシュガルド作品。寒冷地での戦いを描いたものになりそうです。いったい何ゲンヴォルフ先生なんでしょうか……。

【ストーリー】
 寒地であるベラ・ベラ高原におけるアルフヘイム軍の戦いの話。この調子だと防衛戦一方になるのだろうか。まだ甲皇軍の侵攻の意図がよくわからない? のでどういう話になるのかは予想がつかない。もしかしてそんなに長くはならない? 寒冷地に何か貴重なものがあってそれを狙ってるんだろうか。

【キャラクター】
 ロー良い。キャラクター配分のバランスが取れていると思う。ミーヒャが熊? だってことには全然気づかなかった。隊長が本当は臆病ってのも良い。まだ始まったばかりなのでキャラクターの掛け合いはそこまで多くない(戦記っぽいからそれも少ないと思うけど)ので、これからが楽しみ。

【文章】
 相変わらず安定している。情報に過不足がない。たまにはいる軍事用語らしきもので思考が止まってしまうことはあるけど雰囲気作りを買っているので問題なし。分からない言葉があったら調べよう。喇叭をしゃくはちって読んだことを思い出した。

【総括】
 始動したばかりだけど既に続きが気になる展開。ナイナVSスズカという布陣になるのだろうか。続き待ってます。

     

「ヒーロー裁判」 作者:ボバ先生

【まえがき】
 新作。作者も初めて見る方。ちらっと読んだ感じだとニノベよりも文芸新都向きの文章っぽい。でもジャンルはSFファンタジー。いいですね。アワードで今後人気の出るジャンルをおさえている。

【ストーリー】
 よくわからない印象。色々隠している事実がありすぎて読者がついていけない気がする。結局、ヒーローというのは何? 戦っているモンスターというのは何? それぞれの出自は? その辺りが曖昧なまま話が進んでいるので理解が追いつかない。まずは最低限の現状と目的を地の文でもいいから語ったほうがいいかと。今のところタイトルと内容がよく噛み合ってない。

【キャラクター】
 主人公は誰なのか。川口という男? その川口も一度描写がされてからは特に何も特徴を見せてないのであまり印象に残らない。何かの組織に所属しているのだろうか。キャラクターの行動や仕草なりで表現しないと覚えてもらうことは難しい。

【文章】
 突然挟まれる空行は、何か意図がある? 今のところ読みづらいという印象しかない。会話がぶった切られたりしているので。いくつか気になった点を抜粋。

>もう一点注意しなくてはならないのは、モンスター達は一般人を誘惑する。
文章の始まりと終わりが噛み合っていない。

>夕刻、作戦域に向けて川口は自身の車を走らせていた。~車は高速道路を降り、まもなく到着する作戦本部に向けて進む。
無線の会話シーン。会話が読みづらいのはちょっと致命的。空行は要らないと思う。会話シーンでただ会話してるだけなのも微妙。咳込んだりだとか、そういう表現を入れてもいい。

【総括】
 結局誰がどこで何をしようとしていて、その結果どうなっているかという根底の部分が不確か。過去の話とかデータとかに読者はまだ興味はないから、今誰が何をしようとしているか、ということをキチンと時系列にそって書いてみてほしい。

     

「赤い悪魔と魔法使い殺し」 作者:七瀬楓先生

【まえがき】
 どうしても旧版の印象がまとわりついていたけど、期間が空いたことですっかり抜け落ちたので新鮮な印象で読めた。というか話忘れたので一から読んだ。

【ストーリー】
 蜂須賀結衣との戦闘中に現れた赤い悪魔、ハチェットを呼びだそうと躍起になる幸太郎。一人になった途端、その姿が現れた(声だけだけど)ってとこで引き。いい感じ。七瀬先生は序盤で主人公グループ作るのが上手い。蜂須賀パイセン普通に溶けこんでる。学校のトップなのに。それに勝ったことでいろんな奴に狙われるっていう立ち位置も良い。

【キャラクター】
 蜂須賀パイセンが告葉の立場刈り取っているのは笑う。本来なら告葉あたりと一緒に行動しそうなものだけど。梅干しまな板パイセンさすが。季作は今のところガヤ役って印象しかない。情報屋っぽい立ち回りがあるといいんだけど難しいかな。メインヒロインであってほしい告葉があんまり出てこないのはやっぱり笑う。九波? 知らない子ですね……。

【文章】
 ちょいちょい誤字。約不足はちょっと致命的。そこの誤字はダメでしょ! 約分不足を指摘してるみたいになってるよ! あとこの場面だと役不足じゃなくて力不足じゃないかな。役不足は「役目が力量に沿わず低い」ってことだから。
 以下抜粋。

>「俺はこれで戦ってやるよ。ちょうどいいハンデだろ?」
「――ハンデ?」
 幸太郎は、右のストレートを突き出し、ステップを踏んで、悪魔を睨む。
「俺ぁ、全開だ。お前を殺す為の鍛錬もした。ハンデなんて言ってたら、殺されるのはお前だ」
「くくくっ……」悪魔は、「確かにそうだな」と言って、槍を捨てた。

 若干、誰が何を言っているのかわかりづらい。もうちょっとセリフ足してもいいかも。ふたりとも一人称が俺だから混じりやすい。

【総括】
 ちょこちょこ誤字はあるけど安定していて面白い。あとはキャラクターを使い捨てにしなければ問題ないと思うので、九波くんもまた出してくれよな!

