Neetel Inside 文芸新都
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ダニィの無駄の無い連続パンチは、ディオゴに反撃の隙すら与えることもなかった。高速回転するチェーンソーの刃の前で、無傷でいられる者がいるはずもない。俗にチェーンソーパンチと呼ばれるその拳と拳の殴打の嵐は、
ディオゴの反射神経を凌駕し、彼の急所へと叩き込まれた。
ムエタイやカポエイラを混合させたマサカリという格闘術を主流とする
正統派の黒兎人族戦士であるディオゴは、蹴り技を得意としていた。
だが、勝負はそこにあった。徹底的に鍛え上げられた脛を相手の急所に蹴り込むマサカリの
得意技も、あくまでも相手が中距離に居てくれれば……つまりは、相手と自分との間に
足一つ分の距離があって初めて効果を発揮するものだ。
対してダニィは、ジークンドーや詠春拳をベースとした超接近戦型の格闘術だ。
相手と自分との間に足一つ分の距離など要らない。
懐に潜り込めば潜り込むほど、相手に攻撃の隙を与える間もなく
一方的に攻撃することが出来る。

「綺麗だねぇ……」

人職人人は人骨の指をツギ合わせて作られた骨のキセルをふかしながら、
勝者となったダニィに拍手を送った。

「……やれやれだ。スタンd…………ガーディアンに
取り憑かれた者の末路というわけか。」

悪魔のような禍々しい蝙蝠羽をばたつかせながら、ダニィはディオゴを
見下ろしていた。その目には禍々しい光が宿っていた。
スタン………幽波m……いや、うるさい黙れ。

…守護霊ガーディアンに取り憑かれた者は、心の闇を動力源として
強大な力を得るが、ジョジョに精神を蝕まれていく。
ハルドゥが今やシャルフリヒターに分類される危険度にまで進化を
遂げてしまった経緯がそこにある。

「あちゃちゃんごー……勃起ウサギやられてるじゃん……」

「フン……口だけは達者なトーシロめ。このざまとは情けない。」

獣神将のエルナティ、ロスマルトがそこにいた。


       

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