     

「幼い銃剣/浅漬け短編集」 作者:酢先生

【まえがき】
 以前も確か感想を書いた。幼い銃剣の1話(?)だけだったと思うので、今回はそれ以降の感想。

【ストーリー】
 善ちゃんの出征前夜の話。明日が出征だから、今日を精一杯楽しもうという母の考えを知り、善は国に心を支配されていたと気づく……ん? 別に支配はされていないような? 母の考えを見越せていなかったとは思うけど、国に心を支配されていたなら学徒出陣にウキウキペディアな気がする。ともかく、善は何かした決意を固めた様子。よし、逃げろ!

【キャラクター】
 つとめて明るく振る舞う母親も、学徒出陣が決まった時は取り乱していた。でも今は最後の瞬間まで楽しもうとしている。戦時中の雰囲気が出ていて良い。はだしのゲンで浩二兄ちゃんと別れる場面を思い出した。善はお国とともにあらん、という感じではないけど、学徒出陣に向かうのかそれとも歯向かうのか、あるいは変革を起こすのか楽しみ。

【文章】
 文字と文字の間に空白を入れる強調づけはなくていいと思う。空行入れるだけで足る。

>実際、家に直接召集命令の知らせに来られた日の夜は荒れたんだ。

言いたいことはわかるけどもうちょっと落ち着いて!「に」が重なっている時点で少し読みづらい。「直接召集命令の知らせが来た日」で良かったんじゃない?

>やがて、の戸を叩く音がした。

強調文の誤字脱字は手痛い。

【総括】
 これから始まるって感じの話なので多くは言えないけど、ひとつだけ。短編じゃないですよ、これー!

     

「力を持ってる彼の場合は」 作者:ソルト先生

【まえがき】
 場合シリーズはいいぞ、心が洗われる。

【ストーリー】
 旭は突貫同盟の連中で集まって、作戦会議。でも全員がともに行動するってわけでもない。そのうちの一人、アルが酒呑童子に興味を示したのは「おっ」と思った。果たして味方になるのかそれとも本当に茶々入れるだけか。そしてのんびり雰囲気のスーパーに突然の来客! 予想外だったのでビビった。そこの新婚夫婦(仮)逃げろ! ってわけにもいかず、守羽は酒呑童子と腰据えて話をすることに。内容が気になる。お前とはサシでやってみたいけど妖精邪魔だからぶっ殺そうぜ、みたいな持ちかけだったらマジかよ! ってなるんだけど、どうだろう。

【キャラクター】
 名前を出さなくてもシェリアだってすぐに分かるくらいキャラ作りが上手いのが分かる。突貫同盟の会話もそれぞれに個性があることで誰の発言なのかすぐに分かるのがいいね! 会話文に苦労している人は読んでみるといいかも。酒呑童子もただ戦いを好んでるってわけじゃなくて、狡猾そうな感じが良い。

【文章】
 さほど気になる点はない。ところどころ文章のつなぎ方(助詞に違和感)がおかしいと思うところはあるけど、重箱の隅をつつくようなことなので問題ない。なんか以前会話文が不自然みたいなことを指摘した気がするけど、今回はそんなことなかった。順調に面白くて、なんかもう、ソルト先生の頭蓋を割って中がどうなっているのかホルマリン漬けにして観察したいくらい。

【総括】
 ただ決戦を迎える……ってわけでもなさそうで、構成うまいなーと感心するばかり。まだ読んでない人にはぜひぜひ読んでほしい。時間はかかるけど面白いよ! 贔屓目なしにしても!

     

「日替わり小説」 作者:天馬博士先生

【まえがき】
 毎日更新されている掌編集。分量は1000字程度? 毎日かけるのはすごい。

【ストーリー】
 掌編集なので繋がっていない。なので適当にかいつまんで読める。オチがよくわからない話もあるけど、なるほどって話もあるので◎。最近で言えば模試の話は面白いなと思った。形式も独白メインのものから会話がある程度織り交ぜられているものまで揃っているので、お気に入りの話を探してみるのにもいい感じ。

【キャラクター】
 変人が多い気がする。変人がやらかす(?)変な日常がメイン? これらの掌編が全部同じ町の出来事だったら面白いなーなんて思いながら、掌編でキャラクターについて語るのは存外難しいので特筆することはない。いや特筆できない。辛い。

【文章】
 割りと固め。内容から考えても、文芸新都向き? 表現や言い回しに独自性があるので「そういう書き方があるのか!」と勉強にもなる。ただ、掌編と言えどもパラグラフが長いと読みづらいので、その場合は行頭一字下げを入れるといいかと。

【総括】
 一日の終わりに読める良質短編集。これで毎回良いオチがあれば完璧なのだけど、そこまで求めるというのは酷というもの。期待しています。

     

■全体の総括

 今回は遅れることなくスムーズに感想書けた気がします。よっしゃ! もう大丈夫。この程度の感想でよければガンガン更新ぶつけてください。
 最近の新作は結構目を引く作品が多い。感想企画をやっているということもあってそれなりに新都社作品をまた読み始めたのだけど、文章は多少稚拙であっても突飛というか、良い意味で個性的な作品が多い。逆に言えば、無難な異世界ファンタジーとかは見かけないのが新都社文芸の面白いところ。その辺を書けばもしかしたらドラペニのように人気出るかもしれないね、と思いながら異世界ファンタジー作品の筆を執っています。連載予定は未定。

 次回感想日は、2月10日更新の文芸作品。週のど真ん中になりますが、気合にこもった文芸作品が集まることに期待しています。新作もどんどんぶつけていいんだよ!
 ということでまた。

       

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